作成日: 2024/8/05 更新日:2024/8/06
総合型選抜と指定校推薦は両方同時に出願が可能?両試験の違いや同時対策のコツと共に解説
- 「総合型選抜と指定校推薦は両方同時に出願できるの?」
- 「両者の違いを教えて」
- 「総合型選抜と指定校推薦の対策を同時に進めるときにやるべきことは何?」
指定校推薦と総合型選抜の両方の対策を同時に進めたいと考える人は多いです。
もっと詳しくいうと、まずは指定校推薦での校内選考の突破を考え、それができなければ総合型選抜に臨むと考えている人が多くなっています。
そこで、この記事では総合型選抜と指定校推薦という2つの受験形式の関連性において、以下のことを中心に解説します。
- 両方の受験形式を同時に出願することができない理由
- 両方の受験形式の対策を同時に進める際の注意点
- 両方の利用を考えている人が取り組むべき対策
また、総合型選抜と指定校推薦の両方を考えている人からいただくことの多い質問とその回答も紹介していますので、是非最後までお読みください。
この記事を書いた人
年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
- 1 総合型選抜と指定校推薦の両方に同時には出願できない
- 2 両方の試験の対策を同時に進める際の注意点
- 2-1 指定校推薦で校内選考に臨む大学・学部・学科選びは慎重に!
- 2-2 指定校推薦の校内選考に落ちたら総合型選抜に出願する
- 2-3 あらかじめ総合型選抜に出願する大学・学部・学科を決めておく
- 2-4 わからないこと・不安なことは学校の担任や塾の先生に相談する
- 3 総合型選抜と指定校推薦の両方を考えている人が取り組むべき対策
- 3-1 評定平均をできるだけ上げる
- 3-2 部活・課外活動などに取り組む
- 3-3 評価されやすい活動の一例
- 3-4 志望大学・学部・学科に有効な自己アピール材料を準備する
- 3-5 早めの面接対策
- 3-6 早めの小論文対策
- 3-7 あらかじめ定めたスケジュールに基づいた計画的な対策
- 4 両方の受験形式での受験を考えている人から良く頂く質問
- 4-1 指定校推薦と総合型選抜のどっちを受験するのがよい?
- 4-2 指定校推薦と総合型選抜で求められる評定平均に違いはある?
- 4-3 指定校推薦の校内選抜に落ちた後、総合型選抜と併願できる受験形式は?
- 4-4 学校推薦型選抜と指定校推薦の違いは?
- 5 ここまでの内容のまとめ
総合型選抜と指定校推薦の両方に同時には出願できない
総合型選抜と指定校推薦の両方に同時に出願することはできません。
なぜなら、指定校推薦は専願を前提としていると共に、出願したらほぼ確実に合格する入試だからです。
校内選考を突破する必要があると共に突破した場合は辞退が難しい
指定校推薦に出願するには校内選考を突破する必要があります。
そして、校内選考を突破した場合はほぼ合格が確定します。加えて一度校内選考を突破した場合は、辞退は許されないと考えたほうがいいです。
つまりその大学に入学しなくてはいけないということです。
言い換えれば、総合型選抜を含めた他の入試方式でどこか別の大学を受験することはできない、ということです。
そのため、指定校推薦の校内選考にエントリーする人は、志望大学・学部・学科の情報を集めて本当にその大学に入学したいのかを慎重に考える必要があります。
志望大学・学部・学科の特徴や自身の一般受験、総合型選抜の対策状況や適性をよく考えて、客観的な意見も参考にしながら指定校推薦の校内選考へのエントリーの是非を考えましょう。
両方の試験の対策を同時に進める際の注意点
指定校推薦と総合型選抜の両方を受験の選択肢として考えている人が心がけておくべき4つの注意点をまとめましたのでご覧下さい。
- 指定校推薦で校内選考に臨む大学・学部・学科選びは慎重に!
- 指定校推薦の校内選考に落ちたら総合型選抜に出願する
- あらかじめ総合型選抜に出願する大学・学部・学科を決めておく
- わからないこと・不安なことは学校の担任や塾の先生に相談する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
指定校推薦で校内選考に臨む大学・学部・学科選びは慎重に!
