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作成日: 2024/10/30 更新日:2024/10/30

総合型選抜(旧AO入試)は自己PRの質が鍵?効果的な伝え方や良い例文と共に解説

総合型選抜(旧AO入試)は自己PRの質が鍵?効果的な伝え方や良い例文と共に解説
  • 「総合型選抜で上手く自己PRする方法を教えてほしい」
  • 「自分をアピールする際の注意点が知りたい」
  • 「良い自己PRと悪い自己PRの違いは何?」

以上のような疑問点やご要望をお持ちの方向けに書いています。

改めての話になりますが、総合型選抜はあなたの強みや経験や特技を評価する入試です。したがって、あなた自身を上手にアピールできるかどうかが合否を左右します。

そこで、この記事では以下のことについて、解説します。

  • 総合型選抜における自己PRとはなにか
  • 総合型選抜ではいつ自分をアピールできるのか
  • 自己PRを出願書類に書く手順
  • 良い自己PRと悪い自己PRの例文
  • 良い自己PRと悪い自己PRの違い
  • 自分をアピールするときの注意点

上記に加えて、自己PRに関するよくある質問に対する回答も載せていますので、是非最後までお読みください。

この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。

目次

総合型選抜の自己PRとは?

総合型選抜における自己PRとは何か

総合型選抜における自己PRとは、受験生が試験官に対して「自分は大学が求める学生像と合致している」ことをアピールするものです。

自己PRができる場面であなたが自分の強み、経験、特技などの個性を上手くアピールできれば、総合型選抜での合格に大きく近づくことができます。

ここでは、総合型選抜で自己PRが重要である理由と総合型選抜で自己PRができる場面について詳しく解説します。

総合型選抜に合格するには自己PRが重要な理由

総合型選抜に合格するためには、自己PRが非常に重要です。

なぜなら、自己PRはあなたが大学側求める学生像と合致しているかどうかを試験官が判断する際に重要な要素となるからです。

改めての話になりますが、総合型選抜は大学・学部・学科のアドミッション・ポリシーに合致する学生を選抜する試験です。そのため、合致度が高い受験生ほど合格の可能性が高まります。

以上のことから自己PRはあなたの経験、強み、特技などの個性が大学・学部・学科の求める学生像に一致していることをアピールするためにとても大事ということになります。

自己PRができる場面①出願書類

出願書類

総合型選抜で自己PRができる場面の1つ目は出願書類があります。総合型選抜における出願書類というのは、以下をはじめとした出願時に大学側に提出する事になる資料を指します

  • 志望理由書
  • 自己推薦書
  • 活動報告書

例えば、順天堂大学保健医療学部の総合型選抜では出願時に調査書、志望理由書に加えて自己PR書や面接用の自己PR資料を提出します。

自己PR書は志望理由書とあわせて1つの書類となっています。自己PRと志望理由の2つをあわせて約570字以内で記します。

自己PR資料はこれまでの諸活動の名称や取得資格等を記し、それを証明する資料を提出する形になっています。

参考:順天堂大学保健医療学部の入試情報ページ

自己PRができる場面②面接

総合型選抜で自己PRができる場面の2つ目は面接です。

面接では、出願書類に書いた自己PRについて「一番うれしかったことは?」、「大変だったことをどうやって乗り越えたの?」といった掘り下げる質問がなされる場合があります。

そういった質問に対して具体的なエピソードとその経験から学んだことを的確に回答できれば、それがあなたの自己PRになります。

また、質問の流れによっては出願書類には書かなかった自己PRをするチャンスがあるかもしれません。例えば、「〇〇の他にあなたが高校時代に打ち込んだことは何かありますか?」という質問がなされる場合です。

