Nennai Nyushi Navi Logo image

作成日: 2024/8/29 更新日:2024/8/30

総合型選抜は共通テストなしで受験できる?共通テストなしで出願できる国公立大学も紹介

総合型選抜は共通テストなしで受験できる?共通テストなしで出願できる国公立大学も紹介
  • 「私立大学の総合型選抜に共通テストは必要なの?」
  • 「国公立大学の総合型選抜だと必ず共通テストが課されるの?」
  • 「共通テストを課さない総合型選抜に向いているのはどんな人?」
  • 「共通テストを課す総合型選抜は避けたいんだけど、気をつけることはある?」

総合型選抜は大学・学部・学科によって提出する書類の内容や試験の内容が大きく異なります。

特定の大学・学部・学科では共通テストが課されており、共通テストの点数が合否を左右することになります。

そこで本記事では、総合型選抜における共通テストについて以下の点を中心に解説します。

  • 共通テストが課される総合型選抜は多いのか?
  • 共テがない総合型選抜が向いている人の特徴
  • 共テが課されない場合でも基礎学力が大事な理由
  • 共テが不要な総合型選抜を受験するメリット
  • 共テが課されない総合型選抜を受験するデメリット
  • 共通テストを課さない総合型選抜を実施する国公立大学の例
  • 受験生がよく抱く質問とその質問への回答

以上のように、総合型選抜の受験を考えている人に向けて、共通テストに関して知っておいてほしいことを網羅しております。そのため、是非最後までご覧ください。

この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。

目次

総合型選抜は共通テストを課さないものがほとんど

総合型選抜は共通テストを課さないものがほとんど

共通テストを課す総合型選抜を行う大学の割合は私立大学・国立大学・公立大学で大きく異なります。

それぞれの大学の総合型選抜における共通テストの傾向についてこれからご紹介します。

ほぼ全ての私立大学が総合型選抜で共通テストを課さない

私立大学の場合、ほとんどの大学が総合型選抜で共通テストを課しません。

私立大学は一般入試において共通テスト利用入試という、共通テストの特定の科目の点数のみで合否を決める入試を行っています。

おそらく、そちらとの差別化を図るために総合型選抜においては共通テストを課していないのだと思います。

ただし、共通テストを課す総合型選抜がないわけではありません。例えば早稲田大学の地域探究・貢献入試は共通テストを課します。

参考URL:早稲田大学地域探求・貢献入試の入学試験要項

公立大学は総合型選抜で共通テストを課さないところが多い

多くの公立大学の総合型選抜は共通テストが不要

多くの公立大学は総合型選抜で共通テストを課しません。

特に、地方公立大学は総合型選抜で共通テストを課さない大学がほとんどです。

逆に、志望者の多い大学、つまり都市部の公立大学や地方公立大学の医学部では共通テストが課されることが多いです。

国立大学が共通テストを課さない総合型選抜を実施するケースが増えている

国立大学が一部の学部・学科の総合型選抜において共通テストを課さないケースが地方国公立大学を中心に、年々増えています。

旧帝国大学においても、一部の学部・学科を対象にして共通テストを課さない総合型選抜を実施するケースがあります。

あなたが志望している国立大学が共通テストを課さない総合型選抜を実施しているかどうかについては、募集要項で確認する価値は十分にあるといえます。

参考までに一般的な傾向として、難関大学ほど総合型選抜では共通テストを課すケースが多いです。

国公立大学が実施する総合型選抜の方式

国公立大学の総合型選抜においては、共通テストを課す方式と課さない方式が併用されていることがあります。

国公立大学の総合型選抜においては、共通テストを課す方式と課さない方式が併用されていることがあります。

以下、それぞれのパターンの詳細を解説します。

共通テストを課す方式

共通テストを課す方式では、共通テストの成績を合否の判断材料にします。

大学・学部・学科によっては最低限必要な得点を設定し、それを下回った受験生を不合格にします。
この場合、学力が合否を大きく左右する入試であるといえます。

共通テストのうちどの科目の成績を合否の判断材料にするのかは大学・学部・学科によって異なります。
3教科というパターンもあれば、5教科7科目というパターンもあります。

そのため、募集要項を通して課される共通テストの科目数を把握しましょう。そして科目選択の余地があるのであればどの科目を選択するのかを早めに決めておき、共通テストの対策に早めに着手する事が重要です。

