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作成日: 2024/4/30 更新日:2024/5/01

理学療法士

理学療法士
理学療法士とは、患者が身体機能の障害を克服し、日常生活を自立して送ることができるようにサポートをする専門職です。医療チームの一員として、医師の診断に基づき、適切な理学療法を提供します。

この記事を書いた人

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


理学療法士になるには?資格の取り方や学校選び、進路まで解説

理学療法士とは、患者が身体機能の障害を克服し、日常生活を自立して送ることができるようにサポートをする専門職です。医療チームの一員として、医師の診断に基づき、適切な理学療法を提供します。

本記事では、

  • 理学療法士のことを詳しく知りたい方
  • 理学療法士を目指したい方
  • 理学療法士になるには、どのような進路を選択したらいいのかわからない方

に向けて詳しく解説していきます。

この記事で学べること

  • 理学療法士になるにはどうしたらいいのか
  • 理学療法士になるには何が必要なのか
  • 理学療法士の仕事内容
  • 理学療法士の進路の選択方法
  • 大学や専門学校選びのポイント
  • 理学療法士の進路やキャリア


この記事を読むことによって、あなたの「理学療法士になるにはどうしたらいいのか」「理学療法士になるにはどんな大学に行けばいいか」という疑問を解決し、理学療法士としての進路・キャリアを理解することができます。

理学療法士になるには?基本情報を知る

理学療法士はPhysical Therapist(PT)とも呼ばれ、人々が健康と活力を保つために、身体機能の回復や改善を促進する専門家のことです。そのためには医療知識だけでなく、人間理解やコミュニケーション能力も必要とされます。

この章では

  • 理学療法士の仕事内容
  • 資格の取り方
  • 理学療法士の資格の合格率

を解説していきます。

まずはじめに、理学療法士の仕事内容を見ていきましょう。

理学療法士の仕事内容

理学療法士とは、患者さんが日常生活を自立して送れるように、リハビリテーションを通して支援する専門職です。特に、病気や怪我、高齢による身体機能の低下を抱える患者さんのリハビリテーションを担当し、その人が可能な限り自立した生活を送れるようにサポートします。

具体的な理学療法士の仕事内容は以下となります。

理学療法士の仕事内容

  • 運動機能の評価
  • 運動療法の指導
  • 歩行訓練
  • 日常生活動作訓練
  • 患者さんの生活環境や使用する道具のアドバイス

また、訪問リハビリテーションとして患者さんの自宅に訪れ、直接指導を行うこともあります。

この様な仕事内容で理学療法士は、病院やクリニック、リハビリテーション施設、老人保健施設、特別支援学校など、様々な場所で活躍します。

理学療法士になるには国家資格の取得を目指す~資格の取り方

理学療法士になるためには、まず最初に理学療法士の国家試験に合格することが求められます。

国家試験は年に一度、理学療法士として必要な知識と技術を問う大変厳しい試験です。試験科目は、理学療法学、基礎医学、臨床医学の3つ。特に理学療法学では、身体の機能を回復させるための理論や技術、患者さんの生活に寄り添うためのコミュニケーション能力などが問われます。

また、試験対策としては学校での基礎学習をしっかりと行うことはもちろん、過去問題の解答や模擬試験を繰り返し行うことで試験に慣れることも大切です。そして、実際の現場での経験や、先輩理学療法士からのアドバイスも試験対策には欠かせません。

国家試験に合格することで、初めて理学療法士としての実務に就くことが可能となります。理学療法士として働き始めた後も、日々新しい知識を学び、技術を磨き続けることが求められます。合格を目指し、試験に向けた準備を進めていきましょう。

資格の難易度・合格率

2023年の理学療法士の国家試験合格率は以下の通りです。

 

受験者数

合格者数

合格率

全体

12,948人

11,312人

87.4%

新卒

10,824人

10,272人

94.9%

既卒

2,124人

1,040人

49.0%

参照:厚生労働省

新卒者の合格率は94.9%と高く、専門的な教育を受けた上で試験に臨んでいるという点も考慮し、難易度がとても高いかと言われると、決してそうではありません。

新卒者であれば日々の学業に専念し、計画的に勉強を進め、深く理解し試験に臨むことで合格に近づくことができます。

理学療法士になるには~進路はどう考えたらいい?