いずれのケースにせよ、面接で求められる自己PRは出願書類の内容に基づいて行われる場合がほとんどです。

そのため、出願書類の内容からどのような質問をされそうか予想して回答を準備していきましょう。

参考記事:面接に関する特集ページはこちら

自己PRができる場面③プレゼンテーション

テーマ次第ではプレゼンテーションでもアピールが可能

プレゼンテーションでは、テーマによっては自己PRが可能です。

例えばプレゼンテーションのテーマが「あなたの魅力をアピールしてください」といった自己PRを求めるテーマの場合、プレゼンテーションの中で、自己PRが可能です。

参考までにプレゼンテーションで自己PRが求められる場合、「5分間で自己アピールをしてください」といった形で、事前に制限時間が設定されていることがほとんどです。

プレゼンテーションの場合、伝えられる情報量が書類・面接よりも多くなるので、具体的なエピソードを多めに伝えるよう意識しましょう。

具体的なエピソードが多くなると、説得力やインパクトのあるプレゼンテーションを作りやすくなります。

総合型選抜で自己アピール文を出願書類に書く手順

自己アピール文を出願書類に効果的に書くための5つのステップ

総合型選抜で最初に自己PRができる場は出願書類です。それ以降の面接やプレゼンテーションでの自己PRは出願書類の内容に基づいたものになりがちです。

ということは、出願書類での自己PRが最も重要であるといえます。そこでここからは、出願書類に自己PRを書く手順を以下の5つのステップに分けて紹介します。

まずはこれから取り上げる5つのステップを時系列順に並べてみましたので、ご覧ください。

  • ①大学が求める学生像を把握する
  • ​②自己分析をする​
  • ③大学が求める学生像に合致する強みや長所を書き出す
  • ④強みや長所を示すエピソードを用意する
  • ⑤制限字数に合わせて書く

それぞれの詳細については上から順番に取り上げていきますので、ぜひご覧下さい。

大学が求める学生像を把握する

総合型選抜に合格するためには、大学が求める学生像を把握することが重要です。

各大学・学部・学科はアドミッション・ポリシーを公開しており、そこには「どのような学生に入学してほしいか」を書いています。

総合型選抜では、アドミッション・ポリシーを満たすかどうかという視点で学生の選抜が行われます。

そのため、まずは大学のウェブサイトやパンフレットでアドミッション・ポリシーを確認することからはじめましょう。

なお、大学、学部、学科それぞれがアドミッション・ポリシーを定めているケースが多いのでそれぞれを確認するようにしてください。

参考記事:このポリシーの詳細な解説ページはこちら

②自己分析をする

自己分析をする

次に、自己分析をします。自己分析のポイントは過去の振り返りと他者視点です。それぞれのポイントについて簡単に解説します。

過去の振り返りのポイント

まずは過去のあなた自身の経験や実績を振り返り、あなた自身の強みや弱み、興味関心、価値観を明確にすることから始めましょう。

その際、ただ事実だけをピックアップするのではなく、あなた自身の気持ちについて考えてみることが大事です。

例えば、過去どのような状況で自分が最も頑張ろうと思えたのかを考えてみることが有効です。

他者視点も大切

また、自己分析の際には、あなた自身の視点だけではなく、友人や家族、先生などの視点で考えることも非常に重要です。

他者から意見をもらうことで、あなた1人では気づかない視点で自己理解が進む場合があります。

ある程度自己分析ができたら、あなた自身の強みや弱み、興味関心、価値観などをもとにあなた自身ががどのような人間であり、どのように成長してきたのかを具体的に言語化してみましょう。

③大学が求める学生像に合致する強みや長所を書き出す

次に行いたいのは、大学が求める学生像と合致する強みや長所を洗い出す事です。

上記を行うためにも、①の結果と②の結果を照らし合わせましょう。

つまり、自己分析で分かったあなた自身の強みや弱み、興味・関心、価値観と志望する大学・学部・学科が求める学生像を照らし合わせ、合致しているポイントを書き出すのです。

上記を行う事で、強みを含めたあなた自身の個性のうち、どれを大学にアピールするべきかの優先順位をつけることができます。

参考までに優先順位をつけることが重要な理由は、出願書類の文字数が限られているためです。

定められた文字数で書く必要がある以上、全てのアピールポイントをアピールできるわけではありませんので、優先順位をつけることが非常に重要なのです。

④強みや長所を示すエピソードを用意する

強みや長所をアピールできるエピソードの準備

優先順位の高いアピールポイントが決まったら、それが発揮されたエピソードやそれを示す実績を具体的に用意しましょう。

王道のアプローチで言えば、部活動や生徒会活動、ボランティア活動、アルバイトといった活動の中で起きたエピソードの中から探すことになります。

エピソードは具体的に書くことを心掛ける

エピソードはできるだけ具体的に書きましょう。

具体的に、というのはいつ・どこで・誰と・何を・どのように・なぜといった情報を記入することを指します。

効果的なエピソードと凄さが伝わる実績とは?