共通テストを課す方式で合格を目指す場合は、書類づくり・小論文対策・面接対策といった総合型選抜ならではの対策だけでなく共通テストの対策という一般入試と変わらない、いわゆる「受験勉強」も重要です。

共通テストを課さない方式

共テ受験が不要な方式の特徴

共通テストを課さない方式の場合、受験生の学力の有無は評定平均、小論文、口頭試問などで判断されます。

評定平均は単純にどの程度の評定平均があるのかが見られるのでわかりやすいと思いますが、小論文と口頭試問については少し補足します。

小論文の特徴と評価されるポイント

小論文では、主に評論文やエッセイを課題文として与えられます。課題文の内容を要約しつつ、それに対するあなたの考えを論理的に述べる設問が圧倒的に多いです。

そのため、文章の読解力や表現力が評価される試験です。

加えて、基礎学力を測るために実施される小論文では課題文が扱うテーマがより専門的であるなどして読解に基礎学力を必要とする出題が目立ちます。

参考記事:この試験内容に関する特集ページはこちら

口頭試問の特徴と口頭試問で求められること

口頭試問では志望する学部・学科で学ぶうえで必要となる基礎知識の有無を判断されます。

そのため、特定の分野における知識とそれを端的に伝える表現力、そして質問内容や意図を瞬時に理解して端的に解答する頭の回転の速さが求められます。

以上のように、基礎学力の有無を小論文や口頭試問で測る場合は入試によって必要な対策が大きく異なる場合が多いです。

そのため、オープンキャンパスなどを駆使して情報を集め、必要な対策に早めに着手できるようにしてください。

参考記事:この試験内容に関する特集ページ

共通テストを課さない総合型選抜が向いている人の特徴

共テが不要な総合型選抜が向いている人

ここからは、共通テストが課されない総合型選抜が向いている人の特徴を紹介し、それぞれの特徴について詳しく解説します。

共通テスト以外の評価項目で高評価を狙える人

共通テスト以外の評価項目で高評価を狙える場合は、共通テストを課さない入試のほうが高評価をそのまま合格に繋げやすいです。そのため、共通テスト以外の評価項目で高評価を狙える受験生は、共通テストを課さない総合型選抜に向いているといえます。

具体的には、以下のような受験生が該当します。

  • 特筆すべき課外活動の実績を有している
  • 志望する学部・学科と深く関連した活動実績がある
  • 探求活動のテーマや内容が特に優れている
  • 小論文が極めて得意である

こうした特徴をもつ受験生の場合、共通テストを課さない総合型選抜入試のほうが個性を活かした合格がしやすいでしょう。

共通テストで高得点が狙えなさそうな人

共テで高得点が狙えない人

共通テストで高得点を狙えなさそうな場合は、共通テストが課されないタイプの総合型選抜のほうが合格しやすいです。

というのも、共通テストで高得点が狙えなさそうということは基礎学力が高くない可能性が高いためです。そのため、共通テストという基礎学力が求められる総合型選抜は避けるのが無難です。

ただし気を付けたいのは、基礎学力が高くない場合は、評定平均や小論文など他の要素にも不安要素が生じてきます。

したがって、基礎学力に不安があって共通テストを課す総合型選抜を回避する場合は、評定平均の向上や小論文・口頭試問対策に時間を多く割くことが重要です。

共通テが課されない入試でも基礎学力は必要

共テ不要のAO入試でも基礎学力は大切

総合型選抜は学力以外の要素を合否の判断材料に含める入試方式です。特に共通テストを課さない総合型選抜の場合、学力以外の要素が合否判定の肝になる事が多いです。

しかし、共通テストを課さない総合型選抜であっても基礎学力が重要であることに変わりはありません。

そこでここからは、共通テストを課さない入試において大学があなたの基礎学力の有無を判断する方法について解説します。

評定平均

総合型選抜において評定平均は合否を左右するとても重要な要素です。

評定平均が高いことは基礎学力が十分備わっていることや高校の授業をきちんとうける勤勉さ、テスト勉強を計画的に進められる計画性や自律の度合いを示してくれるからです。

こうした基礎学力や勤勉さ、計画性などを測るために評定平均を合否の判断基準としています。

評定平均の算出方法

合否判定おいて重要な要素の1つである評定平均は、定期テストの成績や課題の提出状況などを元に算出されます。

評定平均は高校1年生から高校3年生の1学期までの評定を通算したものなので、高校生活を通して高い基礎学力を有していたか、そのための努力をしていたかが数字に表れます。

そのため、評定平均が高いと大学でも真面目に授業を受けて優秀な成績を修めてくれるだろうと判断されます。

共通テストを課さない総合型選抜の場合は基礎学力の有無を測る手段が少ないため、評定平均が合否の判断基準として重視されている可能性が高いです。
高校の定期テスト対策を中心に、評定平均向上のための努力を頑張りましょう。

参考記事:合否と評定の関係性とは?

