作成日: 2025/11/18 更新日:2025/11/18
応用化学とは何を学ぶ?学ぶことや就職先を解説

「応用化学とはどんな学問?」
「応用化学を学んだ後の進路は?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。
- 応用化学とはどんな学問なのか
- 専攻すると何を学ぶのか
- 応用化学を学べる大学
- 学んだ後の進路や就職先
- 向いている人の特徴
応用化学とは何を学ぶのか気になっている方、キャリア選択の参考にしたい方はぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
応用化学とは?

応用化学とは、身のまわりの化学現象を応用して、ものづくりや新しい技術の開発に役立てる学問です。
化粧品、薬、食品、プラスチック、エネルギーなど、さまざまな分野に応用されています。
応用化学では、化学反応の効率化や新しい物質の合成、環境保護の技術開発などが行われ、特に医薬品開発にも貢献しています。
この学問は、理論を実社会の課題解決に結びつける能力を養い、現代社会で重要な役割を果たしています。
さらに、社会や産業界で具体的な価値を生み出すために、理論と実践を結びつける力を育て、新エネルギーの開発や持続可能な社会の実現にも寄与しています。
応用化学とは何を学ぶ学問?

応用化学は、非常に幅広い分野に応用されています。
そのため特定の学問というよりも、多くの学問を広く学ぶ分野です。
以下の表に、応用化学で学ぶ学問の一例をまとめました。
分野 | 主な内容や特徴 |
物理化学 | 化学反応のエネルギーや速度、熱力学、量子化学など。化学現象の理論的理解を深める。 |
有機化学 | 炭素化合物の構造・反応・合成法を学ぶ。医薬品や機能性材料の開発に直結。 |
無機化学 | 金属・無機化合物の性質と反応、結晶構造など。触媒や材料科学とも関連が深い。 |
分析化学 | 物質の定量・定性分析法(クロマトグラフィー、質量分析など)を学ぶ。環境・食品分析にも応用。 |
高分子化学 | プラスチック・ゴム・繊維などの高分子物質の構造・合成・性質。持続可能材料の開発にも重要。 |
生物化学 | タンパク質・酵素・DNAなど生命分子の化学。バイオテクノロジーの基礎。 |
環境科学 | 化学物質の環境への影響、大気・水質の分析、持続可能な技術の開発。 |
材料化学 | セラミックス・半導体・磁性材料などの設計と応用。エレクトロニクスやエネルギー材料に展開。 |
ナノテクノロジー | ナノスケールでの物質設計と機能化。量子ドットやナノ粒子など新素材開発に貢献。 |
化学工学 | 反応装置設計、プロセス制御、スケールアップなど、化学の工業的応用を扱う。 |
各学問の中でも、さらに詳細な分野にわかれており、深く追求することもできます。
応用化学を学べる大学・学部・学科の一例

応用化学を学べる大学・学部・学科の一例の具体例は以下の通りです。
- 神奈川工科大学 工学部応用化学生物学科
- 工学院大学 先進工学部応用化学科
- 北里大学 理学部化学科
それぞれ見ていきましょう。
参考:応用化学を学べる大学の例はこちら
神奈川工科大学 工学部応用化学生物学科
神奈川工科大学工学部応用化学生物学科は、化学とバイオテクノロジーの知識を融合させ、物質の構造や生物の生命現象を探求する学科です。
医療、環境、エネルギーといった分野での応用が期待されており、社会に貢献できる実践力を持ったエンジニアや研究者を育成します。
神奈川工科大学工学部応用化学生物学科には以下の特徴があります。
- 生物模倣技術を活用して、新技術の開発を推進
- 化学とバイオテクノロジーを融合し、未知の領域に挑戦を支援
- 実践力を重視した教育で、幅広い課題解決能力を育成
そのため、生物や化学に興味があり、これらを組み合わせて新しい技術や価値を創造したい人に向いています。
工学院大学 先進工学部応用化学科