エピソードは、皆で力を合わせた話や挫折・困難を乗り越えた話、計画的かつ主体的に何かに夢中で取り組んだ話等が効果的です。

実績は、大会・コンクールの成績や資格・検定試験の合格はその凄さを多くの人がイメージしやすいのでおすすめです。

なお、実績やエピソードは最終的に1つに絞ることになりますが、準備段階ではいくつか候補を用意しましょう。

そしていくつか用意した中で、最も自分のアピールポイントが伝わりやすいものを選ぶようにしましょう。

⑤制限字数に合わせて書く

最後に、出願書類に自己PRを書きましょう。自己PRは以下の構成で書くことをおすすめします。

  • アピールポイントの提示
  • 根拠となる具体的なエピソードや実績の提示
  • アピールポイントを大学での学業にどう活かすか

まず最初にやる事は、あなた自身の強みやアピールポイントを述べる事です。

次にそれを裏付ける根拠として具体的なエピソードや実績を書きます。

最後に、そのアピールポイントを大学で学ぶ際にどう活かすかを述べます。

文字数の比率の目安は主張1:根拠8:活用1です。主張を裏付ける具体的なエピソードに字数を割いて説得力のある自己PRにしましょう。

良い自己PRの例文

総合型選抜における良い自己PRの例文

総合型選抜ではどんな自己PRが評価されるのかをご理解頂くために、良い自己PRの例文をご紹介します。

先ほどご紹介した構成で自己PRを書くとどうなるのかを例文を通して確認してください。

良い自己PR①高校の部活動経験をアピールするもの

私は高校でサッカー部のキャプテンを務め、部活動を通じて指導スキルを身につけるとともにその重要性を学びました。

キャプテンとしてチームの練習メニューの改善やモチベーション向上に尽力した経験からそれを実現しました。


私は1年生の頃から「練習メニューをもっと改善できないか」と考えており、他の部員にもさまざまな提案をしました。その熱意をみんなから認められてキャプテンになりました。キャプテンに就任してからは、顧問の先生やコーチと一緒に練習メニューの細分化・最適化に取り組みました。

また、一つひとつの練習の目的を意識することやメンバーとの定期的にミーティングを実践し、練習内容の改善とメンバーの意識改革に取り組みました。そうやってチーム一丸となって懸命に練習した結果、これまでのチームのベストを上回る県大会ベスト8を達成できました。


練習メニューの改善や練習に対するメンバーの意識改革を行ったことによって、チームの成績は1年でかなり向上しました。私はこの経験から「指導者のスキルによって成績が大きく変わる」ことを学びました。


私は、このような経験を活かして大学でより専門的に指導スキルを学び、将来は指導者として小学生にサッカーを指導し、その楽しさや面白さを伝えていきたいと思っています。

良い自己PR②高校での学びを将来のキャリアと結びつけた例文

高校での学びを将来のキャリアと結びつけた例文


私は幼い頃からロボットが好きで、小学2年生から高校3年生までずっとロボット制作について研究してきました。

小学6年生の時には所属していたプログラミング教室で小学生ロボコンの全国大会に出場し、高校2年生の時には全国高等学校ロボット競技大会にも出場しました。

全国高等学校ロボット競技大会では、スピードとパワーの優れたロボットを披露して審査委員長から直々にそれを実現する機構を高く評価していただきました。

また、ロボットをチームで製作するなかで、仲間と意見を交わしながら方向性を定めることの難しさや、チーム全員で同じ方向を向けたときの頼もしさ・力強さを学ぶことができました。

私は中学生まではチームでのロボット製作に取り組んだことがなかったため、高校生になってからのチームで取り組んだ経験から学ぶことが多かったです。

大学では、これまで学んできたプログラミングなどのロボット製作スキルを活かし、新しいロボットの開発に取り組みたいと思っています。

特に、人間の動きを補助する動作支援型のロボットを製作したいです。高校で経験したチームでのロボットづくりの経験を活かし、協調性や議論のなかでアイデアの完成度をを高めていくスキルを存分に発揮してロボット製作においてチームに貢献したいと思っています。