特定の科目の試験

英語や数学といった特定の科目の試験の点数

共通テストを課さない総合型選抜において、英語や数学といった特定の科目の試験を課してその点数を合否判断の材料にすることがあります。

これは、志望する学部・学科での学びに必要な特定の科目等における知識、理解の度合いを確認するために実施されます。

例えば、理工系の学部では数学や物理の試験が実施されることがあります。

参考記事:学科試験に関する特集ページ

試験の特徴と難易度と過去問研究の大切さ

試験の内容や難易度を考えるためにも、慶應義塾大学理工学部電気情報工学科のAO入試を考えてみます。この入試では、数学の試験が実施されます。

数学の試験対策は一般入試における数学の勉強と極めた似たものになります。

したがって、試験が課される科目においては一般入試の受験生と比べても遜色ないレベルの学力が求められると考えましょう。

一方で、大学側が課す試験の中には毎年特定の単元からしか出題されない等の傾向がはっきりしている場合もあります。

そのため、過去問分析を行うことで対策が効率化できる場合もあります。ぜひ、過去問には必ず目を通しましょう。

参考URL:慶應義塾大学理工学部AO入試募集要項

口頭試問

共通テストを課さない総合型選抜では、面接の場で口頭試問も行うことで特定のジャンルにおける基礎学力の有無を判断することがあります。

口頭試問においては質問の意味・意図を素早く正確に理解し、その答えを端的にまとめる頭の回転の速さが求められます。

もちろん、その前提として答えを知っていることつまり知識が必要となります。

口頭試問はペーパーテストとは異なる独特の試験です。そのため、何度も練習して慣れておきましょう。

小論文

小論文

小論文は以下のような能力が問われる試験です。

  • 課題文の読解
  • 課題文で主張されていることに対するあなたの意見の形成
  • 読解や意見形成に必要な予備知識
  • あなたの主張を論理的かつ分かりやすく書く表現力

普段から読解力や表現力を高める学習をすることが求められます。

また、過去問の出題テーマが特定のジャンルやテーマに偏っている場合はそのジャンル・テーマに関する知識をできるだけ豊富に身につけておきたいです。

過去問の出題テーマが万遍ない場合、小論文の頻出テーマとされているものや時事問題と関連して盛んに議論されているテーマの予備知識を幅広く身につけておく必要があります。

共テ受験が課されない総合型選抜を受験するメリット

共テ不要のAO入試を受験するメリット

共通テストを課さない総合型選抜を受験するメリットはいくつかあります。

合格すれば年内に受験が終わる

共通テストを課さない総合型選抜は年内に合否が判明するケースが多いです。

共通テストを課さない場合、総合型選抜入試の合否は11月に判明することが多いです。
そのとき合格通知を受け取ることができればそれで大学受験が終わります。

一方、共通テストを課す入試は共通テストのある翌年1月まで合否が分からない上に、受験日まで共通テストの対策をする必要もあります。

以上のように、共通テストを課さない総合型選抜では早めに受験が終わるので大学入学に向けた準備をしっかりと行うことができます。

また、早期の合格は受験がもたらすストレスから早期に解放されることを意味します。

共通テストで高得点をとるほどの学力がなくても志望校合格の可能性がある

十分な学力がなくても志望校の合格を狙える

共通テストを課さない総合型選抜では、学力を評定平均や特定の試験でしか測らないため評定平均が高く、特定の試験への対策はできている場合は共通テストで高得点をとるほどの学力がなくても十分合格のチャンスがあります。