指定校推薦で校内選考にエントリーする大学・学部・学科選びは慎重に行うべきです。
なぜなら、先ほど紹介した通り、指定校推薦は校内選考に通過した場合はその大学に通うことがほぼ100%確定する入試だからです。
志望度の低い大学・学部・学科に指定校推薦で校内選考に通過してしまうと、本当に行きたい大学・学部・学科の入試に挑戦する機会を逃してしまいます。
指定校推薦の校内選考に落ちたら総合型選抜に出願する
まず指定校推薦の校内選考に臨み、それを通過できなかった場合に総合型選抜へ出願する、という順番が一般的です。
したがって、指定校推薦の校内選抜に落ちた段階で志望校合格を諦める必要はありません。
指定校推薦と総合型選抜は、どちらも試験当日の試験の点数以外の要素で評価される入試です。
そのため、指定校推薦の準備で培ったものを総合型選抜でも活かすことができます。
例えば評定平均や部活動などの活動、英検の取得、志望理由などです。
指定校推薦の校内選考に落ちる可能性を見越して、あらかじめ総合型選抜の対策を進めておくと指定校推薦でも人気の大学・学部・学科に挑戦することができやすくなるので非常におすすめです。
あらかじめ総合型選抜に出願する大学・学部・学科を決めておく
指定校推薦の校内選考の結果が判明する前に、あらかじめ総合型選抜に出願する大学・学部・学科を決めておきましょう。
指定校推薦の校内選考の結果は9月にわかるのが一般的です。
場合によっては、担任の先生が校内選考の結果をあらかじめほのめかしてくれることもありますが、それも8月後半以降であることが多いです。
その一方で、総合型選抜の出願期間は9月~10月です。
つまり、指定校推薦の校内選考に通過できなかった、あるいはできなさそう、という事実が判明してから準備を開始したのでは遅すぎる可能性が高いです。
そのため、あらかじめ総合型選抜を受験する大学・学部・学科を決めたうえで、夏休みはその準備に充てるようにしましょう。
「備えあれば患いなし」という言葉と似ていますが、指定校推薦を考えている人は、校内選考に落ちた後の行動をあらかじめ決めておくことが重要になります。
参考記事:総合型選抜の入試スケジュールを解説
わからないこと・不安なことは学校の担任や塾の先生に相談する
指定校推薦は校内選考の重要度が高いため学校が重要な情報を把握していることが多いです。
そのため、疑問や不安は担任など学校の信頼できる先生に相談することが重要です。
例えば、例年の指定校推薦の枠の状況やあなたの評定平均で志望校の校内選考に通過できる確率などは、あなたの学校の先生ではないと答えられない質問です。
総合型選抜と指定校推薦の両立に関する疑問や不安は相談する価値がある
指定校推薦と総合型選抜の両方を考える上での疑問や不安は学校の先生に加えて塾の先生に相談することが有効です。
受験対策に詳しい先生なら、各大学・学部・学科の入試傾向など最新の情報を把握しているため、生徒一人ひとりに合った併願戦略や効果的な対策を提案してくれるでしょう。
例えば、総合型選抜で評価される具体的な活動内容のうちあなたに合ったものを教えてもらえるかもしれません。それに、効果的な自己アピールの方法や志望理由書の書き方など、実践的なアドバイスも得られるでしょう。
先生に相談をする際には具体的な相談が肝
先生に相談をする際は、具体的な質問や悩みを事前に整理しておくとより有意義な助言を得られます。なぜなら、相談をされる先生にとっても、あなたが相談したいポイントや悩んでいるポイントが明確でかつ具体的な方がアドバイスをしやすいためです。
そのため、「漠然と不安なので相談に乗ってください」、という相談点が不明瞭な中で相談をするのではなく、「○○について気になる点があるので、教えてもらえませんか?」という形で意見や情報をもらいたい点を事前に明確にすることが重要です。
先生のアドバイスを盲目的に信じず最後はあなた自身で決める
質問項目や今の悩みを具体的にした上で相談をするを心掛ければ、役に立つアドバイスがもらえる可能性が上がるのは事実です。しかし、先生に相談をする際に心がけたい注意点があります。それは、先生のアドバイスを盲目的に正解だと信じない事です。
なぜなら、先生のアドバイスが的を得ていないことやあなたの状況にあまり即していないケースもあるためです。
そのため、先生からアドバイスをもらうことは適宜行いたいですが、アドバイス通りやるかどうかの最終的な決断はあなた自身で下すようにしましょう。
総合型選抜と指定校推薦の両方を考えている人が取り組むべき対策
指定校推薦と総合型選抜の両方を選択肢として考えている人であれば、絶対に取り組んでおきたい6つの対策についてご紹介します。まずは今回取り上げる6つの対策をまとめてみましたのでご覧ください。
- 評定平均をできるだけ上げる
- 部活・課外活動などに取り組む
- 志望大学・学部・学科に有効な自己アピール材料を準備する
- 早めの面接対策
- 早めの小論文対策