悪い自己アピールの特徴と例文

総合型選抜で悪い評価に繋がる自己PRの例文集

次に総合型選抜で評価されない自己PRをご理解いただくために、悪い自己PRの特徴を3つご紹介します。それぞれについては例文も取り上げますので、ぜひご覧ください。

①自分の経歴や実績を羅列するだけになっている

具体的なエピソードのない、単なる事実の羅列は良い評価が得られません。

【具体的なエピソードがないケースの例文】

私は高校2年生から生徒会に所属し、3年では生徒会長を務めました。また、ボランティア活動にも積極的に参加しました。さらに3年間無遅刻無欠席で学業にも一切手を抜かず取り組みました。

アピールしたい強みや長所と根拠となるエピソードが噛み合っていない

アピールしたい強みや長所と根拠となるエピソードが噛み合っていない

アピールしたい強みや長所と根拠となるエピソードが噛み合っていない場合、支離滅裂な自己PRになってしまいます。

【支離滅裂な自己PRの例文】

私の強みはリーダーシップです。私は昔から人の話を聞くのが得意で、いつも周りの人に頼られてきました。

部活動や委員会活動では特に頼られることが多く、委員会では2年間書記を務めました。部活動では後輩への指導を担当し、教え方が分かりやすいと多くの後輩から好評でした。

③アピールしたいことが1つに絞れていない

アピールしたいことが1つに絞れていないと、アピールポイントもそれを示すエピソードとのつながりも弱くなってしまいます。その結果として、印象に残らない自己PRになってしまいます。そのため、アピールしたいことは1つに絞る事が重要です。

【アピールしたい強みが絞れていない自己PRの例文】

私の長所は、粘り強く最後まで頑張れることと人の話を聞くのが好きなこと、何にでも興味を持ちやすいことの3つです。

私は高校3年間バレー部に所属しており、途中辞めそうになりながらも引退までやりきりました。部活動以外にも委員会活動やボランティア活動、地域の活動などさまざまなものに積極的に参加して経験を積みました。

私はこれらの経験を活かして、大学で社会学について広く学びたいと考えています。

良い自己PRと悪い自己PRの違い

良い自己PRと悪い自己PRの違い

総合型選抜における良い自己PRと悪い自己PRの大きな違いは、話の具体性や関連性です。話に具体性と関連性があれば良い自己PRになる反面、ない場合は悪い自己PRになります。

良い自己PRの特徴のまとめ

参考までに総合型選抜における、良い自己PRの特徴をまとめると以下のようになります。

  • エピソードや実績が具体的に説明されている
  • 主張したい強みや長所が1つに絞れている
  • エピソードと主張したい強みが噛み合っている
  • 大学での学びや将来実現したいキャリアとつながっている
  • 内容が大学の求める学生像とマッチしている

悪い自己PRの特徴のまとめ

一方で、悪い自己PRには以下のような特徴があります。

  • 事実を羅列しているだけ
  • 抽象的で具体性に欠ける
  • 話の流れに一貫性がない
  • 主張が多くて何を伝えたいのかわからない
  • 大学が求める学生像とずれている

良い自己PRと悪い自己PRの違いのまとめ

先ほどご紹介したよい自己PRと悪い自己PRの特徴から、両者の違いを分かりやすく表にまとめてみましたので、ご覧ください。

項目

良い自己PR

悪い自己PR

エピソード・実績

ある

ない

アピールポイントの数

1つ

たくさん

アピールポイントとエピソードのつながり

ある

ない

大学が求める学生像とのつながり

ある

ない

大学での学び・将来のキャリアとのつながり

ある

ない

あなたが書いた自己PRを良いものか悪いものか判断する際に是非この表を活用してください。

総合型選抜で自己PRをするときの注意点

総合型選抜で自己PRをするときの注意点

次に総合型選抜で自己PRをする際の4つの注意点をご紹介します。

単なる経歴自慢にならないようにする

総合型選抜の自己PRは、経歴を紹介するだけにならないようにしましょう。

それでは自己PRではなくただの自慢になってしまいます。

過去の栄光や実績よりも学びや成長をアピールする

強調すべきは過去の栄光や実績ではなく、経験から何を学びどのように成長したか、です。

実績は一つの事例であり、自己PRではそれにまつわる具体的なエピソードを通じてあなた自身の強みやその経験から学んだことを試験官に伝えましょう。

例えば、部活動でリーダーシップを発揮した経験を語る際には、チームをどうまとめたか、困難をどう乗り越えたか、そしてその経験が今後の大学での学びや将来のキャリアにどう繋がるかを述べると良いでしょう。

