作成日: 2024/11/09 更新日:2024/11/09
不登校の人でも総合型選抜(旧AO入試)を受けられる!合格するための秘訣や注意点も詳しく解説
- 「不登校でも総合型選抜(旧AO入試)を受けられる?」
- 「不登校でも総合型選抜(旧AO入試)で合格するために必要なことは?」
このような疑問を抱えている受験生も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、条件を満たせば不登校の人でも総合型選抜(旧AO入試)を受験することは可能です。ただし、欠席日数が多いことは選考で不利になる場合があるため、他の要素でしっかりと補うことが重要です。
そこで本記事では、不登校の人が総合型選抜(旧AO入試)で合格するための秘訣や、受験に向けた注意点を詳しく解説します。
また、卒業までの出席日数が足りずに総合型選抜を受験できない場合の対処法についても紹介しますので、ぜひ最後までお付き合い下さい。
この記事を書いた人
年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
- 1 不登校の人でも総合型選抜(旧AO入試)を受けられる
- 2 不登校の人が総合型選抜(旧AO入試)で合格するための秘訣
- 3 不登校の人が総合型選抜(旧AO入試)を受験する際の注意点
- 3-1 卒業見込みとなる単位取得ができていないと総合型選抜(旧AO入試)は受験できない
- 3-2 大学の中には出願要件に遅刻・欠席数を記載しているところもある
- 3-3 欠席日数が多いほど減点になる
- 3-4 不登校だと評定も悪くなる可能性が高い
- 3-5 面接で不登校の理由を聞かれる場合もある
- 4 取得単位が足りず総合型選抜(旧AO入試)を受けられない場合の対処法
- 5 よくある疑問とその疑問に対する回答
- 5-1 欠席日数が多いと思われる目安はどれくらい?
- 5-2 欠席日数の多さが原因で落ちることはある?
- 5-3 病欠も不登校と同じように減点要素になる?
- 5-4 不登校の人には総合型選抜・学校推薦入試・一般選抜のどれがおすすめ?
- 6 今回の内容のまとめ
不登校の人でも総合型選抜(旧AO入試)を受けられる
不登校であっても、卒業に必要な単位を取得できそうで高校を卒業できる見込みがあれば総合型選抜(旧AO入試)を受験することは可能です。
なぜなら、総合型選抜(旧AO入試)は学力だけでなく、受験生の個々の能力や意欲を総合的に評価する方式だからです。
そのため、学校に通えなかった期間があっても自分の強みや特技を活かしてアピールできれば、合格のチャンスは十分にあります。
ただし、多くの大学では書類選考や面接が重視されます。そこでは、不登校期間中にどのような活動をしていたか、どのように時間を活かしていたかを具体的に伝えることが重要なポイントです。
具体的には、探究活動やボランティア活動に取り組んでいたなど学校外での努力や経験をアピールすることが求められます。
このように考えると、不登校であっても準備次第で合格の可能性は広がるため総合型選抜を積極的に活用することを検討してみましょう。
参考記事:合否判定で評価される実績をこれから作るには
参考記事:慈善活動は合否判定で評価される活動なのか?
