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作成日: 2025/2/26 更新日:2025/2/26

地球科学とは何を学ぶ学問?学ぶことや就職先を解説

地球科学とは何を学ぶ学問?学ぶことや就職先を解説

「地球科学って何を学ぶの?」

「地球科学を学んで得られる資格は?」

このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。

  • 地球科学とは何か
  • 地球学では何を学ぶのか
  • 学問の目的
  • 地球科学を学んだ後の進路や就職先
  • 地球科学を学ぶのに向いている人の特徴

地球科学とは何かを知りたい方、何を学ぶのか気になっている方、進路の選択の参考にしたい方はぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。


地球科学とはどんな学問?

地球科学とは

地球科学とは、地球の成り立ちや構造、自然現象を科学的に解明する学問です。

地震・火山活動、気象変動、海洋環境など、地球上で起こるさまざまな現象を対象とし、過去から未来の変化を分析します。

地球科学は、理学系の学問として研究が進められることが多いですが、近年では防災、環境問題、資源開発とも深く関わり、応用分野が広がっています。

地球科学にはどんな分野がある?

地球科学にはどんな分野がある

地球科学で学ぶ分野は次のとおりです。

分野
説明
地質学
地球の固体部分(岩石、鉱物、地層など)を研究し、地球の歴史や構造を明らかにします。地震や火山活動などの地質現象も扱います。
気象学
大気の構造や動態を研究し、天気や気候を予測します。気候変動や大気現象(台風、竜巻など)も対象です。
海洋学
海洋の物理的、化学的、生物学的特性を研究します。海流、海洋生物、生態系、海洋資源などが含まれます。
地球物理学
地球の物理的性質(重力場、磁場、地震波など)を研究します。地震のメカニズムや地殻構造の探査なども行います。
地球化学
地球の化学的組成や元素の循環を研究します。鉱物の形成や地球内部の化学的プロセスを理解するための分野です。
水文学
地球の水循環、地表水や地下水の流れと分布を研究します。水資源管理や洪水予測も重要なテーマです。
環境科学
地球環境の保護や改善を目的に、環境問題(汚染、気候変動、生態系の変化など)を研究します。
地球情報科学
地理情報システム (GIS) やリモートセンシングを用いて地球のデータを収集・解析します。

これらの分野を通じて、地球の理解を深め、人類の生活の向上や環境保護に役立てることを目的としています。

中でも以下の分野は、地球科学における主な学びとなります。

詳しく解説します。

地質学

地質学は、地球科学の一分野であり、地球の固体部分を研究する学問です。

地質学では、以下のテーマについて学びます。

テーマ
説明
岩石と鉱物
地球の地殻を構成する岩石や鉱物の種類、生成過程、構造を研究します。火成岩、堆積岩、変成岩などの岩石の分類や特徴を学びます。
地層と地質年代
地層の形成過程や地質年代を調査し、地球の歴史を明らかにします。化石を用いて過去の生物や環境の変遷を理解します。
地震と火山
地震の発生メカニズムや地震波の解析方法を学び、地震の予測や防災に役立てます。火山活動や火山噴出物の特性を研究し、火山災害の予測や対策を考えます。
地質構造
地殻変動による断層や褶曲の形成過程を理解し、地殻の動きを解析します。プレートテクトニクス理論を学び、地球全体の動きや地形の形成を理解します。
資源地質学
鉱物資源やエネルギー資源の生成過程と分布を研究し、資源の探査や開発に応用します。環境への影響を考慮した持続可能な資源利用の方法を学びます。

