作成日: 2025/2/27 更新日:2025/2/27
弁護士になるには?目指すために必要な勉強や進学先の大学選びを解説

将来のキャリアを考えていると、弁護士という仕事が候補に挙がることがあります。
しかし、弁護士になるにはどうすればよいのかという疑問を抱く人も多いと思います。
そこで本ページでは、弁護士になるにはどうすればよいのかについて、次の観点などから徹底的に詳しく解説していきます。
- 必要な資格と司法試験の概要
- 弁護士になるにはどのような進路を選べば良いのか
- 資格取得後の就職先やキャリアパス
よく抱く疑問とその回答もお伝えしますので、最後まで読み進めて、弁護士になるために欠かせないポイントを理解しましょう。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
- 1 弁護士とはどんな職業なのか
- 2 弁護士になるためのステップ
- 3 弁護士になるために行くべき大学の条件
- 4 資格取得後の就職先やキャリアパス
- 5 弁護士になるにはどんなスキルが必要?
- 6 弁護士を目指すにあたり注意するべき点
- 7 よくある質問
- 7-1 司法試験の合格率は?
- 7-2 弁護士になるには法科大学院と予備試験のどちらのルートが良い?
- 7-3 弁護士になるにはどれくらいの費用がかかる?
- 7-4 弁護士になるには何年かかる?
- 7-5 中卒や高卒で社会人になった後に弁護士になるには?
- 7-6 司法試験合格者になるにはどんな勉強方法が良い?
- 7-7 法律を学ぶことで得られるメリットとは?
- 7-8 独学で弁護士になるには何が必要?
- 8 まとめ
弁護士とはどんな職業なのか

弁護士の主な仕事は、依頼人の法的問題を解決することです。弁護士は、個人や企業が直面するさまざまな法的な課題についてアドバイスを行い、必要に応じて訴訟を提起したり、裁判所で代理人として活動します。また、依頼人の権利や利益を守るために、法的手続きを進めるとともに、交渉を通じて問題解決を図ります。
主な仕事内容
役割 | 内容 |
法律相談 | 個人や企業からの法律に関する質問や悩みに対してアドバイスを行い、契約書の確認や紛争解決の法的アドバイスを提供。 |
代理人としての役割 | 訴訟や調停、仲裁などで依頼人を代理し、裁判手続きや法的手続きを進める。 |
弁護活動 | 刑事事件で被告人の弁護を行い、証拠収集や法的に有利な状況を作る活動。適正に裁判を受けられるよう支援。 |
企業法務 | 企業が契約を締結する際の助言や、トラブル解決、コンプライアンス体制づくりに関与。 |
社会的責任 | 法律を通じて社会の公正や正義を守り、平等に扱われるように活動。社会に貢献する重要な役割を担う。 |
弁護士という仕事の魅力は、社会に大きく貢献できることにあります。弁護士は、法的紛争を解決することで個人や企業の権利を守り、人権を保護したり社会の秩序を維持したりする役割を果たしています。
また、弁護士は法律の専門家として法的アドバイスを提供し、契約書の作成や交渉を通じてトラブルを未然に防ぐ役割も担っています。
このように、弁護士は、法律を通じて社会正義を実現したり人々の生活を支えたりすることができます。そのため、弁護士は、強い使命感とやりがいを感じる職業です。
魅力ややりがい
魅力・やりがい | 詳細 |
社会に貢献できる | 法的な支援を通じて、社会正義を守り、依頼人の権利を守ることができる。社会に貢献できる点が大きな魅力。 |
多様な業務に関わる | 刑事事件、民事事件、企業法務など、さまざまな分野で活躍できるため、常に新たな挑戦がある。 |
高い報酬を得られる可能性 | 高い専門性を活かし、特に企業内弁護士や大手法律事務所では、高収入が期待できる。 |
人々との信頼関係を築ける | 依頼人と密接に関わり、信頼を得てその信頼に応えることで満足感を得られる。 |
独立やフリーランスとしての働き方 | 独立して事務所を開設することも可能で、自由な働き方ができる。独立後の裁量や責任も魅力。 |
弁護士という職業は、社会貢献を実感しながら、多様な分野で活躍し、自己成長を促進することができる魅力的な職業です。また、報酬面でも高い水準を期待でき、さらに独立して働く道も開かれているため、非常にやりがいがあります。法的な問題解決を通じて、人々の生活を支え、社会に貢献することができる点が、弁護士の最大の魅力であり、やりがいとも言えるでしょう。
弁護士になるためのステップ