では実際に、理学療法士になるためにはどのような進路を選択したら良いのでしょうか。

一般的な進路では「大学や専門学校に通う」という進路がスタンダードな選択となります。大学や専門学校に通う場合のメリットデメリットや向いている人、最後にどちらを選択した方が良いのかという点をそれぞれ見ていきましょう。

大学に進学するメリット・デメリットと向いている人

大学に進学をする選択をした際には以下のようなメリットとデメリットがあります。

大学進学のメリット

  • 学習期間が4年なので深い知識と広範なスキルを身につけることが可能
  • 専門的な知識だけでなく、基礎科学や人間学、医学まで幅広く学ぶことができる
  • 研究活動に参加する機会があり、専門性をより一層深めることができる


大学進学のデメリット

  • 専門学校に比べ4年間と学習期間が長い
  • 4年間の学費と生活費が掛かる
  • 学業に専念する必要があるので学業以外の時間が作りづらい


学業に専念する期間が4年あるので、その間に様々なことを学び研究できるという点がメリットとしてあげられます。

また、逆にデメリットとしては4年の間に学費や生活費が掛かってくるという点や、学業以外の時間を作るという点があります。

これらのメリット・デメリットがありますが、大学進学を選択するのに向いている人は以下のような考えを持っている人があっていると言えるでしょう。

大学進学に向いている人

  • 深い知識と広い知識を身につけたい人
  • 将来、研究や教育に携わりたい人
  • 将来、より専門性の高い分野で活躍したい人

専門学校に進学するメリット・デメリットと向いている人

次に、専門学校に進学する際のメリット・デメリットなどを見ていきましょう。

専門学校進学のメリット

  • 大学とは異なり、2年間または3年間で卒業できる
  • 就職に有利な場合がある
  • 実践的なスキルを身につけられる


専門学校のデメリット

  • 進路の選択肢が大学よりも限られる
  • 一般教養を学ぶ機会が少ない
  • 大学卒業者との給与差が出る場合がある


専門学校の場合、卒業までの期間が2年または3年となります。そのため、4年生の大学より学費が安く納まる、早く理学療法士として働けるというメリットがあります。

また、専門学校によっては、独自の就職ネットワークやキャリアサポート制度などを設けているところもあり就職に有利になる場合もあります。

デメリットとしては、専門学校は特定の職業に特化した教育を提供しているため、進路の選択肢が大学よりも限られる場合があります。その他にも、専門的な知識や技術を学ぶことに重点を置いているため、一般教養を学ぶ機会が少ない場合もあります。

専門学校が向いている人は以下の通りです。

専門学校進学に向いている人

  • 早く理学療法士として働きたい人
  • 実践的なスキルを早く身につけたい人
  • 自分の目標が明確な人

専門学校は期間が大学より短く、早く社会に出て活躍したいという人。実践的なスキルを早く身につけたいという方に向いています。

また、大学のように広く学ぶわけではないので、自分の目標が明確な人にも向いているでしょう。

大学と専門学校の進路はどちらを選択するのが良いか

大学と専門学校のメリット・デメリットや向いている人を見てきましたが、どちらを選ぶかは重要な決断となります。また、4年制大学、専門学校どちらを選択をしても結論、理学療法士になる事は出来ます。

そのため、どちらに進学するかは以下のポイントを参考にして、自分の環境や夢に応じて判断していきましょう。

  • どれぐらいの期間を経て理学療法士として働きたいか
  • 様々なことを学んで深めていくか、はじめから専門性をもって学んでいきたいか
  • 学費などのお金はどれぐらい出せるのか