地質学は、地球の構造や歴史を解明し、地震や火山活動などの自然現象を理解するための基礎を提供します。

気象学

気象学

気象学は、地球科学の一分野であり、大気の構造と動態を研究する学問です。

気象学では、以下のテーマについて学びます。

テーマ
説明
大気の構造
地球の大気の層構造(対流圏、成層圏、中間圏、熱圏)とそれぞれの特性を学びます。大気の組成や温度、気圧の変化を理解します。
気象現象
雲の形成、降水(雨、雪、霧など)、風の発生メカニズムを研究します。雷、竜巻、台風などの気象現象の仕組みを学び、予測方法を研究します。
気候システム
地球全体の気候システムの働きを理解し、気候変動や長期的な気候パターン(エルニーニョ現象など)を研究します。温暖化やその他の気候変動要因の影響を調査します。
気象観測技術
気象衛星、気象レーダー、気象ステーションなどの観測技術を学び、データの収集方法とその解析技術を習得します。天気予報のための数値モデルの使用方法を学びます。
気象と人間活動
気象が人間の生活や経済活動に与える影響を研究し、防災や適応策の立案に役立てます。農業、航空、海運などの分野における気象情報の利用方法を学びます。

気象学は、天気や気候の予測に用いる基礎知識です。

テレビやネットの天気予報に使う知識、と書くとわかりやすいでしょう。

海洋学

海洋学は、地球科学の一分野であり、海洋の物理的、化学的、生物学的特性を研究する学問です。

海洋学では、以下のテーマについて学びます。

テーマ
説明
海洋の物理学
海洋の循環パターン、海流、潮汐、波などの物理現象を研究します。温度や塩分の分布、海洋の熱輸送、エネルギーバランスを理解します。
海洋の化学
海水の化学組成やその変動を調査します。栄養塩、溶存ガス、微量元素の循環を研究し、海洋の生物活動や気候への影響を理解します。
海洋生物学
海洋生物の多様性、生態系、進化を研究します。プランクトン、魚類、海洋哺乳類、深海生物などの生態を調査し、海洋生態系の構造と機能を理解します。
海洋地質学
海底の地形や地質構造を研究し、海底火山、プレートテクトニクス、海底堆積物の形成過程を明らかにします。海底資源の探査やその利用可能性を調査します。
海洋環境科学
海洋汚染、気候変動、酸性化などの環境問題を研究します。人間活動が海洋環境に与える影響を評価し、持続可能な海洋利用の方法を探ります。
海洋技術と観測
海洋観測技術(リモートセンシング、海洋ブイ、潜水艇など)を学び、データ収集と解析を行います。海洋モデルを用いて未来の海洋環境や気候の変動を予測します。

海洋学は、海洋の総合的な理解を目指し、地球全体の気候システムや生態系の維持に重要な役割を果たします。

また、海洋資源の持続可能な利用や海洋環境の保護にも貢献する学問です。

地球物理学

地球物理学

地球物理学は、地球科学の一分野であり、地球の物理的性質とその変動を研究する学問です。

地球物理学では、以下のテーマについて学びます。

テーマ
説明
地震学
地震の発生メカニズムや地震波の伝播を研究し、地震の予測や防災に役立てます。地震計を用いた地震活動の観測と解析を行い、地震の発生パターンや震源の特定を行います。
重力測定
​地球の重力場を測定し、重力異常を解析することで地殻やマントルの構造を明らかにします。重力データを用いて、鉱物資源や石油の探査を行います。
地磁気学
​地球の磁場の起源と変動を研究します。古地磁気学を通じて、過去の地磁気の変動を調査し、プレートテクトニクスや地球の歴史を理解します。
地熱学
​地球内部の熱の流れを研究し、地殻やマントルの熱構造を明らかにします。地熱エネルギーの利用可能性を評価し、持続可能なエネルギー資源としての地熱の開発を探ります。
地球内部構造
​地震波や重力データを用いて、地球内部の構造(地殻、マントル、核)を調査します。プレートテクトニクスの理論を理解し、地殻変動や火山活動のメカニズムを明らかにします。
環境地球物理学
地球物理学の手法を用いて、環境問題(地下水の汚染、土壌の浸食、廃棄物の管理など)を解決します。環境保護や持続可能な開発のためのデータ収集と解析を行います。

