作成日: 2024/10/28 更新日:2024/10/28
総合型選抜(旧AO入試)・公募推薦は英検無しでも合格できる?英検利用のメリットや英検無しでも不利になりにくいケースを紹介
総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦を使っての受験を考え始めた方の中には、「英検って取った方がいいの?」、「英語に関係ない学部でも必要?」といった疑問を抱いている人が一定数います。
そこで今回は、総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦における英検の扱われ方や必要性について解説していきます。
英検を必ず取得した方がいいケースから持っていなくても不利になりにくいケースについても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人
年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
- 1 総合型選抜(旧AO入試)・公募推薦は英検を持っている方が有利!
- 2 英検無しでも総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦で大きな不利になりにくい人の特徴
- 3 取得すべき級の目安は?
- 4 実用英語検定以外で役に立つ代表的な英語資格
- 5 総合型選抜(旧AO入試)・公募推薦における英検のメリット
- 6 総合型選抜(旧AO入試)・公募推薦で英検が必要な主要難関大
- 7 よくある疑問一覧とその回答内容
- 7-1 英検準1級がないと受けられない総合型選抜や公募推薦はありますか?
- 7-2 英検はいつまでに取得すればいい?
- 7-3 英検を持っていない人がこれから挑戦するのにおすすめの級は何級?
- 7-4 志望校は英検取得が必須ではありませんが、取得した方が良いですか?
- 7-5 英検は級だけではなく、CSEスコアにもこだわるべき?
- 7-6 英検無しでも総合型選抜で合格は出来るの?
- 7-7 志望校が出願条件に課す英検の級はあるけど、英検の勉強を続ける意味ってある?
- 8 このページのまとめ
総合型選抜(旧AO入試)・公募推薦は英検を持っている方が有利!
総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦において、大学側が求める英語力の水準以上の級を持っている場合は合否判定において大きなアドバンテージになるためです。
英検取得のメリットをご理解頂くために、総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦を使っての大学進学をお考えの受験生が英検を取得する事が大きなアドバンテージになる主な3つの理由をまとめました。
- 英検スコアがないと出願できない大学があるから
- 英検の取得級によって優遇を受けられる大学があるから
- 英語力のアピールに最適な資格だから
それぞれの詳細については1つずつ取り上げていきます。
理由①:英検スコアがないと出願できない大学があるから
総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦では、英検スコアがないと出願できない大学や英検スコアが一定以上ではないと出願できない大学がいくつか存在します。
これは、出願条件として英検をはじめとする英語資格・検定試験の取得を求めているためで、一部の難関大学や国際関係の学部でよくみられます。
具体的には上智大学や立教大学といったキリスト教系の大学は英語力を重視していることが多く、この2大学はほぼすべての学部学科で英検スコアがないと出願できません。
参考までの話になりますが、総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦を実施している大学の中には出願時に英検スコアを必要としない学部・学科は少なくありません。
しかし、英検を取得していないと英検が無くても出願できる大学にしか出願できなくなります。
したがって、総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦で出願する大学・学部・学科の選択肢を増やすためにも英検の取得は重要なのです。
理由②:英検の取得級によって優遇を受けられる大学があるから
英検の級による優遇制度を設けている大学は数多く存在します。
これらの大学では、英検2級以上や高いCSEスコアを持つ受験生に対して、試験の得点換算や加点、一部試験免除といった優遇措置が行われます。
試験の得点加算や一部試験免除の一例として、英検による優遇措置を設けている大学・学部・入試方法をいくつか挙げてみましたので、ご覧下さい。
優遇措置 | 大学・学部・入試方法 | 詳細 |
---|---|---|
得点換算 | 「外部試験利用制度」で英検やTOEIC、GTECなど7つの英語資格・検定試験のスコアを「外国語」の得点にみなして換算する。 例:英検準1級→100点、英検2級かつCSEスコア2150以上→85点 | |
加点 | 外国語や情報系の資格と英語資格・検定試験のスコアで最大50点の加点を受けられる。 例:英検1級→50点、英検準1級→25点、英検2級→10点 | |
一部試験免除 | 大学指定の英語資格・検定試験でCEFR B2(英検準1級)レベル以上のスコアを持っていれば、第一次審査の筆記審査(英語題材論述方式)が免除になる。 |
参照:近畿大学公募推薦併願制度、兵庫県立大学 2024年度学校推薦型選抜学生募集要項、関西学院大学 2024年度グローバル入学試験要項
こうした優遇措置により、英検の高得点者は他の受験生に比べて一歩リードした状態で入試に挑むことが可能となります。