- あらかじめ定めたスケジュールに基づいた計画的な対策
それぞれの詳細について1つずつご紹介していきます。
評定平均をできるだけ上げる
評定平均を高くすることは指定校推薦と総合型選抜の両方において重要な対策です。
評定平均が低いと指定校推薦での合格は難しい
大前提として、多くの大学が指定校推薦に出願する条件として、評定平均が一定以上であることを設定しています。そのため、一定の評定平均がないと志望する大学・学部・学科の指定校推薦に出願ができないことがあります。
それに指定校推薦の校内選考においては、各候補者の評定平均は必ず見られますし、評定の高さだけで推薦対象者が決まる事もあります。そのため、して高推薦に臨むのであれば、評定平均を高めることは欠かせません。
評定平均は総合型選抜で合格を狙う際にも大切
総合型選抜でも、評定平均は出願条件に定められている事や基礎学力の有無を判断する材料として見られることが少なくありません。
というのも、評定平均を上げるには、日々の授業に真剣に取り組み予習復習を欠かさないことが欠かせません。それにテスト前だけでなく、普段から計画的に学習して定期テスト以外の小テストの点数や課題提出なども評定に影響します。
つまり、高い評定平均がある場合、定期試験での高得点に加えて普段の授業態度や学習意欲も高そう、という印象を大学に与えることになるので、合否判定で有利になります。
以上のように総合型選抜においても評定平均の高さは重要になります。
関連記事:特別入試の合否と成績の関係
部活・課外活動などに取り組む
部活動や課外活動に取り組んだ実績は、総合型選抜で高く評価されます。
こうした活動から得られる経験や成長は、大学で行う学びに必要なスキルの獲得に直結していることが多いからです。
評価されやすい活動の一例
参考までに部活動では、継続的な取り組みや役職経験が特に評価されます。例えばキャプテンや副キャプテンなどに就いていれば、リーダーシップや協調性をアピールしやすいでしょう。
また、課外活動ではボランティアへの参加が注目される傾向にあります。地域の清掃活動や高齢者施設でのボランティアなど、社会貢献度の高い活動の実績をアピールできると良いでしょう。
このような実績は、出願書類や面接で具体的なエピソードとして活用できます。特に志望学部・学科に関連する活動であれば、強力なアピール材料になります。
そのため、部活動や課外活動に真剣に取り組み、アピールできる実績を作りましょう。
参考記事:慈善活動は特別入試で使える実績なのか?
活動実績は指定校推薦の校内選考を有利にすることもある
最近は指定校推薦の校内選考において評定平均以外の材料を考慮するケースが増えています。
そのため、もしあなたが通っている学校が校内選考の際に評定平均以外に部活動・課外活動の有無や内容を考慮するのであれば、こうした活動への取り組みは指定校推薦の対策にもなるといえます。
志望大学・学部・学科に有効な自己アピール材料を準備する
部活動などの課外活動は、志望大学・学部・学科とは結びつかないケースが多いです。
例えば部活動で野球部に所属し法学部法律学科を志望しているとしましょう。
野球という活動と法学部法律学科での学びには直接の関係はありません。
もちろん、野球部での部活動で培ったリーダーシップを法律学科での学びで発揮できるとアピールすることはできます。
しかし、それだけだと「本当に法律を学びたいのかな?」と本気度を疑われてしまう可能性がありまし。
そこで、法律学科での学びと深く関連する課外活動を経験しておくことをおすすめします。裁判の傍聴や模擬裁判への参加、弁護士事務所でのインターンシップなどが考えられます。
志望大学・学部・学科と結びついた課外活動や研究・探究活動が効果的
先ほど取り上げた法学部・法律学科と弁護士事務所でのインターンシップのように、志望大学・学部・学科と強い結びつきがある課外活動をしておくと総合型選抜で非常に有利です。なぜなら、課外活動を通して大学入学後に学ぶことになる学問への関心度の高さをアピールできるためです。
また、志望学部・学科に関連する独自の研究・探求をしていれば、それがあなたの強力なアピールポイントになります。
加えて、研究・探求の過程であなた自身の強みや志望動機がより明確になることもあります。
ちなみに以上のような活動は、指定校推薦の校内選考の際にも考慮される場合があります。そのため、総合型選抜でアピール材料になる課外活動をしておくことは指定校推薦の校内選考の評価ポイントになる事もあるのです。
ただし、実際に考慮されるかどうかは学校の先生に確認してください。
参考記事:特別入試の合格に繋がる自己アピールの方法
早めの面接対策
面接の対策はできるだけ早く始めましょう。
面接対策は、自己分析を深めて志望理由やあなた自身のアピールポイントを明確にすることから始めなくてはいけません。
また、大学・学部・学科の特色やカリキュラム、教授陣の専攻内容など大学についても詳しく知る必要があります。