弁護士になるためのステップには、大きく分けて2つのルートがあります。それぞれのルートについて説明した後に、その先に待っている司法試験、司法修習について解説していきます。
ルート | ステップ | 詳細内容 |
法科大学院ルート | 1. 大学で法学を学ぶ | 法学部がある大学で法律の基礎を学び、学士の学位を取得します。 |
2. 法科大学院に進学 | 法科大学院に進学し、2~3年間で司法試験の準備を行います。 | |
3. 司法試験を受ける | 法科大学院を卒業後、司法試験を受け、合格することで弁護士資格を得る資格を得ます。 | |
4. 司法修習を受ける | 司法試験合格後、司法修習を経て、実務を学びます。 | |
5. 弁護士登録 | 修習終了後、弁護士として登録し、正式に活動を始めます。 | |
予備試験ルート | 1. 大学で法学を学ぶ(任意) | 法学部に進学することが一般的ですが、必須ではなく、独学や予備校で学ぶことも可能です。 |
2. 予備試験を受ける | 法科大学院に進まず、予備試験を受けて司法試験の受験資格を得ます。 | |
3. 司法試験を受ける | 予備試験に合格後、司法試験を受けて、合格することで弁護士資格を得る資格を得ます。 | |
4. 司法修習を受ける | 司法試験合格後、司法修習を受け、実務経験を積みます。 | |
5. 弁護士登録 | 司法修習終了後、弁護士として登録し、実務を開始します。 |
法科大学院・予備試験
法科大学院ルートと予備試験ルートは、弁護士になるための二つの主な方法です。それぞれのルートには特徴やメリット、デメリットがありますので、以下で詳細に解説します。
法科大学院ルート
法科大学院は、弁護士を目指す人が進学する大学院で、司法試験に向けた専門的な教育を受けるためのコースです。日本の法曹養成システムの中で最も標準的なルートとされています。
特徴
- 法科大学院に進学する
法科大学院には、未習者コース(3年制)と既習者コース(2年制)があります。 - カリキュラム内容
法学の基本的な理論に加え、実務的な訓練も行い、法律の基礎知識だけでなく、実際に法廷で活用できる実務能力を身につけます。司法試験の受験資格を得るために必須の教育課程となります。 - 司法試験の受験
法科大学院を修了後に司法試験を受けることができ、合格後は司法修習を経て、弁護士として活動を開始できます。
予備試験ルート
予備試験は、司法試験の受験資格を得るための試験で、法科大学院を経ずに司法試験を受けるための選択肢です。このルートを選ぶ場合は、予備試験に合格する必要があります。
特徴
- 予備試験に挑戦する
予備試験は、司法試験を受けるための資格を得るための試験で、通常は大学卒業後に独学や予備校などで学んだ後、受験します。 - 独学や予備校を活用
予備試験に挑戦する場合は、法学部出身でなくても、独学や予備校で法律を学ぶことが可能です。自分のペースで学習を進められる点が特徴です。 - 難易度が高い
予備試験の難易度は非常に高く、しっかりとした学習計画と忍耐力が求められます。しかし、法科大学院ルートに比べると、学費が安く済むことが多いです。
司法試験の受験