実績をアピールするだけでは不十分である

もちろん、あなたがリーダーをしている期間にチームが実績をあげたのであれば、それはあなたが導いた結果として自己PRに活用できます。

しかしそれだけでは自己PRとしては不十分です。

総合型選抜の自己PRでは、経歴や実績はあくまでも事例です。

その経験から何を学んで、どのように考え成長したか。その経験をどう活かしていきたいか、といった点について述べるようにしましょう。

嘘の内容を盛り込まない

嘘を盛り込むのはNG

総合型選抜の自己PRを書く際には、嘘の内容を盛り込まないことが極めて重要です。

自己PRはあなた自身の強みや経験をアピールする場ですが、アピールしたい気持ちが先走って嘘をついてはいけません。

嘘の情報を入れると、面接やプレゼンテーションで出願書類に書いた内容と矛盾が生じる可能性が高まります。

それに万が一嘘をついたことがばれてしまったら、不合格はほぼ確定したようなものです。

そのため、自己PRは必ず事実に基づいたエピソードや実績を用いて構成しましょう。

要点を1つに絞る

総合型選抜における自己PRでは、要点を1つに絞りましょう。

1つに絞ることで、相手にあなたのアピールポイントが伝わりやすくなります。

ちなみに1つの要点を裏付ける具体的なエピソードは複数あってもかまいません。字数や制限時間が許す限り、複数のエピソードを紹介してあなたの強みをアピールしましょう。

参考までに、万が一、どうしても要点を1つに絞れない場合は、2つには絞ってください。要点が増えるとアピールポイントが分かりにくくなるので、1つに絞れないときでも可能な範囲で絞るのが望ましいです。

具体的なエピソードを紹介する

具体的なエピソードを入れ込む

自己PRの中でアピールポイントを述べた後は、必ずエピソードも紹介するようにしましょう。

エピソードを紹介する際には、できるだけ具体的に述べることが重要です。

例えば、「〇〇部で部長をしていたのでリーダーシップがあります」と書くよりも、「高校の部活動でキャプテンを務め、〜〜年の大会でチームを優勝に導きました。その際に〇〇という課題を抱え、〇〇して解決しました。」のように書きましょう。

以上のように、できるだけ具体的に書くことで、あなたのアピールポイントを説得力のあるかたちで伝えましょう。

自己アピールに対する質問とその回答

よくある質問とその質問に対する回答

次に総合型選抜における自己PRに関して受験生がよく抱く疑問点をQ&A形式でご紹介します。

面接やプレゼンの自己PRで出願書類と同じ内容を話してもいいの?

面接やプレゼンテーションで自己PRを行う際、出願書類と同じ内容を話しても問題ありません。

しかし、そのまま繰り返すのではなく面接官に新しい情報や視点を提供することが重要です。

例えば、書類に書ききれなかった詳細やエピソードを補足したり、書類とは異なる表現やアプローチを用いたりすることが考えられます。

このような工夫をすることで、あなたのコミュニケーション能力や柔軟性をより強くアピールできるでしょう。

参考記事:総合型選抜で求められるプレゼンテーションとは?

自己PRに小中学生時代の経験を書くのはNG?

