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作成日: 2024/10/18 更新日:2024/10/18

総合型選抜(旧AO入試)のⅠ期(1期)とⅡ期(2期)の違いとは?どちらを利用すべきかと共に解説

総合型選抜(旧AO入試)のⅠ期(1期)とⅡ期(2期)の違いとは?どちらを利用すべきかと共に解説

大学を総合型選抜(旧AO入試)で受験する際、入試がⅠ期とⅡ期に分かれていることがあります。

そうすると、Ⅰ期とⅡ期の違いが何なのか疑問に思う方も多いと思います。

そこで、この記事では、総合型選抜のⅠ期とⅡ期に関して以下のことについて解説します。

  • 両時期におけるⅠ期とⅡ期の出願条件の違い
  • 書類や選考方法の違い
  • Ⅰ期とⅡ期の入試難易度の違い
  • Ⅰ期とⅡ期それぞれのメリット・デメリット
  • 総合型選抜のⅠ期とⅡ期のどちらを選ぶべきか

総合型選抜のⅠ期とⅡ期に関するよくある質問とその回答も載せていますので、ぜひ最後までお読みいただき総合型選抜のⅠ期とⅡ期の違いについての理解を深めてください。

この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。


総合型選抜のI期(1期)とII期(2期)の大まかな違い

総合型選抜のⅠ期とⅡ期の大きな相違点のまとめ

総合型選抜のI期とII期には以下のような違いがあります。

項目

Ⅰ期

Ⅱ期

主な出願時期

9月から10月

10月から11月にかけて

出願条件

基本的には同じだが、Ⅱ期の方が緩くなることがある

出願書類

大学・学部・学科によっては異なる場合がある

選考方法

大学・学部・学科によっては異なる場合がある

難易度

Ⅱ期と比べると受験生のレベルが高い傾向にある

Ⅰ期と比べると倍率が高くなる傾向にある

このように、総合型選抜のI期とII期には様々な違いがあります。これらを理解した上で、自分に最適な選択をすることが重要です。

出願時期と入試スケジュールの違い

総合型選抜におけるⅠ期とⅡ期の入試スケジュールの違い

総合型選抜のⅠ期(1期)とⅡ期(2期)では、出願時期と入試スケジュールが異なります。

具体的には、Ⅰ期は9月から10月にかけて出願が始まり、早ければ9月末から試験が行われます。

一方、Ⅱ期は10月から11月に出願が行われ、試験は11月から12月に実施されるのが一般的です。

受験生は自分の準備状況や他の受験スケジュールに合わせて、適切な時期を選ぶ必要があります。

参考記事:特別入試の入試日程に関する特集ページ

出願条件の違い

両時期における出願条件の違い

総合型選抜のⅠ期(1期)とⅡ期(2期)では、基本的には出願条件は同じです。

これは、各期において大学側が求める人物像が変わらないからです。

ただし、Ⅱ期では評定平均や資格などの条件を課さないこともあり、その場合出願のハードルが低くなっているといえます。

出願書類の違い

両時期の出願書類の相違点

選考内容が同じ場合は出願書類も同じであることが多いですが、Ⅰ期(1期)とⅡ期(2期)で選考内容が異なる場合は、出願書類も異なることがあります。

例えば、拓殖大学では総合型選抜入試のⅠ期がプレゼン重視型で、Ⅱ期が自己推薦型となっており、それに応じてエントリーシートの内容が異なります。

次の表は、2025年度の拓殖大学商学部の総合型選抜のⅠ期・Ⅱ期それぞれのエントリーシートの内容です。

設問

Ⅰ期(プレゼン重視型)
参照元資料

Ⅱ期(自己推薦型)
参照元資料

学科の志望理由

あなたの強みや魅力を活かして経験できたことや達成できたこと(スポーツの競技以外)

プレゼンテーションのテーマ
(会計学科は将来行いたい仕事)
そのテーマに興味を持った経緯や理由

学科の志望理由

※どの設問も制限字数は400字以内

また、総合型選抜では入試によって特定のテーマのレポート課題や第三者からの推薦書、作品のポートフォリオなどの提出が求められることもあります。

各大学のホームページで志望する総合型選抜入試の募集要項を確認し、適切な書類を準備することが重要です。

参考記事:出願時に求められる主な資料一覧

選考方法の違い

総合型選抜では、Ⅰ期とⅡ期で選考方法が異なる場合があります。

総合型選抜では、Ⅰ期とⅡ期で選考方法が異なる場合があります。

Ⅰ期・Ⅱ期と期ごとに特徴があるというよりは大学・学部・学科・期ごとにそれぞれ特徴があります。

したがって、各入試の募集要項で2次試験の内容を早めに確認することが重要です。

大まかな傾向としては、I期では面接に加え、グループディスカッションやプレゼンテーションなどの実技試験が多く、コミュニケーション能力や問題解決能力が評価される傾向にあります。