不登校の人が総合型選抜(旧AO入試)で合格するための秘訣
不登校であっても、卒業見込みであれば総合型選抜(旧AO入試)を受験することが可能です。
しかし、欠席日数の多さはマイナス評価となるため他の要素でアピールする工夫が必要です。
以下では、合格を目指すための具体的な秘訣を紹介します。
可能であれば、今日から無遅刻・無欠席を目指す
もし学校に通える状況になったら、今日から無遅刻・無欠席を目指すことが重要です。
- 欠席日数の削減は、選考での評価が有利になります。途中からでも改善する努力が見られれば、その姿勢を大学にアピールできます。
- 規則正しい生活が身につくことで、成績向上や精神的な安定にもつながります。
不登校からの復帰は難しい一方で、改善の努力が評価されるポイントになるため、学校生活を整えることは合格への重要なステップです。
参考記事:休んだ日数と合否判定の関係性とは
調査書以外の提出書類や二次選抜に重きを置く入試を選ぶ
調査書の比重が高い大学よりも、調査書以外の書類や二次選抜での評価もある入試形式を選ぶと有利になります。
例えば、提出書類が自己推薦書・志望理由書・調査書で構成され、二次選抜が面接・小論文・プレゼンテーションを含む入試形式です。
このような形式の入試では、書類選考以外の部分で自分の強みや個性を十分にアピールでき、不登校の背景も理解してもらえる可能性が高まります。
参考記事:調査書の内容と合否結果の関係性とは
小論文や面接で高得点を狙う
小論文と面接は、不登校のマイナス要素をカバーする重要なチャンスです。
入念な準備を重ねることで、大学側に自分の強みを最大限にアピールできます。
以下、小論文と面接で高得点を狙うための具体的なポイントを解説します。
小論文で高得点を狙う
日常的な情報収集と練習が、小論文での成功の鍵です。以下の4つの準備を行い、論理的かつ説得力のある文章を書けるようにしましょう。
小論文の準備 | 準備の詳細 |
---|---|
時事問題への関心を持つ | 新聞やニュースアプリを活用して、社会問題や時事トピックを追い続けましょう。入試で出題されるテーマは、社会的課題や教育・環境問題が多い傾向にあります。 |
多角的な視点を養う | 賛成・反対の両方の立場から物事を考えることで、バランスの取れた意見を持てるようにします。ディベートの練習も有効です。 |
論理的な文章構成 | 「序論 → 本論 → 結論」の三段構成を意識し、明快で分かりやすい文章を心がけましょう。具体的なデータや事例を用いると説得力が増します。 |
フィードバックを受けて改善する | 模擬試験や添削指導を活用し、文章力をブラッシュアップしましょう。 |
参考記事:この選考内容に関する特集ページはこちら
面接で高得点を狙う
面接は自己PRと志望理由を直接伝えられる貴重な場です。しっかりと準備を整え、自信を持って臨みましょう。面接の対策のポイントについてはまとめてみましたので、ご覧ください。
面接の対策のポイント | 各ポイントの詳細 |
---|---|
自己分析の徹底 | 自分の強み・弱み、価値観、将来の目標などを深く掘り下げましょう。「なぜこの大学で学びたいのか?」を具体的に説明できるようにします。 |
自己PRと志望理由の準備 | 志望理由は、大学の教育方針や特色に合致する内容にしましょう。自分の経験やエピソードを交え、説得力のあるアピールを行います。 |
模擬面接での練習 | 学校の先生や家族、指導者と模擬面接を繰り返しましょう。質問に対して具体的かつ簡潔に答え、適度なアイコンタクトを心がけます。 |
不登校の理由も前向きに説明 | 不登校期間をどのように乗り越えたのか、その経験から何を学び、今後どう活かしたいのかをポジティブに伝えます。 |
参考記事:当日試験官に聞かれる内容や対策のコツを大公開
欠席日数を補う活動実績を作る
不登校の人が総合型選抜(旧AO入試)で合格を目指すには、欠席日数を補えるような活動実績を積み上げることが非常に重要です。
学校に通えなかった期間を有効活用し、学業以外の分野で自分の強みを証明することで、大学側に良い印象を与えられます。
以下では、欠席日数の多さを補う事に役立つ具体的な活動例やその意義について解説します。
留学やボランティア活動に参加する