地球物理学は、地球の内部構造や動態を理解するための重要な学問であり、地震予知や資源探査、環境保護など多岐にわたる応用があります。

これにより、地球の自然現象や資源の利用、環境保護に貢献することを目指しています。

地球化学

地球化学は、地球科学の一分野であり、地球の化学的組成とその変動を研究する学問です。

地球化学では、以下の主要なテーマについて学びます。

テーマ
説明
鉱物と岩石の化学組成
地球の地殻を構成する鉱物や岩石の化学組成を研究し、それらがどのように形成され、変化するかを明らかにします。鉱物の結晶構造や岩石の生成プロセスを理解します。
元素の循環
​地球表層と内部における元素の循環過程を研究します。炭素、窒素、酸素などの主要元素や微量元素の動きを調査し、地球の気候や生態系への影響を理解します。
同位体地球化学
同位体比を用いて地質学的プロセスや環境変動を解明します。放射性同位体を用いた年代測定や、安定同位体を用いた環境変動の解析を行います。
地球内部の化学
地球内部(マントルやコア)の化学組成を研究し、その構造や進化を明らかにします。マグマの生成や火山活動のメカニズムを理解します。
海洋化学
海水の化学組成やその変動を研究し、海洋の生物活動や気候への影響を理解します。栄養塩、溶存ガス、微量元素の循環を調査します。
環境地球化学
環境中の化学物質の動態を研究し、汚染や環境変動の影響を評価します。地表水や地下水の化学汚染、土壌の化学特性を調査し、環境保護のための対策を考えます。
宇宙地球化学
隕石や惑星の化学組成を研究し、太陽系の形成と進化を理解します。宇宙から地球に持ち込まれた物質や、月や火星などの惑星の地質と化学を調査します。

地球化学は、地球の物質の起源や変遷を理解し、地球全体の化学的な循環や変動を明らかにする学問です。

これにより、地球環境の保護や資源の持続可能な利用に貢献することを目指しています。

地学と地球科学の違いとは

地学と地球科学の違いとは

地球科学と似た学問に、地学というものがあります。

地学は広い範囲をカバーし、地球科学はその中の一部に特化しているという違いがあります。

具体的な違いを以下に表としてまとめました。

観点
地学
地球科学
定義
​地球や宇宙に関する広範な学問領域
​地球そのものの構造、組成、歴史、および自然現象を研究する学問
範囲
​地球、天体、宇宙、気象、海洋、生物地理、人文地理などを含む
​地質学、気象学、海洋学、地球物理学、地球化学などを含む
目的
​地球とその周囲の環境を理解し、自然界の法則や現象を明らかにする
​地球の内部と表面で起こるプロセスや現象を理解し、予測する
主な分野
地球科学、天文学、気象学、海洋学、生物地理学など
地質学、気象学、海洋学、地球物理学、地球化学など

地学は、地球だけでなく、地球に関連する天体や宇宙の現象、人文地理学など人文科学の分野も含まれます。

地球科学は、地学の一分野であり、特に地球そのものの構造、組成、歴史、およびそれに関連する自然現象に焦点を当てた学問となります。

地球科学を学べる大学

地球科学を学べる大学

地球科学は、大学の理学部、地球環境学部などで学ぶことができます。

本記事では、地球科学を学べる大学を3つ紹介します。

北海道大学 理学部地球惑星科学科

2006(平成18)年4月に、地球物理学と地球惑星物質科学の2分野が地球科学科として統合されました。

平成23年度より地球惑星科学科と改称され、北海道大学 理学部地球惑星科学科となりました。

1年次に全学教育科目、2、3年次に専門科目を学び、4年次に科学研究を結実させます。

地球科学に用いるためのデータの採取、データの観測など、多くのフィールドワークを通じた学びが特徴です。

参考:北海道大学 理学部地球惑星科学科

日本大学 文理学部地球科学科

日本大学 文理学部地球科学科

自然災害や地球環境問題への対応を目的に、地球科学、自然科学、さらには人文・社会的な知識を身につけることを目指す学科です。

1年次に導入科目、2年次に専門基礎科目、3、4年次に専門応用科目という具合にカリキュラムを組んでいきます。

具体的には下記のような科目です。

  • 1年次……基礎数学、物理数学、基礎物理学、基礎化学
  • 2年次……気圏科学、水圏科学、地圏科学、環境化学など
  • 3、4年次……環境気候学、陸水学、物質移動科学、同位体地球科学など