場合によっては、その過程で志望校の変更を余儀なくされる可能性もあります。
そうしたケースに備えるためにも、面接対策は早めに始めましょう。
参考記事:対策の詳細を当日よく聞かれる質問と共に解説
早めの小論文対策
総合型選抜で受験する大学・学部・学科が小論文を課している場合、小論文対策が必要となります。
小論文対策では読解力、論理的思考力、表現力の向上に取り組む必要があります。
現代文や小論文の参考書や問題集、あるいは塾の授業や添削指導に取り組みましょう。
また、志望校の出題テーマに沿った予備知識をつけておく必要もあります。日頃から新聞を読んだり、時事問題について考えたりする習慣をつけましょう。
過去問も早いうちにチェックし、出題傾向や必要な対策を把握しておくことが必要です。小論文対策はやるべきことが多いです。1日でも早く開始しましょう。
参考記事:具体的な対策内容を基本的な書き方と共に解説
あらかじめ定めたスケジュールに基づいた計画的な対策
指定校推薦と総合型選抜の準備を並行して効果的に進めるには、あらかじめスケジュールを作成して計画的に準備や対策を進める必要があります。
高校3年生の1年間のスケジュール
以下の表に、高校3年生の1年間のスケジュールの例を記しました。
こちらを参考にしつつご自身の状況に合わせてスケジュールを立ててみましょう。
時期 | 主な対策/イベント | 具体的な行動 |
4月〜5月 |
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5月〜6月 |
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6月〜7月 |
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夏休み |
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9月 |
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10月以降 |
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準備の計画を考える際の大前提
先ほど取り上げたスケジュールはあくまで一例です。そのため、実際の準備を進める際には、以下の点に注意が必要です。
- 個人の状況や志望校の出願時期に合わせて柔軟に調整すること
- 学校行事や定期テストのスケジュールも考慮に入れ、無理のない計画を心がけること
- 大学・学部・学科によって総合型選抜に必要な準備は大きく異なること
- 進捗状況に応じて定期的にスケジュールを見直し、必要に応じて修正すること
計画的に受験対策を進めることで、自信を持って試験に臨むことができます。
両方の受験形式での受験を考えている人から良く頂く質問
最後に、総合型選抜と指定校推薦の両方を考えている受験生からよくいただく質問とその回答を紹介します。
回答する質問は以下の4つです。
- 指定校推薦と総合型選抜のどっちを受験するのがよい?
- 指定校推薦と総合型選抜で求められる評定平均に違いはある?
- 指定校推薦の校内選抜に落ちた後、総合型選抜と併願できる受験形式は?
- 学校推薦型選抜と指定校推薦の違いは?
それぞれの詳細についてはこれから1つずつお答えしていきます。
指定校推薦と総合型選抜のどっちを受験するのがよい?
指定校推薦と総合型選抜のどちらを受験するべきかという質問への答えは、個々人の状況や通っている高校が持っている指定校推薦の枠などによって異なります。特徴
改めて考える指定校推薦の特徴
指定校推薦は校内選考さえ通過できればほぼ100%合格であり、早期に進路が決まるメリットがあります。
ただし校内選考を通過したらもう辞退はできません。また、校内選考を通過するには他の希望者より高い評定平均が必要なケースがほとんどです。
そして、そもそも通っている高校に指定校推薦の枠がない大学・学部・学科には出願することができません。
改めて考える総合型選抜の特徴
一方、総合型選抜は大学にもよりますが複数校に出願できます。
評定平均以外にも多様な評価基準があり、評定平均だけで勝敗が決まるケースはほとんどありません。高校に枠があるかどうかという制約もありません。
志望度がとくに高い大学・学部・学科があり、通っている高校にそこへの指定校推薦の枠があるという人は、まず指定校推薦に挑戦し、校内選抜に落ちてしまったら総合型選抜で出願するという方法がベストです。
指定校推薦の校内選考に向けて準備したことは、総合型選抜を受験する際にも活かせます。
最終的には、あなたの置かれている状況を総合的に判断して指定校推薦と総合型選抜の受験校を決める必要があります。
参考記事:旧AO入試の特徴と善し悪しを解説
指定校推薦と総合型選抜で求められる評定平均に違いはある?