留学やボランティアに参加をするのも有益です。参考までに、それぞれの活動でアピールできる点の一例は以下の通りです。
行動 | 解説 |
---|---|
留学 | 異文化に触れる経験や語学力の向上は、視野の広さや柔軟な思考を示せます。 |
ボランティア活動 | 地域の活動や福祉プロジェクトに参加することで、コミュニケーション能力や協調性をアピールできます。 |
これらの活動は、責任感や積極性を大学に示す手段となり、不登校のマイナス要素を効果的に補います。
リーダーシップを発揮するプロジェクトに挑戦する
何らかの形でリーダーシップを発揮した経験は、書類選考や面接で大きく評価されるポイントです。
例えば学生団体の立ち上げ、イベントの企画・運営、地域社会への貢献プロジェクトの実施などです。このようなリーダーシップを発揮し、プロジェクトを成功させた実績は課題解決能力や責任感を証明する材料となります。
オンライン学習や自己学習でスキルを習得する
オンライン学習や自己学習でのスキル習得も評価対象となり得ます。例えば、以下のような取り組みがあります。
- プログラミングやデザインのスキル:ITスキルは今後の学びにも活かしやすく、自己成長の証となります。
- 資格取得:TOEFL、簿記、ITパスポートなどの資格は、学びに対する意欲を示す強力な材料です。
オンラインでの学習は、不登校中も学び続ける姿勢を示せすことができる有効な手段です。
参考記事:資格取得と総合型選抜の合否の関係性とは
不登校の人が総合型選抜(旧AO入試)を受験する際の注意点
不登校の人が総合型選抜(旧AO入試)を受験する際には、いくつかの重要な注意点があります。以下の点をしっかり確認して準備を進めましょう。
卒業見込みとなる単位取得ができていないと総合型選抜(旧AO入試)は受験できない
総合型選抜(旧AO入試)を受験するためには、必要な数の単位を取得して卒業見込みが立つことが大前提です。
単位が不足している場合、総合型選抜の受験資格が得られないだけでなく、高校自体の卒業も危うくなる可能性があります。
単位不足を防ぐための対策
単位不足が発覚した場合、早急に対策を講じることが重要です。具体的な対策の一例として3つのパターンをご紹介します。
・補習や追加授業を受ける
不足している単位を補うため、学校で行われる補習授業や放課後の特別授業に参加する。単位認定のための課題提出を完了させることも重要です。
・通信制高校への編入を検討する
今の学校で必要な単位を取得するのが難しい場合、通信制高校への編入も一つの選択肢です。通信制高校は柔軟な学習スケジュールが組めるため、不登校の状況でも卒業を目指しやすい利点があります。
・オンライン授業を活用する
オンライン授業で必要な単位取得を補完できる場合もあるため、担当教師と相談して確認しましょう。
単位取得には、規定の出席日数が求められる場合も多いため、単なる「数字」と捉えず、計画的に出席を管理することが重要です。
高校の授業に出席しないと単位が認められない場合があるため、遅刻・欠席の記録にも注意を払う必要があります。
大学の中には出願要件に遅刻・欠席数を記載しているところもある
総合型選抜(旧AO入試)では出願要件に遅刻や欠席数が明記されていることがあります。これは大学が学生の学業に対する姿勢や責任感を評価する重要な指標としているためです。
以上の点を前提に遅刻・欠席が多い事のリスクや出願前に確認すべき点について貝絵s津島素。
遅刻・欠席が多い場合のリスク
遅刻や欠席が多いと、学業に対する責任感が疑問視される可能性があります。
現に大学によっては遅刻・欠席数が一定の基準を超えると出願自体を受理しないこともあるくらいです。このような場合、出席状況が基準を満たしていないと選考に進むことができないため、事前の確認が必須です。
出願前に確認するべきポイント
出願前に確認しておきたいポイントについてまとめてみましたので、ご覧下さい。
出願前に確認したいポイント | 詳細 |
---|---|
大学の入試要項や募集要項を確認 | 各大学の公式サイトや募集要項には、出願条件が詳細に記載されています。 遅刻・欠席に関する基準も明記されていることがあるので、事前に必ずチェックしましょう。 |