弁護士になるには司法試験に合格することが必要です。司法試験は日本の法律資格試験の中でも最も難関とされており、合格するには、法律に関する高度な知識を身につけることが必要です。
そのため、大学の法学部で基礎的な知識を勉強した後、法科大学院でより専門的な法律の学びを深めて受験するのが一般的です。
このように、司法試験を受けるには、法科大学院進学や予備試験活用という選択肢があり、いずれの場合も、合格するには法律に関する深い理解と試験対策が不可欠です。
試験の構成
司法試験は、一般的に以下のような構成で実施されます。
予備試験合格者や法科大学院修了者が受ける本試験は、以下の段階で構成されています。
- 短答式試験:多肢選択式の問題で、基本的な法的知識を問います。民法、刑法、憲法、商法、民事訴訟法など広範囲にわたる法律の知識を問われます。
- 論文式試験:指定された問題について、自分の法的見解や立論を示す論文を作成します。民法、刑法、商法、憲法などについて深い理解と論理的な思考力が求められます。
- 口述試験:論文試験に合格した受験者に対して、口頭で行われる試験です。試験官との質疑応答を通じて、受験者の法的能力やコミュニケーション能力が評価されます。
試験名 | 形式 | 主な内容 | 求められる能力 |
短答式試験 | 多肢選択式 | 民法、刑法、憲法、商法、民事訴訟法などの基礎知識 | 法律に関する基本的な知識 |
論文式試験 | 記述式 | 各法分野に関する問題(例:民法、刑法、商法など) | 論理的な法的分析力、問題解決能力 |
口述試験 | 面接式 | 試験官との質疑応答、法的な解説・説明 | 実務的な法的判断、論理的な口頭表現力 |
司法修習
司法試験に合格しただけでは弁護士として活動することはできません。合格後には、司法修習という重要なステップが待っています。司法修習は、法律の実務を学ぶための研修期間であり、約1年間行われます。
この期間中、修習生は裁判所や検察庁、弁護士事務所などで実際の業務を経験し、法曹としての実践的な能力を養います。
司法修習には、法廷での実務訓練や法律事務の処理、倫理教育など、多岐にわたるカリキュラムが組まれています。
修習の最後には「二回試験」と呼ばれる考査があり、これをクリアすることが最終的な弁護士資格取得の条件となります。
つまり、司法試験合格はあくまでスタートラインであり、弁護士になるには、司法修習を通じて実務能力と倫理観を磨くことが欠かせないのです。
弁護士になるために行くべき大学の条件

弁護士になるために大学進学は必須ではありませんが、行っておいた方が法律の基礎を体系的に得ることができるため有利と言えます。
弁護士になるために行くべき大学は、法学部を有し、法科大学院または司法試験に対応したカリキュラムが整備されている大学が理想的です。特に法科大学院を設置している大学は、弁護士になるための学びを深める上での強力な拠点となります。将来を見据えて、司法試験合格を目指すための学問環境を整えた大学を選ぶことが重要です。
カテゴリー | 説明 |
法学部がある大学 | 法学を学べる大学で、弁護士を目指すための基礎を学ぶことができる。多くの法学部が司法試験の準備に対応している。 |
法科大学院設置大学 | 弁護士や裁判官、検察官などを目指す学生のために法科大学院が設置されている大学。司法試験合格を目指すためのカリキュラムが整備されている。 |
司法試験合格者の多い大学 | 司法試験合格者数が多い大学で、司法試験に向けた優れたカリキュラムを提供している。合格者数が多いことは実績がある証拠。 |
予備試験ルートに対応する大学 | 法学部以外でも、予備試験に対応した法律関連のカリキュラムを持つ大学。予備試験を受ける学生向けの環境を提供。 |
資格取得後の就職先やキャリアパス

弁護士の資格を取得した後には、さまざまな就職先やキャリアパスが存在します。以下に代表的な選択肢を紹介します。
就職先・キャリアパス | 内容 | キャリアパス |
法律事務所 | 個人や企業の依頼を受けて法律相談や訴訟業務を行う。大手から個人経営の事務所まで様々な規模の事務所がある。 | アソシエイト弁護士としてスタート、経験を積んでパートナー弁護士を目指す。専門分野を深掘り、専門家になる。 |
企業内弁護士(インハウスカウンセル) | 企業内で法務業務を担当、契約書作成や紛争処理、コンプライアンスなどを行う。 | 法務部門でリーダー職や部長職を目指す。特定分野のスペシャリストになる。 |
公的機関・団体 | 政府機関や公的団体での法務活動。検察官や裁判官、または法律扶助や人権擁護活動など。 | 政府機関や公的団体で政策形成や立法支援、地域貢献活動に力を入れる。 |
独立開業 | 自分の事務所を開設し、個人や企業を相手に法律業務を行う。自由な働き方を実現可能。 | 事務所経営を行い、複数の弁護士を雇用して規模拡大。特定分野に特化して専門性を高める。 |
国際的なキャリア | 国際法や外国の企業を相手にする業務。国際的な取引や紛争解決に携わる。 | 外資系法律事務所や国際機関で活躍。多国籍企業の法務部門でのキャリア。 |
学者・教育者 | 大学で教員として法律の教育や研究を行う。法律学問の発展に寄与。 | 大学の法学部で教授や助教授として教鞭を取る。法学研究の発表や学会活動。 |
法律メディア・コンサルタント | 法律関連のメディア活動やコンサルティング業務。法律に関する解説やアドバイスを提供。 | 法律系メディアで解説やコメンテーターとして活動。法律事務所や企業法務部門向けにアドバイスを提供。 |
弁護士になるにはどんなスキルが必要?

