作成日: 2025/6/05 更新日:2025/6/05
大学教授になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

「大学教授のなり方は?」
「大学教授になるのに必要な資格は?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。
- 大学教授とはどんな職業なのか
- 仕事内容・やりがい・給料
- 大学教授になるには何をすべきか・必要なこと
- 取得すべき資格
- 向いている人の特徴
大学教授になるには何が必要か知りたい方、進学・キャリア選びの参考にしたい方はぜひ最後までご覧ください。
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この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
大学教授とは?

大学教授とは、大学という高等教育機関において、もっとも高い職位にある教員です。
教授の仕事は多岐にわたります。
学生に向けた講義やゼミの実施、レポートや試験の評価、卒業研究や修士・博士論文の指導はもちろん、自らの専門分野での研究活動、論文の執筆、国内外の学会での発表なども行います。
また、大学の運営に関わる委員会活動やカリキュラム設計、入試業務、地域連携活動などにも参加することが多く、教育現場の内外で幅広い業務を担います。
大学教授は、自らの専門分野において新しい知見や理論を探求・発信するとともに、それを学生へわかりやすく伝えることで、社会や未来に貢献する重要な存在です。
以下に大学教授の仕事内容や給料についてまとめます。
- 大学教授の仕事内容
- 大学教授の給料・給与・年収
- 大学教授のやりがい、魅力
- 大学教授に求められるスキル、資質
- 大学教授の働き方と1日の流れ
- 大学教授という職業の大変な点、注意すべき点
それぞれ見ていきましょう。
大学教授の仕事内容
大学教授の仕事は多岐にわたり、大きく分けて以下の3つの柱で構成されています。
- 教育
- 研究
- 社会貢献
それぞれの仕事内容を表にまとめました。
大学教授の仕事の柱 | 具体的な内容 | 仕事で担う役割 |
教育 | 大学生や大学院生に向けた講義やセミナー | 授業の準備や教材の作成、試験の作成と採点、さらには学生の進路指導や研究指導 知識を教えるだけでなく、学生が主体的に学び、考える力を育む |
研究 | 専門分野で新しい知見を追求、成果を学術論文として発表 | 研究プロジェクトの計画からデータの収集・分析、考察 学会や国際会議で研究内容を発表し、大学内外からの研究資金を得てプロジェクトを進める 研究計画を立て申請書を作成・提出し、科学研究費助成事業の申請を行う |
社会貢献 | 地域社会や企業との連携で講演やセミナー | 専門知識を活かした助言 |
またこのほかにも、学部の教授会への参加、大学入試の問題作成・採点、オープンキャンパスでの対応といった、大学運営に係る業務もあります。
大学教授の給料・給与・年収

大学教授の給料や給与については、その職務の重要性や専門性に見合った水準が設定されています。
基本的には、大学の種類や所在地、教授の経験年数や研究実績によって異なります。
平均年収の目安としては、約1074.7万円です。
ハローワーク求人統計データによると月額の給料は約90万円です。
国立大学の教授と私立大学の教授では給与体系が異なることが多く、特に私立大学の場合は大学の規模や財政状況によっても差が生じます。
また、地域によって生活費が異なるため、都市部の大学教授の方が地方の大学教授よりも高い給与を受け取る傾向があります。
給与の一部は研究活動や教育活動に対するインセンティブとして支払われることもあります。
大学教授のやりがい、魅力
大学教授のやりがいは、自分の専門知識を活かしながら教育と研究の両面で成果を出せる点にあります。
教育者としては、学生が成長し、学びを深める姿を見ることが大きな喜びです。
講義や研究指導を通じて、学生が新しい知識を得たり、課題を乗り越えたりする瞬間を目の当たりにすることは、非常に意義のある経験です。
研究者としても、専門分野の最前線で活動し、学術的な貢献を果たせることは大きな満足感をもたらします。
新しい理論や技術の発表を通じて、社会問題の解決や技術革新に寄与できることは、知的好奇心を満たすだけでなく、自分の研究が社会に役立っているという実感を得られます。
さらに、学会や国際会議で他分野の研究者や異業種の専門家と交流する機会も多く、自分の視野を広げ、新たな刺激を受けられるのも魅力の一つです。
大学教授に求められるスキル、資質