またこのほかにも、流体地球科学基礎実験などの実験や実習の機会も多くある大学です。

環境問題への関心が高い人に向いている大学と言えるでしょう。

参考:日本大学 文理学部地球科学科

筑波大学  生命環境学群地球学類​

充実したフィールドワークが特徴の大学です。

化石調査、ガスサンプリング、岩石調査などの実地調査を、国内外で行います。

また、屋内での大気シミュレーション、卵化石計測、原子吸光光度計分析などの実験カリキュラムも豊富に用意されています。

毎年、複数の学生が海外への留学していることも特徴です。

参考:筑波大学  生命環境学群地球学類

大学選びのポイント

大学選びのポイント

地球科学を学べる大学はかず多くありますが、その中でもどの大学を選べばよいでしょうか?

大学選びのポイントを解説します。

研究設備の充実度

地球科学の研究では、多くの機器や設備を使用するため、それらが充実しているかどうかを確認します。

地震計、気象観測機器などのフィールド調査機器が整っているかどうかを、大学HPから確認しましょう。

フィールドワークの機会が多いか

フィールドワークの機会が多いか

地球科学の学びは、座学はもちろんのこと、学外へ出て行う現地調査が重要です。

地層、待機、ガスなど、実際の現場で検体を採取し、成分などを分析することで、より実践的な知識と経験を積むことができます。

そうした現地調査の機会がどれくらいあるかどうかを調べておくのがよいでしょう。

大学の所在地

大学の所在地が、フィールドワークに有利に働くことがあります。

​例えば火山や地震の研究なら東北大学や九州大学など、大学所在地の付近に活火山があると、現地への交通アクセスが良好で、実習の機会も多く持つことができます。

首都圏の大学よりも地方の大学の方が、フィールドワークの機会が豊富ということもあり得ます。

進学を希望する大学の付近の地理的条件も、調べておいて損はありません。

学びたい分野があるか

学びたい分野があるか

前述の通り、地球科学は広範な学びを行う学問です。

地球科学を扱っている大学でも。地質、気象、防災など、大学ごとに得意分野が異なります。

自分の学びたい分野と、その分野を得意としている大学がどこなのかを調べ、希望と合う大学を選ぶようにしましょう。

向いている人の特徴

向いている人の特徴

地球科学を学ぶにおいて向いている人の特徴はあるのでしょうか。

一例を紹介します。

自然に興味がある人

地球科学は、地球の構造、組成、プロセス、そしてそれに関連する自然現象を研究する学問です。

自然に対する深い興味や好奇心がある人は、地質学、気象学、海洋学などの分野で、新しい発見を追求し続けることができます。

自然環境の変化や地球の歴史について知りたいという情熱が、地球科学の学習や研究において大きなモチベーションとなります。

フィールドワークが好きな人

地球科学の研究では、フィールドワークの機会が多くあります。

フィールドワークとは、屋外で直接観察やデータ収集を行う活動のことです。

地層や岩石のサンプリング、気象データの収集、海洋調査など、地球科学の多くの分野でフィールドワークが必要です。

自然の中での実地調査を楽しめる人は、地球科学の研究において多くの経験を積むことができます。

フィールドワークを通じて解明していくことが好きな人は、地球科学を学ぶのに向いていると言えるでしょう。

持続可能な未来に貢献したい人

地球科学は、環境保護や資源管理など、持続可能な未来を築くための重要な知識を提供します。

持続可能な未来に貢献したいという強い意志を持つ人は、地球科学を学ぶことで、環境問題の解決に向けた具体的な方法を見つけることができます。

気候変動のメカニズムを理解し、再生可能エネルギーの開発に携わることや、自然災害の予測と防災対策に貢献することが可能です。

地球科学の知識を活かして、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを行うことができるため、持続可能な未来に貢献したいと思う方にとって、地球科学は理想的な学問分野です。