工学院大学先進工学部応用化学科は、化学の知識を駆使して、現代社会のさまざまな課題に取り組むことを目的としています。
基礎化学から先端技術まで幅広く学び、生活に密接に関わる製品や新素材の開発を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを目指します。
工学院大学先進工学部応用化学科には以下の特徴があります。
- 5つの基礎科目を重視し、幅広い応用力を養う
- 食品衛生管理者や食品衛生監視員などの資格を無試験で取得可能
- 実験を通じて学んだ知識を実社会で活かす実践的な教育プログラムを提供
そのため、化学を基盤にして、未来の持続可能な社会の創造に貢献したいと考える人に向いています。
北里大学 理学部化学科
北里大学理学部化学科では、原子・分子レベルでの物質の構造や反応を研究し、新しい化学物質の創造を目指しています。
生命や環境に優しい化学技術の発展を通じて、科学技術の基礎を築き、多方面で活躍できる人材を育成します。
北里大学理学部化学科には以下の特徴があります。
- 物理学や生物学を含む幅広いカリキュラムを提供
- 実験を重視し、実践的なスキルを養成
- 卒業研究を通じて、独自の研究テーマに取り組む環境を提供
そのため、化学の基礎から応用まで幅広く学びたい人、特に新しい物質の創造に挑戦したい人に向いています。
参照:北里大学 理学部化学科
応用化学を学んだあとの進路は?

応用化学を大学で専攻した先輩たちは、卒業後にどのような進路を歩んでいるのでしょうか。
神奈川工科大学を例に見ていきましょう。
神奈川工科大学 工学部応用化学生物学科の卒業後の進路・進学情報
神奈川工科大学 工学部応用化学生物学科の2023年度における卒業生の就職先の業種とその割合は以下の通りです。
業種 | 割合 |
|---|---|
化学・医薬・化粧品 | 17.7% |
食品・食料 | 10.4% |
プラント等・建設設備 | 8.3% |
一般機械・産業機械 | 11.5% |
情報通信:ソフトウエア・情報処理·情報サービス | 10.4% |
技術サービス | 10.4% |
その他製品業 | 7.3% |
流通 | 7.3% |
商社 | 3.1% |
一般サービス業 | 3.1% |
公務員 | 5.2% |
応用化学を学べる大学に進学した卒業生は、メーカー・サービス・ITなどの業種で活躍していることが分かります。
応用化学の知識を活かせる就職先・職業・仕事

応用化学の知識を活かせる仕事はどのようなものがあるのでしょうか。
代表的な3つの就職先について解説します。
- 化学業界
- 製薬業界
- 食品、飲料業界
- 環境関連企業
- 半導体、エレクトロニクス関連企業
それぞれ見ていきましょう。
化学業界
化学業界は、応用化学を学んだ人にとって、専門知識を活かせる理想的な就職先の一つです。
以下に、化学・化粧品メーカーで特に活用される応用化学の知識と、それに基づく具体的な業務内容を整理しました。
応用化学の知識 | 業務内容 |
|---|---|
有機化学 | 新しい化粧品成分や素材の開発 |
無機化学 | 化粧品の安定性向上や保存料の開発 |
物理化学 | 製品の安全性試験や効果の検証 |
有機化学は、新しい化粧品の成分設計や素材開発に不可欠で、例えば、新しい保湿成分や抗酸化物質の開発に活用されます。
無機化学は、化粧品の保存性を高めるための成分開発や、安定した色素の設計に役立ちます。
物理化学は、製品の物理的特性を評価し、安全性と有効性を保証するために必要です。
化学・化粧品メーカーでのキャリアは、研究開発(R&D)部門での新製品開発や、製品の改良、品質管理など、幅広い業務を通じて専門知識を応用できるフィールドです。
製薬業界