わずかな差で合否が分かれる大学受験において、英検を取得するだけでこうした優遇が受けられるのは大きなメリットです。
理由③:英語力のアピールに最適な資格だから
総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦では、自己PRの一環として英語力をアピールすることが有効になるケースがあります。
というのも、大前提の話として志望理由書などの出願書類には大学で取り組みたいことや大学卒業後に実現したいキャリアを書くケースが多いためです。
大学卒業後のキャリアに英語力が求められる際には特に英検は重要
あなたが大学卒業後に目指すキャリアにおいて英語力が求められる場合、あなたの現在の英語力をアピールする必要があります。
そして英語力のアピールの際に最適なのが、英検をはじめとする英語の資格・検定です。
英検の級やスコアを提示することで、自身の英語力を具体的かつ客観的に示すことができるためです。
特にあなたが国際系の学部を目指していたり、将来海外で働くことを目標としていたりするなら、高校時代に英検準1級や1級を取得しておき、目標に対する熱意と実力をアピールする事は合格に近づきます。
参考までの話になりますが、総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦で国際系や理系の学部・学科を目指す学生は、必ずと言っていいほど英検などの英語資格を取得してきます。
そのため、そうした受験生の中で英語資格を持っていないとかなり不利になってしまう点は覚えておきましょう。
英検無しでも総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦で大きな不利になりにくい人の特徴
英検は総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦において重要な資格の一つですが、受験生の中には英検がないことが合否判定において大きな不利になりにくい人もいます。
具体的なケースをご理解いただくために、英検無しでも総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦で不利になりにくい人の特徴を3つまとめてみました。
- 英語があまり必要でない学部学科を志望している
- 英検以外にアピールできる学業実績や活動実績がある
- 志望校・受験する入試方法が定まっていて英検が不要
上記で取り上げた3つの詳細をご紹介する前に、大前提として注意していただきたい点があります。
実はどの入試であっても英検の有無は調査書で必ずチェックされるため、合格ギリギリのラインに英検スコアを持っている人と持っていない人がいた場合、英検スコアを持っている人が合格となることがあり得る点です。
そのため、英検がないことが不利になりにくいケースであっても英検の有無が合否の当落線上の最後の決め手になる事がある、という事を予め念頭において下さい。
それでは3つの詳細についてご紹介します。
英語があまり必要でない学部学科を志望している
文学部の日本文学科、日本史学科など日本国内で学問研究を行う学部学科を志望している場合、英語力があまり重視されないため英検がなくても不利になりにくいです。
こうした学部・学科の総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦を受験する場合、志望学科に関連する科目の成績を伸ばしたり、探究活動や課外活動に取り組んだりした方がいいでしょう。
参考までに難関大学ではない大学の文学部の日本語学科や日本史学科は出願時の条件に英検スコアを課していないケースが多いです。
そのため、他の多くの受験生も英検を取得していない中で出願していると考えられるため、あなたが英検を持っていない事が著しく合否判定に不利になるとはあまり考えられません。
英検以外にアピールできる学業実績や活動実績がある
英検が必ずしも出願に必要でない大学・学部・学科を受ける場合、アピールできるだけの学業実績や活動実績があれば英検がなくても十分に勝負できます。
例えば数学オリンピックでの優秀な成績や探究活動のコンテストでの入賞実績は優れた学業実績として評価されます。
他にもスポーツでの全国大会出場、地域貢献活動やボランティア活動、クラブ活動でのリーダーシップ、文化祭での企画運営経験といった、学校生活を通じて培った能力や経験も、自己PRの材料となります。
これらの実績は、学生一人ひとりの個性や能力を具体的に示すものです。
総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦では、課外活動などの実績をアピールするできれば志望校に魅力的な受験生と判断される可能性が高まります。
そのため、志望する大学・学部・学科にアピールできる学業実績や活動実績があれば英検がないことのデメリットを十分に補填できる可能性があります。
参考記事:慈善活動は総合型選抜で評価される実績なのか
志望校・受験する入試方法が定まっていて英検が不要
受験する大学・学部・学科・入試方法が既に決まっていて英検が不要な場合は、無理して英検取得をするメリットはそこまで大きくはありません。
なぜなら、英検が不要である以上、合否判定における英検取得のウェイトはそこまで高くないと思われるためです。
そのため、英検以外の合否判定項目である、出願書類の作成や面接の対策、小論文の対策といった志望校が一次選抜と二次選抜で課す選抜内容の対策に時間をかける方が重要になります。
改めての話になりますが、英検の取得も大切ですが、英検の取得に時間をかけすぎて、上記の対策を疎かにすることは本末転倒です。
そのため、受験する大学・学部・学科・入試方法が既に決まっていて英検が不要な場合は、英検の取得をしていなくても英検以外の合否判定の評価項目の対策に力を入れておきたいところです。
取得すべき級の目安は?