幅広い科目の基礎学力がなくても、書類の完成度が高かったり特定の科目・分野などの基礎知識は備わっていたりすれば合格のチャンスは十分あります。

入試対策の負担が大きく減る

ある科目の共通テストは、基本的にはその科目で学ぶ全範囲を試験範囲としますので対策には多大な時間と労力を要します。

たくさんの教科・科目の受験する必要がある国立大学の総合型選抜ではさらに負担が大きくなります。

しかし、共通テストを課さない総合型選抜の場合はそうした共通テストに起因する負担がまったくありません。
よって、入試対策の負担が大きく軽減されるといえます。

高校3年生から対策を始めても合格を狙える場合がある

共通テストを課さない総合型選抜では評定平均をある程度確保し、課外活動に熱心に取り組んでいた場合は書類作成・小論文対策・面接対策によって高3からの対策で合格を狙える場合があります。

共通テストを課す総合型選抜の場合、高3までの受験勉強の積み重ねがある人が有利です。

逆に言えば、そうした積み重ねがない人は不利です。

しかし、共通テストを課さない総合型選抜では受験勉強を積み重ねていなくても、評定平均をある程度確保し、課外活動に熱心に取り組んでいた場合は短期間の対策で合格を狙うことができます。

というのも、書類作成・小論文対策・面接対策をすれば良いので、高3から対策を始めても十分に間に合う可能性があるためです。

参考記事:目安の受験日程の目安と理想的な対策タイミングとは?

「共テの対策をしない」という決断のデメリット

共テの対策をしない事のデメリット

総合型選抜において、共通テスト対策をしないという決断にはデメリットもあります。

ここからは、共通テストの対策をしなことで生じるデメリットとその詳細について説明します。

受験校の選択肢が狭まる可能性がある

「共通テスト対策をしない」と決めることは、共通テストを課す総合型選抜を受験できなくなることを指します。

つまり、共通テストを課す入試しか実施していない大学・学部・学科へ進学できる可能性は0になるということです。

それはあなたの受験校の選択肢が狭まることを意味します。

一般入試への切り替えが難しくなる

一般受験のチャンスを捨てることになる

総合型選抜を受験する受験生が「共通テスト対策をしない」という決断をする場合、それはほぼ「一般入試のような受験勉強はしない」ことを意味します。

すると、総合型選抜に不合格になってしまってから一般入試に切り替えざるを得なくなった場合に短い期間でたくさんの勉強が必要になってしまいます。

具体的には、11月から2月までの長くて4ヶ月間しか準備期間がとれないことになります。

そのため、よほど学力に自信がない限りは共通テスト対策をしないと決めた時点で「総合型や公募推薦で決めるしかない」または「一般入試にもつれ込む場合はランクを下げざるを得ない」と思ったほうがよいでしょう。

共通テストを課さない総合型選抜を実施している国公立大学の実例

共通テストが不要な総合型選抜を実施している国立大学の一例

次に、共通テストを課さない総合型選抜を実施している国立大学の実例をいくつか紹介します。

弘前大学

弘前大学では、総合型選抜Ⅰと総合型選抜Ⅱの2種類の総合型選抜が実施されます。
このうち、総合型選抜Ⅰでは共通テストは課されません。

弘前大学の以下の学部は総合型選抜Ⅰを実施しています。

  • 人文社会科学部の文化創生課程・社会経営課程
  • 教育学部の音楽専修・美術専修・保健体育専修
  • 理工学部の各学科
  • 農学生命科学部の食料資源学科・国際園芸農学科・地域環境工学科

参考URL:令和6年度弘前大学総合型選抜学生募集要項

東北大学

共テ不要のAO入試を実施している東北大学の学部

東北大学では、AO入試Ⅱ期・Ⅲ期という2種類の総合型選抜が実施されます。

このうち、Ⅱ期は大学入学共通テストを課しません。

東北大学には全部で11の学部がありますが、Ⅱ期で受験できる学部は以下の8学部です。

  • 文学部
  • 教育学部
  • 法学部
  • 理学部
  • 医学部
  • 歯学部
  • 工学部
  • 農学部

参考URL:令和6年度東北大学AO入試(総合型選抜)Ⅱ期学生募集要項

群馬大学

群馬大学では特別選抜の1つとして総合型選抜が実施されています。

総合型選抜は理工学部のみで実施されており、選抜方法は以下のとおりで共通テストは課されません。

  • 面接
  • 調査書
  • 志望理由書
  • 自己推薦書

参考URL:2024年度群馬大学理工学部総合型選抜学生募集要項

千葉大学

共テなしで受けられるAO入試を実施している千葉大学の学部

千葉大学では総合型選抜に方式ⅠとⅡがあり、Ⅱは共通テストが課されません。

共通テストが課されない方式Ⅱで受験できる学部・学科は以下の通りです。

  • 教育学部(学校教員養成課程・中学校コース・技術科教育分野)
  • 理学部(物理学科、地球科学科)
  • 工学部(総合工学科・物質科学コース)