自分の出席状況を把握する | 学校の担任や進路指導担当にこれまでの遅刻・欠席日数を確認してもらいましょう。 あなた自身の状況が基準に達しているかどうかを正確に把握することが大切です。 |
基準を超える場合の対応策 | 出願条件の遅刻・欠席数を超えている場合、他の大学や学部の選択肢を検討する必要があります。 書類選考の比重が低く、面接や小論文重視の大学を選ぶと有利です。 |
欠席日数が多いほど減点になる
総合型選抜(旧AO入試)では、出席日数が選考基準の一部として評価されることが多く、欠席日数が多いと選考において不利になる可能性があります。
欠席日数を増やさない事が大事
大前提として欠席日数が多い場合、学業への取り組み姿勢や責任感が欠けていると見なされることがあります。
欠席日数の多さは書類選考の減点要素となり、不合格の直接的な理由にはならないものの、書類落ちの可能性が高まってしまいます。
そのため、欠席日数を最小限に抑える事が欠かせません。欠席日数を最小限に抑えるためにもできるだけ学校に通い、無遅刻・無欠席を目指す努力が重要になります。
また、体調不良などでやむを得ず欠席する場合も、授業のフォローアップや課題提出を欠かさず行いましょう。
欠席日数が多い時の対策のポイント
欠席日数が多い場合の対策としては欠席理由を明確に説明すると共に欠席数の多さのマイナスポイントを補う心がけが重要になります。
大前提として欠席日数が多い場合、その理由を正直かつ前向きに説明することが大切です。
面接や志望理由書では、その経験から得た学びや改善の取り組みを伝えることも重要です。その他に意識をしておきたいポイントは以下の通りです。
- 課外活動でマイナス要素を補う
- 自己推薦書で前向きな姿勢を示す
今取り上げたように欠席の多さの理由や改善のための工夫や欠席数のマイナス点を補っている事を出願書類や面接で伝える事が重要になります。
不登校だと評定も悪くなる可能性が高い
不登校で出席日数が少ない場合、以下の理由から評定が悪くなるリスクが高まります。
- 授業への参加不足により、授業内容の理解が不十分になり、定期テストで高得点を取るのが難しくなります。
- 課題の未提出が続くと、学期ごとの評定に悪影響を及ぼします。
- 学校生活全般に取り組む姿勢が不足していると見なされ、内申点に響く可能性があります。
そのため、不登校で出席日数が多い場合は評定を改善するための対策が求められます。
評定を改善するための対策
評定を改善するために行っておきたい対策の一例は以下の通りです。
出願前に確認したいポイント | 詳細 |
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大学の入試要項や募集要項を確認 | 各大学の公式サイトや募集要項には、出願条件が詳細に記載されています。 遅刻・欠席に関する基準も明記されていることがあるので、事前に必ずチェックしましょう。 |
自分の出席状況を把握する | 学校の担任や進路指導担当にこれまでの遅刻・欠席日数を確認してもらいましょう。 自分の状況が基準に達しているかどうかを正確に把握することが大切です。 |
基準を超える場合の対応策 | 出願条件の遅刻・欠席数を超えている場合、他の大学や学部の選択肢を検討する必要があります。 書類選考の比重が低く、面接や小論文重視の大学を選ぶと有利です。 |
面接で不登校の理由を聞かれる場合もある
不登校の人が総合型選抜(旧AO入試)を受験する際、面接で不登校になった理由を尋ねられることがあります。
大学が不登校の理由を尋ねる理由
参考までに大学側が面接で不登校になった理由を確認する主な目的をまとめてみました。
主な目的 | 目的の詳細 |
---|---|
受験生の状況を理解する | 学生生活における困難や挑戦をどのように捉え、乗り越えてきたのかを知ることで、受験生の精神的な成長や対応力を見極めます。 |
入学後の適応力を評価する | 大学生活では、積極的に学び、さまざまな環境に適応する力が求められます。不登校の経験から、適応力や自己管理能力が身についているかを確認するためです。 |
面接で不登校の理由を答える際のポイント
次に面接で不登校の理由を答える際のポイントをまとめてみましたので、ご覧ください。
不登校の理由を答える際のポイント | 各ポイントの詳細 |