総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦では、2級以上の英検の取得が推奨されます。
なぜなら、英検2級以上のスコアがあると、出願可能な大学・学部学科が増えるだけでなく、合否判定での加点要素になるからです。
加えて英検のスコアは高い方が英語力が高いと評価されるので、できるだけ高いスコアを取得するのが望ましいです。
特にMARCHレベルの難関大学や国際系の学部・学科を目指している方は、英検準1級や、英検2級の中でも高いCSEスコアを取れるように頑張りましょう。
ちなみに中央大学の法・経済・商学部が実施している英語運用能力特別入学試験など、英検準1級相当以上の英語力がある人だけが出願できる総合型選抜を実施しています。
こうした試験は出願のハードルが高い分、低倍率なことが多く、英語力が高い受験生にとてもおすすめです。
実用英語検定以外で役に立つ代表的な英語資格
英語能力を証明する資格としては英検が一般的ですが、総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦ではそれ以外にも複数の英語資格のスコアを活用できます。
ここでは、総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦でよく指定される英検以外の英語資格・検定試験を6つ取り上げました。
英語資格・検定試験の名称 | 特徴 |
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どの英語資格・検定試験を指定するかは大学・学部・学科によって異なります。そのため、利用可能な英語資格や検定試験については、志望校の最新の募集要項を通して必ず確認しましょう。
総合型選抜(旧AO入試)・公募推薦における英検のメリット
続いて、総合型選抜(旧AO入試)・公募推薦を受験する人が英検を取得するメリットについて解説していきます。
2級以上を持っていると受験可能な大学・学部学科が増える
英検2級以上の資格を持っていると、受験可能な大学・学部学科の選択肢が広がります。なぜなら、受験生が2級以上の英検を持っていると大学側に評価されやすく、合否判定でも有利になるためです。
例えば、国際教養学部や外国語学部などの学科では、英語の高度なスキルが求められるため、英検2級以上の保持が出願条件となっている場合があります。
レベルで言うと、日東駒専なら英検2級以上、GMARCHランクの大学であれば英検準1級以上ないと出願できない総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦は一定数あります。
例えば、上智大学の公募推薦の場合、ほとんど全学部で英検2級以上の取得が求められます。しかも、文学部の英文学科や法学部の国際関係法学科の場合、準1級が求められます。
そのため、有名大学や難関大学に総合型選抜(旧AO入試)か公募推薦で合格したいと思っているのでしたら、可能性を上げるためにも英検取得は必須と言えます。
2級以上の英検があると合否判定での加点要素になりえる
総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦では、英検2級以上の資格を持っているだけでも加点要素となります。
これは、英検2級以上を持っていると高校卒業レベル以上の英語力があることの証明になるからです。
受験生が2級以上の英検を持っていると大学側に評価されやすく、合否判定でも有利になります。
しかも実際に英検による加点があったり書類審査の際に考慮したりすることを公表している大学は数多くあるので、英検2級以上はどの大学を受験する場合でも持っていて損はありません。
ただし、早稲田や慶應のような難関私大や難関国立大学を受ける際には多くの受験生が英検2級は持っているために、合否判定で評価されるためには最低でも準1級は取得しておきたいところです。
他の受験生に見劣りするポイントを無くせる
英検を取得するメリットの1つに他の受験生に見劣りするポイントを無くせる事があります。
大前提として、英検の取得の有無や英検の保有級や保有スコアは、調査書の確認の段階で見られる以上、持っていないことは他の受験生に明確に見劣りするポイントになります。
逆を言えば、英検を持っていない状況から英検を取得すれば、英検を持っていない、というマイナス面を無くすことができます。
特に周りの大半の受験生が2級以上の英検を取得した上で受験する準難関大学以上のランクを志望する場合、2級以上の英検を取得するだけで明確に見劣りするポイントを無くせます。
以上のように英検の取得に取り組むことは、他の総合型選抜の受験生と比較すると見劣りするポイントを無くすことができます。
総合型選抜(旧AO入試)・公募推薦で英検が必要な主要難関大
ここでは、2025年度入学者向けの総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦に出願する際に英検が必要な首都圏の難関私立大学をまとめました。
英検が利用できる有名大学・難関大学をお探しの場合は、ぜひご活用ください。