II期では書類審査と面接が重視され、特に志望理由書や自己PR文の内容が重要視される傾向にあります。

こうした傾向を踏まえたうえで、各入試の選考方法の違いを理解し、自分の強みや準備状況に応じて出願する入試や期を選ぶことが必要です。

難易度の違い

総合型選抜におけるⅠ期とⅡ期の難易度の違い

総合型選抜のⅠ期(1期)とⅡ期(2期)の難易度についてですが、入試の難易度は大学や学部、学科によって異なるため、一概に比較するのは難しいです。

しかし、一般的な傾向としては、Ⅰ期の方が難易度は高いとされています。なぜなら、Ⅰ期には第一志望の受験生が集中することが多く、受験生のレベルが高くなる傾向があるためです。

一方で、Ⅱ期は定員が少ないことが多く、1期で不合格となった受験生が再挑戦するケースも多いため倍率が高くなることがあります。
このため、1期と2期では異なる種類の難しさがあると言えます。

総じて、1期で合格を目指す場合には相応の準備と対策を早期に仕上げることが必要ですし、2期を選択する場合でも高い倍率の試験を突破するためにしっかりと対策を進めることが求められます。

それぞれの期に合わせた戦略を立て、入念な準備をして臨むことが大切です。

メリットとデメリット

両時期のメリットとデメリット

総合型選抜Ⅰ期(1期)とⅡ期(2期)のメリットとデメリットは以下のとおりです。

 

Ⅰ期(1期)

Ⅱ期(2期)

メリット

・早期に合否が確定する

・第一志望で早めに合格が可能

・Ⅰ期で不合格でもⅡ期で再挑戦できる場合がある

・面接や小論文の対策時間が確保できる

・課外活動を充実させやすい

・Ⅰ期の結果を踏まえて進路を再考したうえで受験できる

デメリット

・準備期間が短くなる

・合否の判明が遅くなるため他の入試とのスケジュール調整が難しい場合がある

以上のメリットとデメリットを踏まえ、自分の状況や志望校の試験内容に合わせてⅠ期・Ⅱ期の選択をすることが重要です。

どちらを選ぶべきか

I期とⅡ期ではどちらに出願するべきか

総合型選抜のI期はⅡ期と比べて定員が多いことがほとんどであり、Ⅰ期の反省を踏まえてⅡ期に臨むこともできるため、基本的にはI期に出願するのがおすすめです。

ただし、準備が間に合わない場合やⅡ期の試験内容の方が向いている場合は、II期の準備に専念するのも良いでしょう。

志望校のⅠ期、Ⅱ期の選考内容を理解し、自分の状況を踏まえて最適な選択をすることが大切です。

受験スケジュールを組むうえでの注意点

受験スケジュールを組む際の注意点

総合型選抜の受験スケジュールを組む際には、次のような重要な注意点があります。

  • 各大学の募集要項を確認し、出願期間や必要書類の提出期限に注意する。
  • 面接や試験の日程が重ならないようにスケジュールを調整する。
  • 第一志望校で不合格となった場合のリスクヘッジとして、他の大学の総合型選抜Ⅱ期も視野に入れる。

無理のないスケジュールを立てることが成功への第一歩です。

総合型選抜のⅠ期(1期)とⅡ期(2期)に関するよくある質問とその回答

総合型選抜のⅠ期とⅡ期に関するQ&A

総合型選抜のⅠ期(1期)とⅡ期(2期)に関するよくある質問に回答していきます。

Ⅰ期(1期)で落ちた学校の総合型選抜Ⅱ期(2期)は受けられないの?

総合型選抜のⅠ期(1期)で不合格となっても、同じ大学のⅡ期(2期)で再度受験することは可能です。

ただし、大学ごとに再受験の条件や制約が異なるため、事前に大学の公式サイトや募集要項を確認することが重要です。
Ⅰ期とⅡ期で選考基準や必要な書類が異なる場合があるため、注意が必要です。

また、Ⅰ期の経験を活かしてⅡ期での対策を強化することが重要です。
特に、再受験時には自己分析を深めて成長した点を具体的に示すことが求められるので、しっかりと準備を進めましょう。

Ⅰ期(1期)とⅡ期(2期)の両方の試験に出願できるの?