---|---|
正直で前向きな姿勢を示す | 不登校の理由を話す際には、隠さず正直に答えましょう。 ただし、ネガティブな理由だけでなく、困難をどう乗り越えたかや改善に向けた努力を強調することが重要です。 |
自己反省と成長の過程を示す | なぜ不登校になったのかを客観的に説明し、その経験から学んだことを具体的に話すと良いです。 |
今後の意欲と目標をアピールする | 面接官に対して、大学での学びに対する強い意欲や将来の目標を語りましょう。 「不登校を経たからこそ得られた経験」を自分の強みに転換して伝えることで、面接官に好印象を与えられます。 |
取得単位が足りず総合型選抜(旧AO入試)を受けられない場合の対処法
不登校などで取得単位数が足りないと総合型選抜(旧AO入試)を受けられないのではないかと不安を抱える受験生も多いでしょう。そこでここからは、取得単位数の不足を補うための具体的な対処法を紹介します。
通信制高校に編入する
現在の高校で必要な単位を取得することが難しい場合、通信制高校への編入が選択肢の一つです。
通信制高校を卒業すれば、全日制や定時制と同じように大学受験の資格を得ることができます。
文部科学省の調査によると、令和元年度に通信制課程を卒業した人のうち、17.6%が大学等に進学したという結果が出ています。これは、通信制でも十分に高等教育への道が開けていることを示しています。
参考:高等学校通信教育の現状について(文部科学省初等中等教育局)
一般選抜も視野に入れる
総合型選抜(旧AO入試)の出願要件を満たせない場合や、不合格となった場合に備えて、一般選抜も選択肢に入れておくことが重要です。
一般選抜は学力試験が中心となるため、出席日数が少なくても選考に影響を与えません。
一般選抜のメリット
一般選抜を利用する際の代表的な3つのメリットは以下の通りです。
- 欠席日数に関係なく、試験の得点が重視される。
- 全国の大学で実施されているため、受験できる大学の選択肢が広い。
- 学力が評価されるため、勉強に集中して対策を立てやすい。
リスクヘッジとしての一般選抜
総合型選抜にチャレンジする際の保険として、一般選抜を視野に入れることでリスクを軽減できます。
総合型選抜では評価されなかったとしても、一般選抜で合格の可能性を広げることが可能です。
ただし、一般選抜は学力試験が主な評価基準となるため日々の勉強の積み重ねが重要です。総合型選抜と並行して、一般選抜に向けた勉強計画を立てておくと良いでしょう。
よくある疑問とその疑問に対する回答
不登校の受験生にとって、総合型選抜(旧AO入試)を目指す際の疑問を事前に解消することは非常に重要です。ここでは、よくある疑問とその解決策を紹介します。
欠席日数が多いと思われる目安はどれくらい?
欠席日数の基準は大学ごとに異なるため、一概に「〇日以上が多い」とは断言できません。しかし、高校3年生の夏休みの時点で25日以上の欠席があると多いと見なされる可能性が高いです。
欠席日数が多いと判断される理由
日本の高校では年間190日〜210日程度の授業日数があり、年間で10日以上休むと、全体の5%以上を欠席したことになります。具体的な例として、
- 高校1・2年生でそれぞれ10日ずつ欠席
- 高校3年生の前半でさらに5日欠席
このような場合、欠席日数は合計で25日となります。したがって、高校3年生の夏休みの段階で25日を超える欠席があると、大学側にとって「多い」と見なされる可能性が高くなります。
欠席日数の多さが原因で落ちることはある?
総合型選抜(旧AO入試)では、欠席日数の多さだけが不合格の決定的な原因になることは基本的にはありません。
したがって、欠席日数が多くても他の要素でカバーすることで、合格の可能性を高めることは十分に可能です。
欠席日数は大学側が学業への姿勢や責任感を判断する一つの指標として評価されるため、多いと不利に働くことはあります。特に、書類審査や面接において、欠席の理由を適切に説明できない場合は、マイナス評価を受ける可能性が高まります。
しかし、欠席日数が多い場合でも、他の評価項目でカバーすることができます。小論文、面接、課外活動の実績など他の部分でプラス評価を得られるように準備しましょう。
病欠も不登校と同じように減点要素になる?