地球科学を学んだ人の進路・就職先を紹介

進路・就職先

地球科学を学ぶことによる進路や就職先は、どのようなものがあるのでしょうか。

詳しく見ていきましょう。

研究の職種

研究職は大学や研究機関でのポジションが主で、専門知識を活用して新たな発見を追求することが求められます。

研究者として働くためには、博士号の取得が一般的には必要であり、自身の研究テーマについて深く掘り下げ、その成果を学術誌などで発表することが期待されます。

職種の一例として以下があります。

職種
説明
地質学者
​地層や岩石の研究を行い、地球の歴史や構造を解明します。
地震学者
​地震の発生メカニズムを研究し、地震予知や防災に役立てます。
気象学者
​天気や気候の予測を行い、気象現象の理解を深めます。
海洋学者
​海洋の物理的・化学的・生物学的特性を研究します。
地球物理学者
​地球の内部構造や物理的性質を解析します。
地球科学者
地球の化学組成や元素の循環を研究します。

また、研究職には地球の現象を解明するためのフィールドワークも含まれます。

遠くの地域や海底、さらには宇宙まで、地球科学の研究は広範にわたります。

これらの活動を通じて、地球の過去、現在、そして未来についての理解を深め、科学全体の進歩に寄与することが研究職の役割です。

産業界の職種

産業界の職種

地球科学を専攻した学生が進むことのできる産業界の職種は多岐にわたります。

詳しくは以下を見てみましょう。

職種
説明
資源探査技術者
石油、天然ガス、鉱物などの資源を探査し、採掘計画を立てます。
環境コンサルタント
環境影響評価や環境保護のための対策を提案します。
地質技術者
建設や土木工事における地質調査を行い、安全性を確保します。
再生可能エネルギー技術者
地熱発電などの再生可能エネルギーの開発に従事します。

これらの職種では、地球科学の専門家が持っている科学的な視点や解析能力が重要とされ、多くの企業や組織が地球科学者を採用しています。

政府機関・公共団体の職種

地球科学の知識が求められる政府機関・公共団体の職種の一例として、以下があります。

職種
説明
防災専門家
​地震、火山、洪水などの自然災害の予測と対策を担当します。
環境保護官
​環境保護や自然保護のための政策立案と実施に関わります。
研究機関の職員
気象庁、地質調査所などで研究や調査を行います。

まず、気象庁や環境省などの機関では、地球科学者が重要な役割を果たします。

これらの機関では気象予報士や地震予知研究者など、天候や自然災害の予測・分析に関わる仕事が主にあります。

自治体の環境部署や地域振興部署でも地球科学の専門家が活躍します。

地域の自然環境保全や観光資源の開発、地域の災害対策策定など、地球科学を活用した役職が多く存在します。

公共団体の仕事は、地域社会への貢献という観点からもやりがいが感じられる職種です。

地球科学を学ぶことで、自然と共生する社会を作り上げるための具体的な役割を担うことが可能となります。

教育業界の職種

教育業界の職種

教育業界では、地球科学の知識を活かす幅広い職種が存在します。以下に一例を記載します。

職種
説明
大学教授・専門学校の講師
学生に対して地球科学を教える専門的な役割を担う。
高等学校の地学教師・学習塾の講師
高校生や塾生に地球科学の基礎や応用を教える職種。
科学博物館などの施設のスタッフ
一般の人々や子供たちに地球科学の魅力を伝える。
教育コンテンツ開発者・教科書執筆者・教材作成者
教育支援サービスにおいて、地球科学の知識を分かりやすく提供する。