参考URL:令和6年度千葉大学入学者選抜要項

横浜国立大学

横浜国立大学では、都市科学部・建築学科でのみ共通テストを課さない総合型選抜が実施されます。募集人員は7名です。

都市科学部・建築学科の総合型選抜では、共通テストの代わりに、造形に関する思考力・表現力を検査するための実技試験が課されるので、実技試験の対策も行う必要があります。

参考URL:令和6年度横浜国立大学入学者選抜要項

福井県立大学

共通テスト不要の総合型選抜を実施している福井県立大学の学部

福井県立大学では、以下の2学部・4学科で総合型選抜を実施しています。

いずれも共通テストを課しません。

  • 生物資源学部(生物資源学科・創造農学科)
  • 海洋生物資源学部(海洋生物資源学科・先端増養殖科学科)

上記以外の学部・学科ではそもそも総合型選抜が実施されていませんので、ご注意ください。

参考URL:福井県立大学令和6年度総合型選抜学生募集要項

岡山大学

岡山大学は「ディスカバリー入試」という名称の共通テストを課さない総合型選抜を実施します。

これはグローバル・ディスカバリー・プログラムというプログラムに参加したい人のための入試です。
グローバル・ディスカバリー・プログラムとは、英語を使用して横断的な専攻分野をグローバルな視野で学ぶことができるプログラムです。文系受験者から17人、理系受験者から8人程度が合格者として選ばれます。

参考URL:2024年度岡山大学総合型選抜学生募集要項

九州大学

共テが不要なAO入試を実施する九州大学

九州大学では総合型選抜Ⅰと総合型選抜Ⅱを実施します。そのうち、総合型選抜Ⅰは共通テストを課しません。

総合型選抜Ⅰを実施するのは共創学部(募集人員20人)と教育学部(募集人員7人)のみです。

それ以外の学部では総合型選抜に共通テストが課されますので、注意してください。

参考①:令和6年度九州大学共創学部総合型選抜Ⅰ学生募集要項

参考②:令和6年度九州大学教育学部総合型選抜Ⅰ・国際入試学生募集要項

総合型選抜における共通テスト関連のよくある質問

総合型選抜における共通テスト関連のQ&A

ここからは、総合型選抜において共通テストが関連するよくある質問に疑問に回答します。

総合型選抜で共通テストが課されることがある理由は?

総合型選抜において共通テストが課されることがある理由は、共通テストは受験生の基礎学力を測るのにうってつけの方法だからです。

評定平均は高校の学力レベルによって高くしやすいかどうかが左右されてしまう可能性が高いです。それに対して共通テストは全国で同じ問題を用いて一斉に行われる試験なので、公平に学力を評価することができます。

そのため、総合型選抜において学力を重要な要素として合否の判断材料にしたい場合は共通テストを課すことになるわけです。

共通テストが不要な入試や入試方式の方が倍率は高くなるの?

共テ不要の方式は共テが必要な形式よりも倍率が高いことが多い

似たような偏差値帯の大学・学部・学科の入試間を比較した場合は共通テストが不要な入試や入試方式の方が倍率は高くなる傾向にあります。

なぜなら、総合型選抜では学力以外の点をアピールして合格したい受験生が多いため、共通テストを課さない入試のほうが受験生に好まれやすいからです。

そもそも学力に自信があるなら一般入試を選択することがほとんどなので、総合型選抜での受験を選択した受験生はなるべくペーパーテストの対策をしたくないと考えています。

また、国立大学ではそもそも共通テストを課さない方式の総合型選抜がまだ珍しいので、そこに受験生が集中して倍率が高くなることがあります。

共通テストを課さない入試のほうが難易度は高いの?

共通テストを課さない入試の方が難易度は高いということはありません。

そもそももの吾橋、どのような入試を難易度が高いと感じるのかは人それぞれの得意・不得意によって変わります。

共通テストで他の受験生よりも高い得点をとる自信がある人にとっては、共通テストを課さない入試のほうが自分の長所が発揮できないため難易度が高いものになるでしょう。

逆に共通テストで高得点を取れない人にとっては共通テストが課される総合型選抜は難易度が高く感じるはずです。

以上のように、共通テストが課される総合型選抜と課されない総合型選抜のどちらの方が難易度が高いかは受験生次第、という事になります。

ただし、共通テストを課す大学が難関大学に多いことを考慮すると、「共通テストを課す大学のほうが難易度は高い」と言うことができるかもしれません。

共通テストが課される場合の科目は?