弁護士になるには、次のようなスキルが求められます。
具体的なスキル | 説明 | |
法律知識 | 法律の基本的な理解、判例、法改正への知識 | 民法、刑法、商法、憲法など、幅広い法律知識が求められる。特に専門分野で深い知識が必要。 |
論理的思考力 | 論理的な問題解決能力、証拠の整理や法的根拠に基づいた議論 | 複雑な法的問題に対して論理的に考え、説得力のある議論を構築する能力が必要。 |
コミュニケーション能力 | クライアントとの面談、裁判所での口頭弁論、交渉での発言 | クライアントや法廷でのスムーズなコミュニケーション能力が求められ、特に人間関係を築く力が重要。 |
書面作成能力 | 契約書や訴状、意見書、法的文書の作成 | 法的文書を正確かつ明確に作成する能力が必要。文書表現力や構成力が求められる。 |
交渉力 | クライアントや相手方との交渉能力、和解交渉のスキル | 紛争解決のために相手と交渉し、最善の解決策を導くためのスキルが不可欠。 |
ストレス管理能力 | 高いプレッシャーの中で冷静に判断する能力、ストレス耐性 | 複雑で高ストレスな案件に取り組む際、冷静に処理するための精神的強さや忍耐力が求められる。 |
倫理観と責任感 | 高い倫理観、法律家としての社会的責任 | 法律に基づいた行動、クライアントの信頼を守るために高い倫理観と責任感を持つことが重要。 |
時間管理能力 | 納期を守るための計画的なスケジュール管理、タスク優先順位の設定 | 多くの案件を同時に進行するため、効率的に時間を管理し、期限内に作業を終わらせる能力が求められる。 |
リサーチ能力 | 法律の調査、判例や法律文献の検索能力 | 新しい法的問題や過去の判例を調査し、適切な解決策を見つけ出すためのリサーチスキルが必要。 |
チームワーク | 他の弁護士や事務員、クライアントとの協力能力 | 依頼者や事務所のチームメンバーと連携し、効率的に案件を進める能力。特に大規模な訴訟案件では重要。 |
これらのスキルは、弁護士としてのキャリアを築く際にも非常に役立ちます。そのため、これらのスキルを持っている場合は弁護士に向いています。
弁護士を目指すにあたり注意するべき点

ここでは弁護士になるにあたり注意しておくべき点を紹介します。参考にしてください。
注意すべき点 | 詳細内容 |
司法試験の難易度が高い | 司法試験は非常に競争が激しく、合格率が低い試験です。試験科目が多岐にわたり、法律に関する深い知識と論理的思考力を要求されます。予備校や専門の学習方法が必須で、合格には長期間の努力と計画的な学習が必要です。多くの受験生が複数回受験することも一般的です。 |
法科大学院の学費が高額(200~300万円以上) | 法科大学院の学費は年間200万円以上が一般的で、3年間通うと総額600万円以上になります。この学費は、学ぶための資金調達や生活費を含めると、かなりの経済的負担となります。また、奨学金やローンを利用する場合もあり、卒業後の返済が重くのしかかることがあります。 |
弁護士になっても仕事が安定するとは限らない | 弁護士資格を取得した後、必ずしも安定した収入が得られるわけではありません。特に独立開業を選ぶ場合、クライアントを獲得するための営業やネットワーキングが不可欠です。また、大手法律事務所に所属しても、仕事の案件量や依頼人の質に差があり、収入の安定には時間がかかることがあります。 |
長時間労働・ストレスが多い職業 | 弁護士の仕事は時間外労働が多く、案件によっては非常に忙しくなることがあります。特に裁判や重要案件を担当する場合は、納期に追われたり、夜遅くまで働くことが普通です。加えて、依頼人との関係や裁判所とのやり取りなどから、精神的なストレスが大きくなることもあります。 |
よくある質問