大学や専門学校選びの3つのポイント

理学療法士を目指す際の重要なポイントとなるのが、適切な学校選びです。

ここでは、理学療法士に必要な知識や技術を身につけるために、大学や専門学校選びの3つの重要なポイントについて解説します。適切な学校選びを通じて、理学療法士としての一歩を確実に進めていきましょう。

提供するカリキュラムを確認する

学校選びのポイントとして、それぞれの学校が提供するカリキュラムを確認し、自分の目指す理学療法士像に最も適した学校を選ぶことが大切です。複数の学校を比べてみる際にチェックをしておきたいポイントの一例は以下の通りです。 

チェック項目

詳細

カリキュラムの確認

理学療法士として必要な基本的な医学知識、人体の構造や機能、リハビリテーションに関する知識をしっかりと学べるカリキュラムが組まれているかを確認する。

実習の機会の数

実際の現場での経験を積むことができる実習の機会が多い学校か。実際に患者様と接することで、理論だけでなく実践的なスキルも身につけることができるか。

豊富な経験を持つ教員がいるか

豊富な臨床経験を持つ教員から直接学べるか、専門的な資格を持つ教員が多いか。


上記のチェック項目を意識し、自分にあう学校選びをしていきましょう。

資格取得のサポート体制を確認する

教育機関の選択に当たっては、単に名前やブランドだけで選ぶのではなく、その学校がどのようなサポート体制を持っているのか、具体的に確認することが求められます。特に資格取得に至るまでのプロセスや、その後のキャリアサポートまで含めて考慮することが大切です。

確認するポイントは以下のとおりです。

  • どのように学び、実習を経験できるのか
  • 国家試験対策はどの程度サポートされるのか
  • 卒業後も就職支援やキャリアアップのための研修があるか
  • 長期的なサポート体制が整っているか
  • 専門性を深めるための研究支援や、専門分野への進出を支援するプログラムがあるか


その学校がどのような理念を持ち、どのような理学療法士を育てることを目指しているのかを理解することで、自分に合った学校選びをすることができます。

学費も把握する

学校選びの重要なポイントのひとつに、かかってくる学費があります。

学費は、一生の財産である教育に投資するための費用と考えることができます。

しかし、その金額は家計に大きな負担を与える可能性もあります。それぞれの学校が提供する奨学金制度や支援金などを調査し、自身の経済状況に見合った学校を選ぶことが求められます。

立地条件もしっかり確認しよう

立地条件も選択基準の一つです。

通学時間、生活環境、実習施設へのアクセスなどを考慮に入れ、自分のライフスタイルにマッチする場所を選ぶことが重要です。

これらの要素を総合的に考慮し、自分にとって最適な学校を選ぶことで、理学療法士としてのスキルを確実に身につけ、充実した学生生活を送りましょう。

理学療法士になるには~試験対策とその後の進路

理学療法士としてのキャリアを追求するためには、試験対策は不可欠なステップです。このセクションでは、国家試験に合格するための具体的な勉強法や、試験範囲。さらに、試験対策だけでなく、理学療法士としてのキャリアパスについても詳しく解説します。

試験・受験対策

理学療法士試験に合格するために重要になるポイントは以下の3点です。

  • 基礎科目の確固たる理解
  • 専門科目の学習
  • 過去問の解析・模擬試験を受ける

それぞれの詳細について簡単に解説します。

基礎科目の確固たる理解

理学療法士を目指す上で、国家試験まず基本となるのは、解剖学、生理学、病理学といった基礎科目の確固たる理解です。

これらの科目は、理学療法の専門知識の土台を形成し、実践における評価や治療技術の基礎となります。そのため、定期的な復習を行い、知識の定着を図ることが重要です。

専門科目の学習

専門科目の学習においては、理学療法に関わる評価技術や治療技術に特化した知識の習得が求められます。実際の臨床現場で遭遇する様々な症例に対応できるよう、理論だけでなくケーススタディを通じた実践的な学習を心がけることが大切です。