共テで課される科目

共通テストが課される場合の科目や配点は大学・学部・学科によって異なります。

課される科目数や科目は募集要項でチェック

大前提、共通テストは国語・数学・英語・地歴・公民・理科・情報といった教科の幅広い科目で実施されています。その上で、どの科目が試験に課されるのかは、募集要項で確認する必要があります。

参考までに、1教科のみを課す場合もあれば、5教科7科目を課す場合もあります。

以上のように、「共通テストを課す」という言葉だけを見てもどの科目が課されるのか、何教科課されるのかが分かりません。

そのため、共通テストを課す総合型選抜を受ける際には、募集要項で課される科目や科目数を含めた内容までしっかり確認しましょう。

複数の科目から選択できる場合は得意科目を選ぼう

共通テストを課す総合型選抜を実施をしている一部の大学・学部・学科はいくつかの科目群の中から任意の科目を選択することを可能にしています。

例えば、国語・数学・地歴から1教科選んで受験すれば良いとする入試があります。こういった場合、得意な科目を選択して勉強に注力することができます。

共通テストを課す場合はどのくらいの点数をとればいいの?

総合型選抜で共通テストが課される場合、一般入試でその大学・学部・学科のボーダーラインとされる得点率より5~10%ほど低い得点率が合否のボーダーラインとなることが多いです。

例えば、一般入試でのボーダーラインが78%の大学であれば、73%から68%程度になります。

総合型選抜は学力以外の面も含めて多面的に受験生の能力を評価する入試なので、学力のみを評価する一般入試に比べると基準が少し低くなる傾向にあります。

ただし、ボーダーラインやその達成難易度は年度、志願者の出願状況、当日の問題の難易度などにより変動します。

そのため、過去問演習の際に「ボーダーラインさえ突破できていれば大丈夫」と考えることはやめましょう。

国立大学の共通テストを課さない総合型選抜と公募推薦入試の違いは?

総合型選抜は大学が定めた出願条件を満たせば誰でも出願できますが、公募推薦に出願するには通っている高校の学校長からの推薦を得る必要があります。

国立大学の共通テストを課さない総合型選抜と公募推薦入試では、出願条件と共通テストの扱いが異なります。

学校長推薦の必要性の有無と共通テストの扱いの違いの詳細

総合型選抜は大学が定めた出願条件を満たせば誰でも出願できますが、公募推薦に出願するには通っている高校の学校長からの推薦を得る必要があります。

そのため、出願時に通っている高校の学校長からの推薦が必須であるかどうかは大きな違いになります。

加えて、国立大学は公募推薦であっても共通テストを課すことが多いです。もちろん、共通テストが不要な公募推薦を実施している国立大学もありますが、共通テストの受験が求められるケースが多い、という事は押さえておきましょう。

共通テストの有無と学校長推薦の必要性の有無以外は似ている

以上のように、国立大学の共通テストを課さない総合型選抜と公募推薦入試の大きな違いは「共通テストが課されることが多いかどうか」と「学校長の推薦が必要であるかどうか」にあると言えます。

これら以外に、国立大学の共通テストを課さない総合型選抜と公募推薦入試にはあまり大きな違いはありません。

それよりも、大学・学部・学科ごとの違いのほうが大きいです。

参考記事:推薦入試とAO入試の違いとは?

この記事のまとめ

今回の内容のまとめ

本記事では、総合型選抜における共通テストについて詳しく解説しました。最後に、今回の内容を振り返って頂くために本記事の要点をまとめてみました。

  • 私立大学の多くは、総合型選抜で共通テストが不要
  • 国公立大学の総合型選抜では、共通テストが必要な場合が多いが、近年は不要なケースも増えている
  • 共通テストを課さない総合型選抜に向いているのは、課外活動や小論文に強みがある人
  • 共通テストなしの総合型選抜に絞る場合、年内に入試結果が出るメリットがあるが、受験校の選択肢が狭まるリスクもある

この記事によってあなたの総合型選抜における共通テストへの理解が深まれば嬉しいです。最後までお読みくださり、ありがとうございました。


関連記事:総合型選抜を受ける事の善し悪しとは?

この記事を書いた人

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。