大学教授は、特定の分野に特化して高度な専門知識やスキルが求められる職業です。
また、学生へわかりやすく授業を行うプレゼンテーション能力や、社会に貢献するために社会性なども求められます。
以下の表に、大学教授に求められるスキルと資質をまとめました。
大学教授に求められるスキル、資質 | 内容 |
専門知識と探究心 | 特定の学問を深く学び続ける姿勢が必要。 |
論理的思考力と表現力 | 研究を進めたり論文を書いたりする力が必要。 |
教える力・コミュニケーション力 | 学生にわかりやすく説明できること。 |
自己管理能力 | 時間の使い方やスケジュール管理も重要。 |
柔軟性・協調性 | 大学の運営に関わる仕事も多く、他人との協力も不可欠。 |
大学教授の働き方と1日の流れ
大学教授は「自由に見えて忙しい」仕事です。
勤務時間に厳しい縛りはない大学も多いですが、実際には多くの仕事に追われています。
以下に、大学教授の1日の流れの一例をまとめました。
時間 | 業務内容 |
9:00 | 授業準備・メール対応 |
10:30 | 講義(90分) |
12:00 | 学生の卒論相談・昼休み |
13:30 | 会議・学部業務 |
15:30 | 研究・論文執筆 |
17:00 | 授業資料作成・研究データ整理 |
定時が過ぎた後、夜も研究や原稿の締切対応をしている教授も多いくいます。
大学教授という職業の大変な点、注意すべき点

大きなやりがいのある大学教授という職業ですが、注意点もあります。
- ポスト(就職先)が限られている
- 成果主義の側面がある
- 仕事とプライベートの線引きが難しい
大学教授というポストは、その職に就ける人の数が少ないため、競争率が激しい職業です。
また、厳しい競争を勝ち抜いて大学教授になれたとしても、就任後は成果を出し続ける必要があります。
そうした競争とプレッシャーへの耐性が求められます。
さらに、長時間の研究や論文執筆を行う時期には、プライベートの時間も研究や執筆に割かなければならないこともあります。
大学教授になる方法とキャリアの流れ

大学教授になるにはどのようなことが必要なのでしょうか。
必要なことやなる方法について具体的に解説します。
- 大学院博士課程修了し博士号を取得する(学歴)
- 就職活動をして大学に就職する(国立・私立)
それぞれ見ていきましょう。
大学院博士課程修了し博士号を取得する(学歴)
大学教授や教員になるための基本条件の一つが、大学院の博士課程を修了し、博士号を取得することです。
博士号は、特定分野における高度な専門知識と研究能力を証明するもので、多くの大学で教員職の応募条件となっています。
大学入学から博士号までの流れをまとめました。
- 大学(学士課程)に進学:自分の興味ある学問を専攻
- 大学院の修士課程(2年間)に進学:より専門的に学び、研究の基礎を身につける
- 博士課程(3〜5年間)に進学:本格的な研究を行い、博士論文を提出。審査に合格すれば「博士号」を取得
博士課程では、自分だけの研究テーマを持ち、それに基づいた論文を発表することが求められます。
研究の成果が認められることで、学問の世界での第一歩を踏み出せます。
博士号取得後には、ポストドクター(博士研究員)としての経験を積むことで、さらに研究成果を高め、教授職への道を切り開くことが可能です。
この経験は、研究力を強化するだけでなく、教育者としての視野を広げる機会となります。
ポスドク、助教、准教授などを経て教授になる
博士号を取得したからといって、すぐに「教授」になれるわけではありません。
以下のようなキャリアステップを踏むのが一般的です。
大学教員の種類 | 役割や業務内容 |
ポスドク(博士研究員) | 博士号取得後、大学や研究機関で研究を続ける任期制の職。 |
助教 | 教員として授業や学生の指導、研究を行う。ポスドクから助教へ進むことが多い。 |
講師 | 研究と教育の両方に責任を持つ立場。任期付きの場合も多い。 |
准教授 | 研究実績と教育経験を積んだ上で昇格する中堅教員。研究費の管理や学部運営にも携わる。 |
教授 | その分野の第一人者として、研究・教育・社会貢献のすべてをリードするポジション |
それぞれの段階で、研究業績(論文数・質)、教育実績、学会での発表、競争的研究費の獲得などが評価されます。
教授・准教授・助教授の違いは?
大学教授、准教授、助教授には、以下のような違いがあります。
項目 | 教授 | 准教授 | 助教授(現在は存在しない) |
|---|---|---|---|
役職の位置づけ | 大学教員の中で最も上位の役職 専攻分野について、教育上、研究上または実務上の特に優れた知識、能力、実績を有する者とされる | 教授に次ぐ地位を持つ役職 専攻分野について、教育上、研究上または実務上の優れた知識、能力、実績を有する者とされる | 2007年以前に存在した役職 現在の准教授に相当 教授を助ける役職とされていたが、仕事内容は現在の准教授とほぼ同じ |
主な職務 | 学生の教育、研究指導、自身の研究活動 | 学生の教育、研究指導、自身の研究活動 | 教授の補助、学生の教育、研究活動 |
名称の変遷 | 改変なし | 2007年の学校教育法改正で新設 | 2007年の学校教育法改正で廃止 |
国際的通用性 | Internationally recognized as "Professor" | Internationally recognized as "Associate Professor" | Assistant ProfessorまたはAssociate Professor |
現在の大学教員の役職序列は、教授 > 准教授 > 講師 > 助教 > 助手となっています。
准教授は教授に次ぐ重要な役職であり、独立した教育・研究者として認識されています。
助教授という役職は2007年に廃止され、現在は存在しません。
大学教授になりたい高校生が取るべき進路