小中学生時代の経験をアピールする際の注意点

高校時代の経験や成果に焦点を当てることが望ましいとされていますが、小中学生時代の経験も全く無視する必要はありません。

特に、その経験が現在のあなたに大きな影響を与えている場合や、大学が求める学生像に合致する場合は、効果的にアピールする手段となり得ます。

ただし、小中学生時代の経験を自己PRに盛り込む際は、以下の点に注意しましょう。

  • その経験がどのように現在のあなた自身に影響を与えたのか
  • その経験が大学での学びや将来の目標にどのように繋がるのか
  • 小中学生時代の経験だけをアピールしていないか
  • 試験要項に「高校入学以降の実績に限る」などの注意書きの有無を事前に確認する

上記の点に注意をすれば、小中学生時代の経験を自己PR内の有効なアピールポイントとして利用することができます。

ただし、望ましいのはあくまでも主軸に添えるのは高校生時代の経験やエピソードにし、それを補完する形で小中学校のエピソードを取り入れるのが望ましいです。

そのため、小中学生時代の経験を書く際には、記載方法についても意識をしましょう。

漢検準2級や英検準2級はアピールポイントになる?

漢検準2級や英検準2級は大学入試の自己アピールには使えない場合がほとんどなので注意してください。

できる事ならば、2級以上の検定を取得したい

準2級はどちらも高校在学中レベルであり、高校卒業レベルは2級です。

つまり、高校時代に漢字や英語の学習を頑張ったことをアピールしたいなら高校卒業レベルである2級以上の資格を持っていることをアピールする必要があります。

ただし、漢検準2級や英検準2級をもっている高校生すら珍しい可能性があるレベルの大学を受験する場合を除きます。こうした大学の場合は、漢検準2級・英検準2級を持っていることのアピールが有効になる可能性があります。

準2級をアピールしたい場合は勉強を通して得た経験や学びを書く

参考までにどうしても漢検準2級や英検準2級をアピールポイントとして使いたいなら、資格を取得する過程で得た経験や学びを具体的に伝えることが重要です。

例えば、資格取得のためにどれだけ努力をしたのか、どのように学習を続けたのか、そしてその過程で得たスキルや知識をどのように活かしているのか等をアピールしましょう。

最終的には、これらの経験があなた自身の強みや目標にどのように関連しているのかを明確にしつつ、大学での学びに繋げることを目指したいところです。

関連記事:総合型選抜において評価される検定とは?

自己紹介と自己PRの違いがよく分からないです。

自己紹介と自己PRの違い

自己紹介は、名前や出身地、趣味、特技などの基本的な情報を簡潔に伝えるものです。

一方、自己PRは特定の目的に応じてあなた自身の強みや成果、経験をアピールするものです。

参考までに総合型選抜の自己PRでは大学が求める学生像との合致度をアピールする事が求められます。

そのため、「高校時代〇〇に力を入れました」、「英検2級を取得しました」といった結果だけを述べる自己紹介と実質変わらないような自己PRでは不十分です。

一方で、「高校時代〇〇に力を入れた結果、〜〜という考えを持てるようになりました」といった形で具体的なエピソードを提示した上で、大学が求める学生像と合致していることをアピールできれば、高評価が期待できる自己PRになります。

大学は受験生の自己PRのどんな点を評価しているの?

総合型選抜の自己PRにおいて大学側が評価するポイントは、主に以下の3つです。

  1. 大学・学部・学科が求める学生像と合致しているか
  2. 内容に説得力があるか
  3. 大学での学びや将来のキャリアにつながっているか

そのため、ご自身の自己PRの良し悪しを評価する際は、上記の3つのポイントに沿って自己評価してみましょう。

この記事のまとめ

今回の内容のまとめ

今回は、総合型選抜の場で求められる自己PRについて特集しました。最後に、今回の内容のポイントをまとめてみましたので、ご覧ください。

  • 総合型選抜の自己PRはあなた自身が、大学が求める学生像との合致度が高いことを示すのが鍵
  • 総合型選抜において自己PRは主に出願書類、面接、プレゼンの場で求められる
  • 良い自己PR作りには、自己分析と大学・学部・学科のアドミッション・ポリシーの分析がとても重要
  • 良い自己PRを作る鍵は、1つに絞った自身の強みを具体的な実績・エピソードで根拠づける事である
  • 良い自己PRは大学での学びや将来のキャリアとつながっている内容になっている

改めての話になりますが、自己PRは総合型選抜で合格を勝ち取るために欠かせない要素です。

あなたの長所や強みを大学にしっかりアピールして志望校合格を勝ち取ることを願っております!

最後までお読みくださりありがとうございました。

参考記事:学校の通知表の成績と特別入試の合否の結果とは?

この記事を書いた人

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。