弁護士になるにはどうすべきかについて、様々な質問が浮かぶことでしょう。ここからは、次の質問に回答していきます。
司法試験の合格率は?
令和6年(2024年)司法試験の合格率は42.1%でした。司法試験は非常に難易度が高い試験であり、合格率は低いです。近年では、予備試験の合格率が低く、司法試験の合格者も一定の数に限られています。試験の難しさは、その範囲の広さや求められる論理的思考の深さにあります。
なお、法科大学院に通わずに予備試験に合格して司法試験を受けることもできますが、令和6年の予備試験の合格率は2.9%となっています。
参照元:法務省 令和6年司法試験予備試験口述試験(最終)結果
弁護士になるには法科大学院と予備試験のどちらのルートが良い?

弁護士になるには法科大学院と予備試験のどちらのルートが優れているかは、個々の状況や目的によって異なります。
法科大学院では、法律の基礎から応用まで幅広く体系的に法律を学べ、社会人学生との人脈を築く機会も豊富ですが、学費や時間がかかるというデメリットがあります。
一方、予備試験は、学費の負担を軽減し、早期に司法試験を受けることができる最短ルートとして魅力的ですが、独学での合格は難しいため、予備校の活用などが必要です。
以上の内容を踏まえ、自分の学習スタイルや経済状況、将来のキャリアプランに応じて、どちらのルートが自分に合っているのかを慎重に検討することが大切です。
法科大学院ルート | 予備試験ルート | |
メリット | 法律の基礎から応用まで体系的に学べる 専門的な指導が受けられる(教員や施設、教材など) 試験対策がカリキュラムに組み込まれており、効率的に学べる 法曹としてのキャリアに必要な人脈を作りやすい | 大学卒業後すぐに法的な実務や試験対策に集中できる 法科大学院への進学が不要で時間や学費を節約できる 自分のペースで学習を進めることができる 予備試験の合格者は早期に司法試験を受けられる |
デメリット | 学費が高く、時間がかかる(修士課程の場合、2年~3年の時間が必要) 進学のための競争が激しい(学力的にも選考が厳しい) 一部の司法試験合格者が、実務経験の不足を感じることがある | 予備試験の合格率が低く、難易度が非常に高い 基本的に独学が求められるため、自己管理能力が必要 合格するまでに長期間、予備試験の勉強に集中しなければならない 短期間で実務経験が積めないため、実務の知識が不足する場合がある |
弁護士になるにはどれくらいの費用がかかる?
私立大学の法学部に進学する場合、弁護士になる費用として総額で約600〜900万円かかるのが一般的です。
費用 | 費用の詳細 |
法学部の費用(教科書代なども含む) | 年間約100万円×4=約400万円 |
法科大学院の費用 | 年間約100万円×2=約200万円 |
司法試験のための予備校や講座の費用 | 約150万円 |
※予備試験を活用する場合でも、独学だけで合格するのは難しく、多くの大学生が予備校を利用します。
※奨学金制度や教育ローンを活用することで、経済的な負担を軽減することも可能です。
弁護士になるには多額の費用が必要ですが、計画的な資金計画を立てることで、司法試験の合格に近づくことができます。
弁護士になるには何年かかる?

弁護士になるには何年かかるかは学業の進捗状況や司法試験の合否によって変動しますが、法学部に入学した場合でも通常は約7〜8年かかります。
なぜなら、弁護士になるには、一般的には次のステップを経るためです。
ステップ | 期間 |
法学部での学士課程 | 4年間 |
法科大学院での学習 | 2年間 |
司法試験の合格を目指す準備 | 1年間 |
司法試験合格後の司法修習 | 1年間 |
大学在学中に予備試験に合格すれば、法科大学院を経ずに司法試験を受験することが可能となりますが、それでも大学入学から弁護士登録まで最低でも6年は必要です。
司法試験に合格するためには多くの勉強時間を割く必要があるため、弁護士になるには計画的な学習と効率的な試験対策が重要となります。
中卒や高卒で社会人になった後に弁護士になるには?
中卒や高卒で社会人となった場合でも、弁護士への道は開かれています。弁護士になるには司法試験に合格する必要があり、司法試験を受験するには、法科大学院を修了するか予備試験に合格する必要があります。
法科大学院に入学するには、原則として大学卒業資格を取得する必要があります。そのため、中卒や高卒で社会人となった場合は、法科大学院に入学するのは現実的ではありません。
したがって、予備試験に合格し、法科大学院を経ずに司法試験を受験するのが現実的な選択肢となります。
仕事と学業を両立させるのは困難ですが、オンライン学習の活用や夜間の学習時間を確保するなどの工夫があれば勉強時間を捻出することができます。
司法試験合格者になるにはどんな勉強方法が良い?