大学教授になりたい高校生の進路はどのようなものがあるのでしょうか。
以下に一般的なプロセスをまとめました
学びたい、研究したい分野を決定する
大学教授を目指すには、まず自分が何を学び、研究したいかを明確にすることが重要です。
興味のある分野を見つけることで、進学先の学部や専攻が決まり、将来の研究テーマや専門分野を深める土台となります。
高校生のうちから幅広い知識に触れ、自分の好奇心を大切にしましょう。
得意科目から興味のある分野を見つける

自分の得意科目や好きな授業から興味を持てる分野を探しましょう。
たとえば、数学が得意なら情報科学や物理学、国語が得意なら文学や哲学といったように、得意なことを手がかりに将来の研究分野を考えることが大切です。
将来研究したい分野から学部を選ぶ
大学では学びたい分野ごとに学部や学科が分かれています。
将来の研究内容を意識しながら、それを学べる学部を選びましょう。
例えば、環境問題に関心があれば理学部や工学部、国際関係に興味があれば法学部や経済学部が候補となります。
おすすめの大学

大学教授を目指すなら、「研究に強い大学」や「大学院への進学率が高い大学」を選ぶことがとても大切です。
特に、指導体制や研究環境が整っている大学は、大学院進学や将来のキャリア形成において大きなアドバンテージになります。
以下に、大学教授を目指す人におすすめの大学をまとめました。
大学名 | 概要 |
東京大学 | 日本トップクラスの研究環境。 国内外の研究者とのつながりが強く、大学院進学率も非常に高い。特に教養学部、理学部、工学部、法学部は教授輩出数も多い。 |
京都大学 | 自由な学風と高い研究レベル。 ノーベル賞受賞者を多数輩出しており、研究志向が強い。 博士課程までの進学支援も充実。理学部、文学部、法学部などがおすすめ |
大阪大学 | 教育・研究両面において全国的に高評価。 専門的な研究ができる大学院コースが豊富。基礎工学部、人間科学部、医学部などがおすすめ |
また上記以外にも東北大学、名古屋大学、九州大学、北海道大学などは、いずれも大学院や研究所が充実しています。
特定の分野で非常に強い研究実績を持つ学部もあり、大学教授を目指す人におすすめの大学です。
大学選びのポイント
おすすめの大学を記載しましたが、上記の大学以外にも教授を目指せる大学はあります。
重要なのは、自分にあった大学を選べるかどうかです。
大学教授を目指す人が、大学を選ぶ際のポイントを以下にまとめました。
- 自分の興味ある研究分野に強い大学か?
- 大学院への進学実績や研究支援があるか?
- ゼミや指導教員の研究内容に魅力を感じるか?
- オープンキャンパスや大学案内で情報を集めたか?
大学教授になるには、研究を深めていける環境に身を置くことがとても重要です。
偏差値や知名度だけでなく、「どんな研究ができるか」「どんな先生がいるか」を重視して大学を選びましょう。
大学教員を目指せる大学
大学教授は、大学教員の職種の一種です。
年内入試ナビでは、大学教員を目指せる大学の一覧をまとめています。
こちらもぜひ参考にしてください。
よくある質問