病気が理由での欠席は、不登校と比較して減点要素が少なくなることが多いです。
調査書の備考欄に病欠の理由が記載されるため、大学側が事情を把握しやすく、評価において考慮されるケースが多くあります。
病欠の場合の対応ポイント
参考までに病欠が多い場合の対応のポイントを2つご紹介します。
1:担任の先生に早めに相談する
欠席が病気によるものである場合、必ず担任の先生に詳細を伝え、調査書の備考欄にその内容を記載してもらいましょう。
これにより、大学側が欠席の理由を理解し、選考において柔軟な対応をする可能性が高まります。
2:必要に応じて医療証明書を用意する
大学によっては、長期の病欠がある場合に証明書の提出を求めることがあります。事前に学校や大学の出願要件を確認し、医療機関から証明書を取得しておくと安心です。
不登校の人には総合型選抜・学校推薦入試・一般選抜のどれがおすすめ?
不登校経験がある場合、どの入試形式が適しているかは学力や状況に応じて異なります。
以下にてそれぞれの入試の特徴とおすすめの人の特徴について解説します。
学力に自信がある場合は一般選抜がおすすめ
参考までに一般選抜の特徴とおすすめの人の特徴をまとめてみましたので、ご覧ください。
一般選抜はこんな人におすすめ
学力に自信がある
欠席日数が多く、書類選考が不利になりそう
テスト本番で実力を発揮できる
学力に自信がない場合は総合型選抜がおすすめ
次に総合型選抜の特徴と総合型選抜がおすすめの人のタイプをまとめてみました。
総合型選抜の特徴
学力以外の面が評価される:小論文や面接、活動実績など、幅広い視点から評価されるため、学力だけでは測れない個性や意欲をアピールできます。
欠席日数のマイナスを補いやすい:活動実績や将来への展望を伝えることで、出席日数の不足を補うことが可能です。
柔軟な選考基準:多様なバックグラウンドを持つ学生を受け入れるため、不登校の背景に理解がある大学も多いです。
総合型選抜(旧AO入試)はこんな人におすすめ
学力に自信がないが、活動実績や自己PRで勝負したい
小論文や面接の対策に力を入れられる
自分の将来への展望や目標が明確
学校推薦型選抜
次に学校推薦型選抜の特徴とおすすめの人の特徴についてご紹介します。
学校推薦型選抜の特徴
出席日数が重要視される:学校推薦型選抜は、調査書や学内推薦が重要となるため、不登校や遅刻が多い場合は不利になる可能性があります。
学校からの推薦が必要:推薦を得るためには一定の出席日数や成績が求められる
学校推薦型選抜はこんな人におすすめ
不登校期間が短く、推薦条件を満たしている
学校での成績が良く、推薦が受けられる状況にある
今回の内容のまとめ
この記事では、不登校の人が総合型選抜(旧AO入試)で合格するための秘訣や注意点について詳しく解説しました。最後に、特に重要なポイントをまとめてみましたので、ご覧ください。
- 不登校でも卒業見込みであれば総合型選抜を受験可能
- 欠席日数はマイナス評価となるため、小論文や面接で高得点を狙うことが重要
- 留学やボランティアなどの活動実績を作ることで、欠席日数のマイナス要素を補える
- 取得単位数が足りない場合は、通信制高校への編入や一般選抜への切り替えも検討する必要がある
- 学力に自信がある場合、欠席日数が評価に影響しない一般選抜も有効な選択肢
不登校という経験を自分自身の成長の糧として捉え、その経験をうまくアピールすることで将来につながる合格をつかみましょう。最後に合格に繋がる効果的な自己アピール方法を学べるページをご紹介します。
参考記事:合格に繋がる自己アピールのポイントの解説ページ
この記事を書いた人
竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。
一般選抜の特徴
欠席日数が選考に影響しない:一般選抜は、筆記試験の結果が合否を左右するため、欠席日数や遅刻の多さが評価に関与しません。
高得点を取れば合格が狙える:試験当日の結果次第で合否が決まるため、極端な話、日常的な出席状況に関係なく学力次第で勝負ができます。
リスクヘッジとしても有効:学力がある場合、不登校であっても一般選抜で合格する可能性が高いため、第一選択肢としておすすめです。