指定校推薦と総合型選抜では、求められる学力や評定平均値に違いがある場合がほとんどです。
指定校推薦は通常、評定平均が最も高い人が校内選考を突破します。つまり評定平均の重要性が極めて高いです。
一方、総合型選抜では評定平均が一定以上あれば誰でも出願が可能になっているケースが多いです。
それに、出願条件に評定平均が定められていない場合もあります。ただし、総合型選抜において評定平均が出願条件になっていなくても評定平均から基礎学力の有無を判断するケースは多いです。
また、評定平均が出願条件に定められていないケースでも、英検のスコアが一定以上である、といった細かい出願条件が定められている場合がありますので注意が必要です。
いずれにせよ、指定校推薦であろうと総合型選抜であろうと、できるだけ高い評定平均を維持するに越したことはありません。
指定校推薦の校内選抜に落ちた後、総合型選抜と併願できる受験形式は?
指定校推薦の校内選考に落ちた後、総合型選抜入試と併願できるのは一般入試と公募推薦入試です。
一般入試と公募推薦の特徴
一般入試と公募推薦の特徴を一覧にしてみましたのでご覧ください。
項目 | 一般入試 | 公募推薦 |
併願 | 可能 | 大学・学部・学科によっては可能 |
メリット | 入試当日の点数さえ高ければ合格できる | 総合型選抜と必要な対策はほぼ同じ |
デメリット | 覚えることが多い | 大学によっては併願不可 |
注意点 | 大学によって問題の難易度が大きく異なる | 大学・学部・学科によって必要な対策は大きく異なる |
戦略 | 総合型選抜で第一志望に挑戦しつつセーフティネットとして対策を進める | 総合型選抜と同じ対策で受験できる試験を選ぶ |
他大学との併願が可能な総合型選抜の一例
また、以下の表では総合型選抜において他大学との併願受験を認めている総合型選抜の一例と併願に関する条件をまとめました。
入試の名称 | 併願に関する出願条件 |
立命館大学AO選抜入学試験 | 他大学との併願可能。 |
慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部 | 他大学との併願可能。 |
國學院大學公募制自己推薦(AO型) | 他大学との併願可能。他学部との併願も可能。 |
関西大学総合型選抜 | 他大学との併願可能。ただし、学部間での併願は不可。 |
中央大学法学部チャレンジ入学試験 | 他大学との併願可能。他学部との併願も可能。 |
併願の可否や条件は年度ごとに変更される可能性があるので、必ず最新の入試要項を確認しましょう。
参考記事:複数の大学に出願する際の注意点と効果的な戦略を解説
学校推薦型選抜と指定校推薦の違いは?
学校推薦型選抜とは、公募推薦と指定校推薦の2つの入試制度の総称です。
両者には大きな違いがいくつもありますので、指定校推薦と公募推薦における大きな相違点を一覧にしてみましたのでご確認ください。
比較項目 | 公募推薦 | 指定校推薦 |
出願 | 学校長の推薦が必要とされているが、比較的誰でも可能 | 大学からの枠と校内選考の |
選考プロセス | 学力試験や面接など多様な方法で評価 | 主に評定平均で高校が判断 |
合格の確実性 | 大学・学部・学科による | 非常に高い |
メリット | 多様な観点から自分をアピールできる | 校内選考さえ突破すれば |
どちらのほうが向いているかは、個々人の状況や通っている高校が持っている指定校推薦の枠によって変わります。
そのため、学校の先生に相談するなどしてあなたに最適な選択肢を模索しましょう。
ここまでの内容のまとめ
この記事では、指定校推薦と総合型選抜を同時に対策する際に知っておいてほしい情報を紹介しました。
最後にここまでの内容の中で重要なポイントをまとめてみましたので、ご覧下さい。
- 指定校推薦は専願が前提で、出願後に他の入試形式を受けられないため、総合型選抜と同時には出願できない。
- 指定校推薦の校内選考に落ちた場合の対策は事前に準備しておく
- 指定校推薦の最大の対策は評定平均の向上である
- 指定校推薦を考えている場合でも、課外活動や面接、小論文など総合型選抜の対策を進めておくとよい
受験形式や受験校の選択基準や選択方法は人によって異なりますので、選択に悩むこともあるかもしれません。
この記事があなたの悩みを解決する一助となれば幸いです。最後までお読みくださりありがとうございました。
参考記事:遅刻数・欠席数と総合型選抜の合否の関係
この記事を書いた人
竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。