両方の時期に出願することはできるのか

総合型選抜のⅠ期(1期)とⅡ期(2期)の両方に出願することは一般的に可能です。

ただし、大学や学部によって異なるルールや条件が設けられている場合があるので、各大学の募集要項を確認することが重要です。

通常、Ⅰ期で不合格となった場合でもⅡ期に再挑戦できますが、同じ学部・学科に出願できないケースや、出願書類の内容が変更になる場合もあります。

Ⅱ期の出願締め切りがⅠ期の合格発表の直後に設定されていることが多いため、合格発表前に準備しておくことが大切です。

スケジュール管理と体調管理にも十分に注意しましょう。

Ⅰ期(1期)とⅡ期(2期)で違う学部・学科に出願できるの?

総合型選抜のⅠ期(1期)とⅡ期(2期)では、異なる学部や学科に出願することが可能です。

例えば、Ⅰ期では経済学部、Ⅱ期では文学部に出願することもできます。

ただし、学部や学科によって募集要項や出願条件が異なる場合があるため、事前にしっかりと確認することが重要です。

また、期ごとに出願できる学部・学科の数に制限がある場合もあるため、注意が必要です。

出願する学部・学科によって試験内容や評価基準が異なるので、自分の得意分野や興味に合わせて選ぶと良いでしょう。

Ⅰ期(1期)の総合型選抜で合格したら第一志望でなくても入学しないといけないの?

専願型の大学でなければ1期で合格しても入学の義務はない

専願でない場合、総合型選抜のⅠ期(1期)で合格しても、その大学に必ず入学しなければならないわけではありません。

ただし、Ⅰ期で合格した場合、他の大学の入試結果が出る前に入学手続きを完了することが求められる場合があるため、第一志望でなくても入学金を支払う必要があるかもしれません。

各大学の入試スケジュールを確認し、合否に基づいてどのような選択をするかをあらかじめ決めておくことが重要です。

参考記事:総合型選抜の併願制度について解説

Ⅰ期(1期)に加えてⅡ期(2期)の総合型選抜も実施している大学の例を教えてもらえませんか?

総合型選抜のI期とII期の両方を実施している大学の例を紹介します。

いずれも2025年度入試です。

大学

Ⅰ期出願期間

Ⅱ期出願期間

参考ページへのリンク

帝京大学

9/12~26

11/1~18

こちら

立命館アジア太平洋大学

9/2~17

11/21~12/4

こちら

京都精華大学

9/26~10/7

10/18~23

こちらこちら

拓殖大学

10/9~15

11/6~11/12

こちらこちら

日本大学

10/3~10

11/25~12/3

こちらこちら

※立命館アジア太平洋大学の出願期間は、Ⅰ期・Ⅱ期いずれも総合評価方式・探究型の第1次選考のものを掲載しています。

※日本大学は生産工学部のものを掲載しています。

これらの情報を参考に、志望校の入試要項をよく確認して自分に合った対策を立てることが重要です。

他にも多くの大学がI期とII期を実施しているので、入念な情報収集と計画的な準備を進めましょう。

総合型選抜のI期とII期まとめ

総合型選抜における1期と2期の相違点のまとめ

本記事では、総合型選抜のI期とII期の違いについて詳しく解説しました。

最後に、この記事のポイントをまとめます。

  • Ⅰ期は早期に実施されるため、早めの準備が必要です。
  • Ⅰ期とⅡ期では出願書類や選考方法も異なる場合があります。
  • Ⅰ期のほうが受験生のレベルが高い傾向にあります。
  • Ⅱ期のほうが募集人数は少ないため倍率が高くなる傾向にあります。
  • Ⅰ期のほうが募集人数は多く、Ⅰ期の反省を踏まえてⅡ期を受験できるため迷ったらⅠ期を受験するのが望ましいです。

この記事を通じて、総合型選抜のⅠ期とⅡ期の違いについてより深く理解し、志望校合格に向けた戦略を立てることに役立ててください。

各期の特性を把握し、適切な準備を行うことで、合格の可能性を高めましょう。

参考記事:総合型選抜の良い点と悪い点を向いている人の特徴と共に解説

この記事を書いた人

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。