教育業界での地球科学の活用は、学問の普及と理解の促進に大きく寄与します。

地球科学を学ぶことで得た知識と技術を活かし、次世代の地球科学者を育てる役割を果たすことができます。

教育の現場で地球科学を伝えることは、社会全体の科学的リテラシーを高める上でも重要な役割を果たします。

よくある質問と回答

よくある質問と回答

地球科学に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。

よく抱く疑問とその回答を記載していきます。

地球科学を学ぶには英語は必要になる?

地球科学を学ぶ際には、英語力が高いと有利となりますが、必須ではありません。

英語で書かれた研究論文が数多くあり、それを読むには英語力が必要になります。

一方で、日本語で書かれた論文も豊富に揃っているため、日本語のみでも十分に学び、研究を行うことができます。

地球科学を学ぶのにおすすめの本は?

おすすめの本は?

地球科学を学ぶためには、基本的な理論や知識を網羅した良書を手に取ることが大切です。

以下に、地球科学の学習に役立つおすすめの本を紹介します。

  • 『徹底図解 地球のしくみ』(新生出版社、2006年)
  • 『海洋学』(東海大学、2010年)
  • 『地球ダイナミクス』(朝倉書店、2014年)
  • 『環境科学入門 第2版: 地球と人類の未来のために』(化学同人 、2018年)
  • 『基礎から学ぶ気象学』(東京学芸大学出版会 、2019年)
  • 『カラー図解 地球科学入門 地球の観察――地質・地形・地球史を読み解く』(講談社、2020年)
  • 『地球科学入門─この素晴らしい惑星』(東京図書出版 、2025年)

これらの書籍は、各分野の基礎から応用まで幅広くカバーしています。

興味のある分野に応じて、最適な本を選び、地球科学の知識を深めましょう。

取得できる資格は?

地球科学を学んで取得できる資格には、専門知識を証明し、キャリアに役立つ多くのものがあります。

以下は、地球科学の分野で取得できる主要な資格です。

資格
説明
技術士(地質部門)
地質調査、地質リスク管理、資源探査などの専門分野で活躍するための資格。
応用地質技術者
地質調査や地質工学に関する専門知識と技術を持つことを証明する資格。
環境計量士
環境測定や環境アセスメントに関する専門知識を持つことを証明する資格。
公害防止管理者
大気汚染、水質汚濁、騒音などの公害防止に関する専門知識を持つことを証明する資格。
防災士
防災に関する知識と技能を持つことを証明する資格。
災害復興士
災害後の復興活動に必要な知識と技能を持つことを証明する資格。
気象予報士
気象に関する知識を持ち、天気予報を行うことができる資格。
海洋技術士
海洋調査や海洋工学に関する専門知識を持つことを証明する資格。
測量士
土地の位置や面積・距離などの測量を行うことができる資格。

これらの資格を取得することで、地球科学に関する専門知識と技能を証明し、キャリアの幅を広げることができます。

まとめ

まとめ

この記事では、地球科学に関する基本的な情報から学ぶ内容、進路や就職先、さらに地球科学を学ぶのに向いている人の特徴までを解説しました。

解説した中でも、重要なポイントを最後に記載します。

  • 地球科学は、地球の理解を深め、人類の生活の向上や環境保護に役立てることを目的としています。これにより、持続可能な未来に向けた具体的な解決策を見つけることができる。
  • 地球科学を学ぶことで、研究職、産業界、政府機関・公共団体、教育業界など多岐にわたる職種に就くことができる。
  • 自然に興味がある人、フィールドワークが好きな人、持続可能な未来に貢献したい人などが地球科学を学ぶのに向いている。

以上のポイントを押さえ、地球科学の魅力と可能性を理解し、今後の学習やキャリア形成に役立てていきましょう。

この記事の監修者

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


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