製薬業界では、応用化学の知識が新薬の開発や製造の中心的役割を担っています。
以下に、製薬業界での応用化学の知識と、それに基づく具体的な業務内容を示します。
応用化学の知識 | 業務内容 |
|---|---|
有機化学 | 新薬の分子設計や合成 |
生化学 | 薬物の代謝経路や生理活性の解析 |
分析化学 | 有効成分の定量分析や不純物の検出 |
有機化学は、新薬の分子構造を設計し、化学合成を行う上で欠かせない知識です。
生化学は、薬物が体内でどのように代謝され、どのような生理的効果を持つかを理解するために重要です。
分析化学は、薬の品質管理に必要で、製品中の有効成分の含有量や不純物の検出に用いられます。
製薬業界でのキャリアは、新薬の研究開発や製造工程の最適化、さらには品質管理まで、多岐にわたる業務に従事することで、応用化学の知識を最大限に活かすことができます。
食品・飲料業界
食品・飲料業界は、応用化学の知識を用いて、製品の品質向上や新製品の開発に貢献できる分野です。
以下に、食品・飲料業界での応用化学の知識と、それに基づく具体的な業務内容を示します。
応用化学の知識 | 業務内容 |
|---|---|
食品化学 | 保存料や着色料、香料の開発 |
栄養化学 | 栄養価の高い食品の設計や機能性食品の開発 |
分析化学 | 食品中の成分分析や安全性検査 |
食品化学は、食品の保存性や風味を向上させるために、保存料や香料、着色料の開発に用いられます。
栄養化学は、栄養バランスの良い食品や、特定の健康効果を持つ機能性食品の設計に活用されます。
分析化学は、食品の安全性を保証するために、成分の定量分析や有害物質の検出に必要です。
食品・飲料業界でのキャリアは、製品開発や品質管理、さらには消費者ニーズに応じた新製品の市場投入など、幅広い業務で応用化学の知識を応用することができます。
環境関連企業

環境関連企業では、廃水・廃ガス処理、資源リサイクル、環境影響評価、環境コンサルティングなどを行います。
応用化学では、有害物質の分離・除去、触媒を用いた浄化反応、材料開発、分析化学による環境モニタリングなどで活かすことができます。
以下に、環境関連企業での応用化学の知識と、それに基づく具体的な業務内容を示します。
応用化学の知識・分野 | 環境関連企業の業務内容 |
無機化学、有機化学、化学反応工学、触媒化学 | 廃水・廃ガス処理 |
触媒化学、化学反応設計、環境化学 | 環境浄化技術の開発 |
分離精製工学、材料化学、熱化学 | 資源リサイクル・再資源化 |
分析化学、環境化学、クロマトグラフィー、質量分析 | 有害物質の検出・分析 |
環境化学、統計解析、分光学 | 環境影響評価・モニタリング |
高分子化学、グリーンケミストリー、材料設計 | 持続可能な新素材・バイオマス材料開発 |
半導体、エレクトロニクス関連企業
電子機器の中核を担う半導体素子や回路の設計・製造・検査を行う企業群です。
スマートフォンや家電、自動車、産業機器など幅広い分野に製品を供給しています。
応用化学の知識は、半導体材料の開発、フォトレジストや絶縁膜の設計、工程薬品の制御などに活かされます。
以下に、半導体、エレクトロニクス関連企業での応用化学の知識と、それに基づく具体的な業務内容を示します。
応用化学の知識・分野 | 具体的な業務内容 |
無機化学、有機化学 | 有害物質(重金属や有機汚染物質など)の性質理解と処理方法の設計 |
触媒化学、化学反応工学 | 排ガスや排水の浄化プロセスの開発、高効率触媒の設計 |
分離精製工学、材料化学 | 廃棄物からの有用資源の回収、リサイクル技術の開発 |
環境化学、分析化学 | 大気・水質・土壌の汚染分析、モニタリング技術の構築 |
高分子化学、グリーンケミストリー | 生分解性プラスチックなど環境配慮型素材の開発 |
熱化学、物理化学 | 廃熱の有効利用や、エネルギー効率の高い処理システムの設計 |
よくある質問

応用化学に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。
よくある質問とその回答を記載していきます。
応用化学と基礎科学の違いは?
応用化学と基礎科学は、いずれも化学に関わる学問ですが、その焦点や目的が異なります。それぞれの違いを以下にまとめます。
項目 | 基礎科学 | 応用化学 |
|---|---|---|
主な対象 | 物質の構造 性質 化学反応のメカニズムなど | 基礎科学で得られた知識の実社会への応用 |
目的 | 自然現象の理論的理解と新たな知識の発見 | 技術や製品の開発 産業プロセスの最適化 |
説明 | 自然界の現象を理論的に解明し、科学的な知識を深めることが主な目的。 | 基礎科学の知識を活用し、新素材や医薬品の開発、環境保護技術の向上など、実生活や産業に貢献することが目的。 |
基礎科学は、自然界の化学現象を理論的に理解し、新たな知識を創造することを目指します。
一方、応用化学は、その基礎知識を実際の社会や産業に応用し、技術開発や問題解決に取り組む学問です。
両者は、科学的な知識を基盤としつつ、応用の範囲や目的が異なる点で区別されます。
応用化学を学ぶのに英語は必要?