大学名 | 入試方式 | 実施学部 | 出願時に課される |
早稲田大学 | 全国自己推薦入試 | 社会科学部 | CSEスコア1,950以上 |
FACT選抜 | 人間科学部 | なし | |
上智大学 | 全学部(神学部を除く) | 2級〜準1級以上 | |
明治大学 | 国際日本学部 | 準1級以上 | |
政治経済学部 | 準1級以上 | ||
青山学院大学 | 自己推薦 | 準1級以上 | |
立教大学 | 自由選抜入試 | 全学部(文学部ドイツ・フランス文学専修を除く) | 学部学科により異なる |
中央大学 | 商学部 | 準1級以上 | |
自己推薦入試 | 文学部(【外国語型】) | 準1級以上 | |
法政大学 | 英語外部試験利用自己推薦 |
| 準1級以上 |
経営学部 経営戦略学科 | 準1級以上 | ||
分野優秀者入試 | 国際文化学部 国際文化学科 | 準1級以上 | |
自己推薦入試 | GIS【春入学A基準】(グローバル教養学部) | なし | |
自己推薦入試 | 理工学部 機械工学科 航空操縦学専修 | 準2級以上 | |
学習院大学 | 学校推薦型選抜(公募制) | (法)準1級以上合格かつCSEスコア2,304以上 (経済・国際社会)2級以上合格かつCSEスコア1,980以上 | |
国際社会学部 | 準1級以上合格かつCSEスコア2,304以上 | ||
国際基督教大学 | 教養学部 | なし |
以上のように出願時に英検の条件を課す大学の中でも、出願時に求める英検の級やCSEスコアには大きな差があります。そのため、あなたが志望する大学・学部・学科で出願時に英検が求められる際には、出願条件に課される級やスコアについてもチェックしましょう。
また、出願時に課された級やスコアを満たせばよいという考えではなく、満たすことは前提にしたうえでより高い級やスコアを取得する事も高い評価を得るためには欠かせません。
よくある疑問一覧とその回答内容
最後に、総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦で英検を利用する事を考えている受験生からよく寄せられる疑問に回答していきます。
英検準1級がないと受けられない総合型選抜や公募推薦はありますか?
英検準1級以上の英語資格を持っている人のみ受験できる総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦は、MARCH以上の大学が多く実施しています。
一例として、2025年度入学者向けのMARCHと関関同立の総合型選抜(旧AO入試)並びに公募推薦を対象に、英検準1級以上を持っていると出願資格を満たせる試験をまとめてみました。
大学名 | 入試方法 | 実施学部・学科・専攻 |
明治大学 | 国際日本学部 | |
政治経済学部 | ||
青山学院大学 | 自己推薦 | |
立教大学 | 自由選抜 |
|
中央大学 | 商学部 | |
法政大学 | 英語外部試験利用自己推薦 |
|
経営学部 経営戦略学科 | ||
分野優秀者入試 | 国際文化学部 国際文化学科 | |
関西大学 | AO入試 |
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同志社大学 | 自己推薦入学試験 |
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立命館大学 | AO選抜入学試験 | 国際関係学部 グローバル・スタディーズ専攻総合評価方式 |
これらの入試方式は英検準1級相当以上の英語資格がある受験生しか出願できないため、倍率も低めなケースが多いです。
そのため、英語力に自信がある方やすでに英検準1級レベルの資格を持っている方は狙い目の入試と言えます。
英検はいつまでに取得すればいい?
英検取得のタイミングについては、大学の入試スケジュールにより異なります。
遅くとも高校3年生の夏ごろまでには取得が必要
出願期間前に取得しておく必要があるので、受験チャンスは一番遅くとも高校3年の夏ごろまででしょう。
高校3年の6月ごろまでに英検2級以上を取得できると、英検スコアが必要な大学など、出願できる大学・入試方式の選択肢が広がります。
そのため、遅くとも高校3年の6月ごろには目標の級やスコアを取得しておくのがベストです。
参考記事:目安となる総合型選抜の受験スケジュールの特集ページ
会場試験型の従来型に加えてS-CBT型のスコアも提出可能
英検は、会場試験の従来型とコンピュータ試験のS-CBT型の2種類があり、従来型は年3回、S-CBT型は毎週土日に実施されています。
S-CBT型は「各検定期間(4月~7月)、(8月~11月)、(12月~3月)に同じ級を2回まで受験可能」なため、1つの検定期間で最大3回同じ級を受験するチャンスがあります。
参考:英検 S-CBT
S-CBT型は毎週実施の受験しやすい試験ですが、同じ級に関しては各検定期間ごとに最大2回まで、という受験回数の制限があるのでご注意ください。
英検を持っていない人がこれから挑戦するのにおすすめの級は何級?