過去問の解析・模擬試験を受ける

試験対策のもう一つの柱として、過去問題の解析があります。過去の国家試験の問題を解くことで、出題傾向を把握し、自身の弱点を明確にすることができます。また、模擬試験を受けることで、実際の試験環境を想定した練習を積み、時間管理や精神的なプレッシャーに慣れることも重要です。

体力の維持とメンタルケアも大切

受験対策を進める中で、体力の維持とメンタルケアを怠らないことも大切です。バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけることで、最適なコンディションで試験に臨むことができます。また、ストレス管理法を学び、試験のプレッシャーを効果的にコントロールすることも、成功への鍵となります。

資格取得後の進路・キャリアパス

理学療法士資格取得後、多彩な進路・キャリアパスが開かれます。その一部を以下に記載します。

キャリアパス

詳細

病院やリハビリテーション施設での勤務

患者の回復プロセスを専門的に支援し、多様な疾患に対応する。

高齢者施設や在宅医療での支援

高齢者の生活の質を向上させるためのリハビリを提供し、在宅での自立を支援する。

アスリートのコンディショニングサポート

スポーツ選手のパフォーマンス向上と怪我の予防・回復を促す専門的なリハビリテーションを行う。

企業の健康管理部門での勤務

従業員の健康促進と職場での怪我の予防に向けたプログラムを開発・実施する。

教育機関、研究機関での勤務

理学療法の知識や技術の研究、新しい治療法の開発に携わる。また、次世代の理学療法士を育成する。

独立開業

個人またはグループでリハビリテーションクリニックを開業し、地域社会に貢献する。

自分の興味やライフスタイルに合わせて、多岐にわたる選択肢の中からキャリアを築いていくことができるでしょう。

これらのキャリアパスは、常に学び続け、スキルを磨き、専門知識を更新していくことで、より多くの機会へとつながっていきます。理学療法士としての資格は、医療分野における幅広いキャリアを築く強固な基盤となります。

理学療法士を目指す人が良く抱く疑問とその回答

理学療法士を目指す人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。よく抱く疑問とその回答を記載していきます。

理学療法士の仕事のやりがいは?

理学療法士のやりがいとしては、患者さんの歩行や日常生活動作の自立をサポートし、感謝の言葉や笑顔をいただける点が大きいでしょう。

また、チーム医療の一員として、医師や看護師と連携しながら患者さんのケアに携わることができるのでチームとしての成果を出した時に非常にやりがいを感じることができます。

仕事内容は体力的にきつい?

患者さんの介助や移動を行うため、ある程度の体力は必要です。しかし、ほとんどの方は日常の仕事の中で慣れていくことが多いようです。

また、近年はリハビリテーション機器の導入が進んでいるため、以前よりも体力的負担が軽減されている傾向があります。

理学療法士の将来性はある?

高齢化社会の進展により、理学療法士の需要は今後も高まっていくと予想されます。特に、スポーツ理学療法や小児理学療法など、専門性の高い分野はさらに需要が高まるでしょう。

この記事のまとめ:理学療法士になるには

理学療法士に関するまとめ

この記事では理学療法士になるにはどうしたらいいのかという部分から、仕事内容や進路、学校選びのポイントその後のキャリアについて触れてきました。

その中でも、重要なポイントを最後に記載していきます。

  • 理学療法士とは、人々が健康と活力を保つために、身体機能の回復や改善を促進する専門家のこと
  • 理学療法士になるには国家資格試験に合格する必要がある
  • 進路は4年生大学と専門学校を選択する
  • 学校選びは大学と専門学校のメリット、デメリットを良く理解した上で判断する
  • 理学療法士の需要は今後も高まっていく

理学療法士は人々の健康のために貢献でき、やりがいを感じられるすばらしい職業です。

ぜひこの記事で紹介した内容を参考にして、理学療法士の一歩を踏み出してみましょう。




この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。