大学教授に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。
よくある質問とその回答を記載していきます。
大学教授に向いている人の特徴は?
大学教授には、以下のような特徴を持つ人が向いています。
特徴 | 説明 |
|---|---|
専門分野への強い関心と忍耐力 | 自らの専門分野に深い探究心を持ち、長期的な研究を続ける忍耐力が求められる 研究成果が出るまでに数十年かかる場合もあり、コツコツと取り組む力と失敗に耐える粘り強さが必要である |
優れた指導力とコミュニケーション能力 | 自分の専門知識をわかりやすく伝え、学生の研究指導を行う能力が必要である 学生や他の教授、教職員との円滑なコミュニケーションも欠かせない |
論理的思考力と独創性 | 仮説を立てて論理的にプロセスを組み立てる能力が重要である 独自の研究テーマを持ち、新しい発見や問題解決に挑戦し続ける創造性が求められる |
知的好奇心と学習意欲 | 常に最新の知識や情報を追求し、専門分野に関する知識をアップデートする姿勢が必要である 生涯にわたって学問に対する興味と情熱を持ち続けられる人が適している |
批判を受け止める力 | 他の研究者からの批判や指摘を建設的に受け止め、それを研究の改善に活かす能力が重要である |
粘り強く努力できる人 | 研究は地道な作業の連続です。失敗しても諦めずに挑戦できる人が向いている |
これらの特徴を持ち、学問への情熱と社会貢献への意欲を併せ持つ人が、大学教授に適していると言えるでしょう。
大学教授になるのはどれくらい難しい?

正直に言うと、大学教授になるのはかなり難しいです。
理由は以下の通りです。
- 博士号を取得した人でも、教授になれる人は一部(研究成果や論文の質が重要)
- 大学教員の求人は少なく、競争が激しい研究資金の獲得や学会活動も評価対象になる
ただし、「難しい=無理」ではありません。
高校・大学の段階からコツコツと実績を積んでいけば、現実的に目指せる道です。
大切なのは「継続する力」と「好きなことを突き詰める情熱」です。
社会人から大学教授になる方法は?
社会人や異業種からでも、次のような条件を満たせば大学教授になるチャンスはあります。
以下に、社会人や異業種から大学教授を目指す際の主な条件をまとめました。
条件 | 内容 |
一般企業での専門的な経験が評価される | 企業の研究職で実績がある人が工学部教授に就任など |
博士号を取得していること | 社会人大学院で博士課程を修了すれば、応募資格を取得できる |
論文や著書、学会での発表実績があること | 研究者として認められるには、研究成果の「見える化」が重要 |
最近では、実務経験+研究実績を持つ人材を歓迎する大学も増加中です。
特に看護、教育、経営、情報分野では、社会人経験が強みになるケースも多く見られます。
まとめ

本記事では、大学教授の定義から仕事内容・給料・やりがい・なり方・向いている人の特徴までを解説しました。
解説した中でも、大学教授に関する重要なポイントを最後に記載していきます。
- 大学教授とは、大学で教育・研究を行う学問の専門家であり、学生の育成にも深く関わる職業。
- 教授の仕事内容は、授業・研究・論文執筆・学会活動・大学運営など多岐にわたる。
- 大学院博士課程を修了し、ポスドク・助教・准教授などの段階を経て教授職に就く。
- 高校生のうちは、自分の興味・得意をもとに学部選びや教科の学習に力を入れることが大切。
- 大学教授に向いているのは、探究心があり、粘り強く努力できる人、人に教えるのが好きな人。
「大学教授になる」という道は長く険しいものですが、学びを深め、それを未来の世代に伝えていく仕事には、他では味わえない達成感と誇りがあります。
興味がある人は、まず「自分が何を学びたいのか」を探すことから始めましょう。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。