応用化学では英語が非常に重要です。
特に、国際的な学会や研究発表、最新の研究論文の読解、海外の研究者や企業とのコラボレーションなど、英語が必要な場面は多くあります。
また、応用化学の分野では、新しい技術や知識が急速に発展しており、その多くが英語で発信されています。
したがって、英語のスキルは、応用化学分野でのキャリアを広げ、国際的に活躍するための重要なツールです。
応用化学を学ぶことで取得が目指せる資格は?
応用化学を学ぶことで取得が目指せる資格には、以下のようなものがあります。
資格名称 | 資格の説明 |
|---|---|
危険物の取り扱いと管理が可能な資格。化学工場や製造業での責任者として働ける。 | |
工場や事業所における公害防止活動を統括する資格。 | |
環境中の化学物質や物理的なパラメータを計測し分析・評価する専門家。 | |
労働環境の衛生管理を専門とし、特に化学物質や有害物質の取り扱いに関する知識が求められる。 | |
ガスを使用して金属を溶接する技術を持つ専門家。 | |
企業や工場における公害防止活動を総括する資格。 | |
毒物や劇物の適正な管理・取扱いを監督し、安全確保を図る国家資格。 | |
化学に関する高度な専門知識と実務能力を持ち、社会に応用する技術者の国家資格 |
これらの資格は、応用化学の知識を実社会で活かすためのスキルを証明し、キャリアを発展させるための重要なステップとなります。
応用化学に向いている人の特徴は?

応用化学を学ぶのに向いている人には、以下のような特徴があります。
特徴 | 説明 |
|---|---|
好奇心が強い | 新しい技術や化学現象に対して好奇心を持ち、その原理や応用方法を深く追求したいという意欲があります。 |
問題解決能力が高い | 現実の問題を解決するために、化学の知識を応用し、創造的な解決策を見つけ出すことに喜びを感じます。 |
論理的思考力がある | 複雑な化学反応やプロセスを理解し、論理的に考えて分析し、適切な結論を導くことが得意です。 |
実験や研究が好き | 実験や研究を通じて、新しい発見や技術の開発に挑戦することに興味があります。 |
社会貢献意識が高い | 新しい素材や技術を開発し、環境保護や医療、工業の発展に貢献したいという意識が強いです。 |
これらの特徴を持つ人は、応用化学の学問を通じて、新たな技術や製品の開発に貢献し、社会に大きな影響を与えることができるでしょう。
応用化学を学びたいのならどの学部・学科に行くべきですか?
応用化学を学ぶなら、主に工学部や理工学部を選ぶのが一般的です。
工学部では「応用化学科」「工業化学科」「化学システム工学科」などがあり、化学の基礎から実践的な応用まで幅広く学べます。
一方、理工学部では理論と工学の両面を学び、物質やエネルギーの応用に焦点を当てた学科が設置されています。
また、一部の大学では 基礎工学部 や 生産工学部、応用生物科学部 でも応用化学を学ぶことが可能です。
これらの学部では、化学と他分野を融合した学際的なアプローチを取るのが特徴です。
進学先を選ぶ際は、大学ごとのカリキュラムや研究内容を確認し、自分の興味や将来のキャリアに合った学科を選ぶことが重要です。
まとめ

本記事では、応用化学の定義から、学ぶ内容、応用化学を学べる大学、学んだ後の進路や就職先、向いている人の特徴までを解説しました。
解説した中でも、応用化学に関する重要なポイントを最後に記載していきます。
- 応用化学とは、化学の基本原理を実際の問題解決や製品開発に応用する学ぶ学問である
- 学ぶ分野としては、物理化学・有機化学・無機化学などが含まれる
- 応用化学を学べる大学の卒業後の主な就職先としては、化粧品メーカー・製薬業界・食品業界などが挙げられる
- 好奇心が強い人・問題解決能力が高い人に応用化学はおすすめ
- 応用化学を専攻できる大学でも入学後のカリキュラムが異なるので、あなたの興味やキャリア目標に合わせて大学を選ぶ
本記事が、応用化学の全体像を掴むうえで役立てば幸いです。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。