司法試験に合格するためには、法律の知識を深めることが不可欠です。そのため、効率的な勉強方法を模索し、合格へ向けて計画的に学習を進めることが求められます。
次のような多角的なアプローチで、司法試験突破を目指しましょう。
勉強方法 | 詳細 |
基本書や判例集を活用して基礎知識をしっかり固める | 特に、基本書は何度も繰り返し読み、理解を深めることが大切です。 |
過去問に取り組み、出題傾向を把握しながら実践力を養う | 過去問演習は、時間を計って行うことで、本番さながらの緊張感を体験できます。 |
他者との議論を通じて自分の考えを整理し、理解を深める | スタディグループを組み、定期的に勉強会を実施するのも良いでしょう。 |
なお、司法試験の勉強は長丁場になるため、体調管理も忘れずに行い、集中力を維持するために適度な休息を取り入れることを心掛けましょう。
法律を学ぶことで得られるメリットとは?
法律を学ぶことにより得られるメリットは数多くあります。法律以外の分野にも応用可能なため、卒業後のキャリアの幅を広げることにも繋がります。
メリット | 詳細 |
法律の知識を持つことで、日常生活においてさまざまなトラブルを未然に防ぐことが可能 | 例えば、契約書を理解し、適切に活用することで、不利な取引を避けられます。 |
法律を学ぶことで論理的思考力が養われ、問題解決能力が向上する | 問題解決能力は、法律分野のみならず、他のあらゆる職業でも役立つスキルです。 |
法律の知識は、様々な社会問題についての理解を深める手助けとなる | より良い社会の実現に貢献することができ、社会に対してもポジティブな影響をもたらします。 |
このように、法律を学ぶことで、様々な局面においても大いに役立つでしょう。そのため、法律を学ぶことは、自身のキャリアにとって大きな武器となり得るだけでなく、非常に価値のある選択です。
独学で弁護士になるには何が必要?

独学で弁護士になるには、計画的に学習を進め、着実に知識を深めるために、高い自己管理能力が不可欠です。
必要なこと | 詳細 |
司法試験のカリキュラムを理解し、必要な法律科目を独自に学ぶためのリソースを集める | 市販の教科書やオンライン講座、過去問を活用するのが効果的です。 |
論文試験対策 | 法律論文の書き方を学び、実際に書いてみることで実践力を養います。 |
学習の進捗を自ら管理する | 定期的に模試を受けることで実力を確認することが重要です。 |
モチベーションを維持する | 同じ目標を持つ仲間と情報交換を行うコミュニティに参加するのも効果的です。 |
経済的な理由や家庭の事情で大学に進学できない場合などでも、上記のポイントを押さえて勉強することで、司法試験合格を目指せます。
強い意志を持ち、スケジュールをしっかりと立てて継続的に勉強に取り組むことが重要です。
まとめ

本ページでは、弁護士になるにはどうすればいいのかに関する詳細な情報を提供しました。
その中でも、弁護士になるにはどうすればいいのかについて高校生が理解するために重要なポイントを一覧できるように記載していきます。
- まず、高校生の段階で法曹の魅力を理解し、法学部を目指すことが重要です。
- 大学では法学の基礎を学び、法科大学院への進学を視野に入れることが一般的です。
- 法科大学院では、司法試験合格に向けた専門的な法律知識を身につけます。
- 司法試験に合格した後は、司法修習を受け、実務に即した経験を積むことで、弁護士としての資格を取得することができます。
- 弁護士としてのキャリアパスは多岐にわたり、企業内弁護士や国際的に活躍する法曹など、多様な選択肢が存在します。
- 法曹界で活躍するためには、常に学び続け、スキルを磨き続ける姿勢が求められます。
弁護士になるためには多くのステップを経る必要があるため、弁護士になるための道のりは決して平坦ではありません。
しかし、その分だけやりがいのある職業なので、少しでも弁護士に興味を持ったら、まずは法学部への進学を検討してみてください。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。