現時点で英検を受けたことないようでしたら、準2級または2級から始める事をおすすめします。
大前提として英検準2級は高校中級程度の英語力が問われる試験であり、英検2級であれば高校卒業程度の英語力が問われます。
一方で英検3級は中学卒業レベルなのでやや簡単すぎます。
そのため、準2級または2級の取得を目指して英検の勉強を始め、合格をした後に徐々に狙う級を上げたり、英検スコアを徐々に上げるようにしていきましょう。
志望校は英検取得が必須ではありませんが、取得した方が良いですか?
志望校の総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦で英検取得が必須ではなくても、できれば英検は取得しておきましょう。
なぜなら、出願書類に調査書が含まれている場合、英検をはじめとする資格の有無は必ずチェックされるからです。
他の受験生は皆英検を持っているのにあなただけ持っていないとなれば、当然その差が選考に響いてきます。
特に、英語を必要とする学部や学科への出願、または総合型選抜や公募推薦での出願を考えている場合、英検の取得は大きな武器となり得ます。
英検は英語力の客観的な証明となるため、アピール材料として有用です。
総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦で勝負するなら、英検はどの大学を受験するにしろ持っていた方がいいでしょう。
英検は級だけではなく、CSEスコアにもこだわるべき?
英検の級はもちろん重要ですが、CSEスコアにもこだわってなるべく高いスコアを目指しましょう。
これは、大学によっては出願条件として級ではなく、CSEスコアの基準を定めている場合もあるためです。
例えば、立教大学の自由選抜入試では、ほとんどの学部学科で英検の級ではなくCSEスコアの基準が設定されています。
CSEスコアは英語力の国際標準規格であるCEFRにも対応しており、多くの大学で基準値として採用されています。
同じ英検2級でもCSEスコアを見ればより細かい能力がわかるので、英語力のアピール材料として英検を用いる場合はCSEスコアにとことんこだわりましょう。
英検無しでも総合型選抜で合格は出来るの?
英検を持っていなくても、総合型選抜(旧AO入試)で合格することは可能です。
専門性の高い学部学科など、英検を持っていない人が多く受験する大学や学部・学科であれば、英検の有無は特に問題ではないでしょう。
しかし、有名大学や難関大学の総合型選抜(旧AO入試)にチャレンジするなら、2級以上の英検は持っていないと不利になる可能性が高いです。
これは、有名大学や難関大学の受験生は英検2級以上を持っている人が多く、持っていないことで書類審査などが不利になると考えられるからです。
他の受験生が持っていないような資格や活動実績があれば別ですが、明らかなアピールポイントがない場合は英検がないと厳しい、という実態があります。
志望校が出願条件に課す英検の級はあるけど、英検の勉強を続ける意味ってある?
志望校の出願条件である英検の級を既に取得している場合でも、より高い級・スコアを求めて英検の勉強を続けましょう。
なぜなら、出願条件の基準値は出願の際に必要な最低ラインであり、他の受験生よりもさらに一歩リードするにはさらに高い級・スコアを持っておく必要があるからです。
特に英語力が求められる大学・学部学科に出願する場合、出願条件ギリギリの成績ではまず合格は厳しいでしょう。
出願条件が英検2級なら、CSEスコアを2,000〜2,200まで伸ばしたり、準1級にチャレンジしたりして、他の受験生と差をつけられるように頑張りましょう。
出願条件よりも高い級・スコアを提示できれば、それも大きなアピールポイントになります。
このページのまとめ
今回は、総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦における英検の必要性や英検を持っていることのメリット、英検のスコアが出願条件となっている有名大学などについて解説してきました。
最後に、このページでお伝えした重要なポイントをまとめます。
- 総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦では、英検スコアがないと出願ができない大学があります。
- 英検の級による優遇制度を設けている大学は数多く存在します。
- 総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦で必ず英検が必要というわけではありませんが、有名大学や難関大学に合格したいなら英検2級〜準1級は持っておくべきです。
- 英検以外にもさまざまな英語資格・検定試験があるので、まだ英語の資格を持っていない場合は自分の目的に一番合うものを選んでスコアを伸ばしていきましょう。
- 遅くとも高校3年の6月ごろには目標の級やスコアを取得しておくのがベストです。
このページでお伝えした内容を参考にして総合型選抜や公募推薦を有利に進められることを願っています。
この記事を書いた人
竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。